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第二章 冒険者登録編
第67話 ホームセンターにて
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ダンジョンでの畑仕事が落ち着いたところで、俺たちは秋月の運転する車に乗ってホームセンターに向かっていた。車の中ではモコ、ラム、マールの三匹が窓の外を眺めながら和気藹々としている。
その姿が微笑ましく、秋月に頼まれ俺は三匹の姿を動画に収めていた。こういうのも日常風景として上げていく予定なようだ。
「そういえば風間さん、明日が講習でしたね」
「そうなんだよな。それが終われば本登録になるんだけど」
俺はまだ仮登録の段階だからな。本登録の日はテイムしている皆とも一緒に講習を受けることになる。これは仮登録の段階で貰った冊子にも書いてあったことだ。冒険者として活動する以上テイムしている仲間の協力も大切だからということだろう。
「風間さんは本登録が終わった後は、他のダンジョンも挑戦するんですか?」
「いや、俺はとりあえず今のダンジョンで皆とのんびり出来ればいいと思ってるんだ。余程のことが無い限りは他のダンジョンに行くことはないかな」
それに放置ダンジョンと違って当然一般的なダンジョンは危険が伴う。モコやラムも強くなってきてるけど敢えて危険の中に飛び込もうとは思えないんだよな。
「山守さんはどうなの? 格闘のジョブストーンを手に入れれば冒険者としても十分やっていけそうに思えるけど」
「私は管理者として役に立てればと思っただけだから、風間さんと一緒かな」
俺の問いかけに秋月が答えた。どうやら冒険者としての活動を積極的にやろうとは思ってないようだ。おそらく今回のようなトラブルに巻き込まれた際に対処できるようという思いも強いのかもしれない。
秋月はジョブストーンがなくても冒険者と渡り合えるぐらいの腕前だからな。その上で格闘家のジョブまで手に入れたら向かうところ敵なしな気もする。
そんなことを話しているうちにホームセンターに到着した。ここは以前モコとも来たところだな。規模もそれなりに大きくここに来れば大体の物は揃う。
「とりあえずは苗から見ようかな」
「こっちですよね」
家庭菜園のコーナーに向かい色々と見てみる。トマトの苗があるな。種芋もあるしこのあたりを利用しても良さそうだ。
畑をある程度広げるつもりではあるけど、限度はあるからな。とりあえず人参も育てているしある程度厳選していきたい。
後はダンジョン内でどのぐらいで収穫までいけるかかな。何せ成長が早いから通常よりもかなり早く育つ可能性が高い。そのあたりも考慮しても次に育てるのも考えておくといいだろう。
道具としてはポットとトレーも買っておきたい。後は皆も手伝ってくれているからそれぞれにあった道具も揃えておこうかな。スコップや如雨露も追加で買っておきたいし、肥料も色々と必要かな、と色々考えみると必要な物は増えていった。
「車で来て正解だったな。後は――あれ?」
「あら?」
農具関係を見るために店内に入った俺たちだったがそこで見知った顔と遭遇した。彼女は冒険者ギルドで出会った職員の香川だった。
「こないだは色々とお世話になりました」
「大したことはしてないわ。職務を全うしただけだし」
「それでも助けてもらったのは事実ですから」
あの嫌味な二人とのやり取りも彼女のおかげで止めてもらえたのもある。何より講習日も被らないよう気を使ってくれたしな。
「香川さんは今日が休みなのですね」
「えぇ。冒険者ギルドは休日でも関係ないから休みは平日になったりするのよ」
秋月の問いかけに答える香川。
なるほど。言われてみれば冒険者は土日祝日関係なくやっているからそれもわかる気がする。その分、職員の休みは平日にとられるわけか。
「そういえば明日が講習だったわね」
「そうですね。その時はテイムしている皆と一緒に行きますよ」
「そう、あら? そういえば一匹増えてない?」
香川が眼鏡を直しながらマールに注目した。そうかまだ彼女は知らない筈だもんな。
「そうなんですよ。新しい仲間が増えて、それで今日ギルドマスターと立川さんに来てもらって登録しました」
「そういえば、今日は視察があると言っていたわね。それで――」
そう口にしつつ香川がマールをジッと見ていた。マールもそれにつられて彼女を見つめ返している。
「――マァ♪」
「うっ――」
マールが可愛らしく挨拶すると香川が頬を赤くさせて仰け反った。だけどすぐに姿勢を正し眼鏡を直してみせる。
「仲間が増えるのはいいことだけど、管理はしっかりね」
「あ、はい。講習も頑張りますね」
「そうね。それじゃあまたね」
そう言って香川が立ち去った。
「香川さんいつもクールな感じですね」
「そうだな。自分に厳しそうな人だよ」
ただ色々と気遣いは出来る人なんだなと思う。ギルドの職員としてはかなり優秀なんじゃないかな。
それからもホームセンターを回って買い物を終えたわけだけどそれなりの荷物にはなった。本当車を出してもらって助かったよ。
そして帰宅の為に車に乗ろうとしたところで秋月のスマフォが鳴り――
「えっとね。お父さんが帰りによりなさいって。講習前に鍛えておくのは大事と言ってるんだけど」
「あぁ、なるほど」
そういえばまた来るよう言われていたんだったな。明日が講習ということを考えると鍛えてもらっておいた方がいいかな。
「皆はどう思う?」
「ワン!」
「ピキィ~!」
「マァ!」
どうやら皆もやる気十分なような。というわけで俺は厚意を受け取り帰りに山守家に寄らせてもらうことになった。
そして――講習が明日ということもあって結構な量のメニューをこなすことになったよ。まぁ結局お風呂と夕食もごちそうになることになったのだけどね――
その姿が微笑ましく、秋月に頼まれ俺は三匹の姿を動画に収めていた。こういうのも日常風景として上げていく予定なようだ。
「そういえば風間さん、明日が講習でしたね」
「そうなんだよな。それが終われば本登録になるんだけど」
俺はまだ仮登録の段階だからな。本登録の日はテイムしている皆とも一緒に講習を受けることになる。これは仮登録の段階で貰った冊子にも書いてあったことだ。冒険者として活動する以上テイムしている仲間の協力も大切だからということだろう。
「風間さんは本登録が終わった後は、他のダンジョンも挑戦するんですか?」
「いや、俺はとりあえず今のダンジョンで皆とのんびり出来ればいいと思ってるんだ。余程のことが無い限りは他のダンジョンに行くことはないかな」
それに放置ダンジョンと違って当然一般的なダンジョンは危険が伴う。モコやラムも強くなってきてるけど敢えて危険の中に飛び込もうとは思えないんだよな。
「山守さんはどうなの? 格闘のジョブストーンを手に入れれば冒険者としても十分やっていけそうに思えるけど」
「私は管理者として役に立てればと思っただけだから、風間さんと一緒かな」
俺の問いかけに秋月が答えた。どうやら冒険者としての活動を積極的にやろうとは思ってないようだ。おそらく今回のようなトラブルに巻き込まれた際に対処できるようという思いも強いのかもしれない。
秋月はジョブストーンがなくても冒険者と渡り合えるぐらいの腕前だからな。その上で格闘家のジョブまで手に入れたら向かうところ敵なしな気もする。
そんなことを話しているうちにホームセンターに到着した。ここは以前モコとも来たところだな。規模もそれなりに大きくここに来れば大体の物は揃う。
「とりあえずは苗から見ようかな」
「こっちですよね」
家庭菜園のコーナーに向かい色々と見てみる。トマトの苗があるな。種芋もあるしこのあたりを利用しても良さそうだ。
畑をある程度広げるつもりではあるけど、限度はあるからな。とりあえず人参も育てているしある程度厳選していきたい。
後はダンジョン内でどのぐらいで収穫までいけるかかな。何せ成長が早いから通常よりもかなり早く育つ可能性が高い。そのあたりも考慮しても次に育てるのも考えておくといいだろう。
道具としてはポットとトレーも買っておきたい。後は皆も手伝ってくれているからそれぞれにあった道具も揃えておこうかな。スコップや如雨露も追加で買っておきたいし、肥料も色々と必要かな、と色々考えみると必要な物は増えていった。
「車で来て正解だったな。後は――あれ?」
「あら?」
農具関係を見るために店内に入った俺たちだったがそこで見知った顔と遭遇した。彼女は冒険者ギルドで出会った職員の香川だった。
「こないだは色々とお世話になりました」
「大したことはしてないわ。職務を全うしただけだし」
「それでも助けてもらったのは事実ですから」
あの嫌味な二人とのやり取りも彼女のおかげで止めてもらえたのもある。何より講習日も被らないよう気を使ってくれたしな。
「香川さんは今日が休みなのですね」
「えぇ。冒険者ギルドは休日でも関係ないから休みは平日になったりするのよ」
秋月の問いかけに答える香川。
なるほど。言われてみれば冒険者は土日祝日関係なくやっているからそれもわかる気がする。その分、職員の休みは平日にとられるわけか。
「そういえば明日が講習だったわね」
「そうですね。その時はテイムしている皆と一緒に行きますよ」
「そう、あら? そういえば一匹増えてない?」
香川が眼鏡を直しながらマールに注目した。そうかまだ彼女は知らない筈だもんな。
「そうなんですよ。新しい仲間が増えて、それで今日ギルドマスターと立川さんに来てもらって登録しました」
「そういえば、今日は視察があると言っていたわね。それで――」
そう口にしつつ香川がマールをジッと見ていた。マールもそれにつられて彼女を見つめ返している。
「――マァ♪」
「うっ――」
マールが可愛らしく挨拶すると香川が頬を赤くさせて仰け反った。だけどすぐに姿勢を正し眼鏡を直してみせる。
「仲間が増えるのはいいことだけど、管理はしっかりね」
「あ、はい。講習も頑張りますね」
「そうね。それじゃあまたね」
そう言って香川が立ち去った。
「香川さんいつもクールな感じですね」
「そうだな。自分に厳しそうな人だよ」
ただ色々と気遣いは出来る人なんだなと思う。ギルドの職員としてはかなり優秀なんじゃないかな。
それからもホームセンターを回って買い物を終えたわけだけどそれなりの荷物にはなった。本当車を出してもらって助かったよ。
そして帰宅の為に車に乗ろうとしたところで秋月のスマフォが鳴り――
「えっとね。お父さんが帰りによりなさいって。講習前に鍛えておくのは大事と言ってるんだけど」
「あぁ、なるほど」
そういえばまた来るよう言われていたんだったな。明日が講習ということを考えると鍛えてもらっておいた方がいいかな。
「皆はどう思う?」
「ワン!」
「ピキィ~!」
「マァ!」
どうやら皆もやる気十分なような。というわけで俺は厚意を受け取り帰りに山守家に寄らせてもらうことになった。
そして――講習が明日ということもあって結構な量のメニューをこなすことになったよ。まぁ結局お風呂と夕食もごちそうになることになったのだけどね――
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