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第二章 冒険者登録編
第76話 待ち時間
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順番待ちの時間は長い。その間は香川の代わりに見てくれている徳が色々と話をきかせてはくれているのだけどね。
何気に残った面々とも会話が弾んだりもした。中山はその筋肉のインパクトもあって気になってた人も多いようだな。中山自身が気さくな性格なのもあって彼の周りにも人が多かった。
「はぁ本当に可愛い」
「ワオン♪」
「すっごくプニプニしてるぅ」
「ピキィ♪」
「ぬいぐるみみたいで可愛い~」
「マァ~♪」
そしてこっちはこっちでモコ、ラム、マールの三匹が大人気だ。特に女性は興味津々なのか三匹を囲って黄色い悲鳴を上げている。
「凄い人気だよねぇ」
愛川が俺に話しかけてきた。何かこの短い間で随分と仲良くなった感じするな。
「皆かわいいからなぁ。それだけに目立っちゃうのかもな」
「中々の親ばかぶりですなぁ」
俺と愛川が話していると菊池がからかうような口調で話に加わってきた。
「親バカかぁ。確かにそうかも。でもモコたちは可愛いから仕方ない」
「本当に。皆小さくて可愛らしいですよねぇ。でも~戦闘は可能なのですか?」
続いて声を掛けてきたのは大町だった。垂れ目の瞳と間延びした口調からおっとりとした性格なのが窺えた。そんな彼女の疑問は、これからの探索を気にしてのことなのかもしれない。
「大丈夫だ。確かに見た目は小柄だけど、皆鍛えているからな。戦闘もこなせるんだよ」
「ワン! ワゥォオォォオン!」
「ピキィ! ピキッ!」
「マァ~マッ!」
俺の言葉に反応してモコが構えを見せて、ラムはピョンピョン跳ねながら水弾を飛ばしてみせ、マールは植物の根を生やして動かし戦えるとアピールしてくれた。
実はマールが実際戦っている姿はみたことなかったんだけど、あの根の動き流石植物魔法が使えるだけあるな。
「か、可愛い最高すぎよ」
「こんなに可愛いのに頼りがいもあるなんてズルすぎだよぉ」
皆のアピールを見ていた女の子たちはノックダウン寸前だ。これが戦わずして勝つってことか。
「チッ、随分と褒められてるけどさ、あんたはどうなんだよ」
一人の男性が俺に疑いの目を向けてきた。何か面白くなさそうな顔をしている。もしかしてモコたちの人気に嫉妬しているんだろうか。
「まぁ俺のジョブは農民だから戦闘が得意とは言えないんだけどな」
「ハハッ、なんだよ偉そうな事を言って農民かよ」
「ジョブなんて関係ないぞ。ようは心構えの問題だ」
俺に文句をつけてきた男の肩を掴み中山が言った。
「それにさっき試合したが動きはかなりよかった。普段から鍛えている証拠だろう」
「で、でもあんたに負けていたじゃないか」
「あれは棒が貧弱だっただけだ。それに俺の予想ではあれは彼が本来扱う武器ではない筈だ。それでは本当の実力ははかれないさ。それに負けたという意味では君も一緒では?」
「グッ!」
中山に言われて男が喉をつまらせた。そういえば最後に中山と試合した相手もこの男だったな。
「あんた格好悪いよ。相手のジョブだけで判断してマウント取るなんて情けない」
菊池が目を細めて男に言った。言われて男の顔が赤く染まる。
「う、うっせぇな! 大体ズリぃんだよ! こんな可愛らしいモンスターに囲まれてよ!」
「へ?」
「ワン?」
「ピキィ?」
「マッ?」
男が叫んだがそれは俺が思っていたこととは違っていた。てっきりモコたちがチヤホヤされてるのが気に入らないのかと思えば、そっちかよ!
「ほら。そんなに好きなら撫でてみるかい?」
「え? い、いいのか?」
俺がラムを持って話しかけると男が目を点にさせた。この状況で俺がこんなこと言うとは思ってなかったのかもな。
「可愛がってくれるならな」
「お、おう! 勿論だ」
そして男はラムを撫で相好を崩していた。
「本当に悪かった! 俺は本当情けない! つい嫉妬して!」
「いやいやいいよ。それにモコたちの事を可愛がってくれるなら同士みたいなものだからな」
「あ、あんたはなんて心が広いんだ。俺は熊谷 透というんだ宜しくだぜ!」
熊谷は俺にしっかり謝罪してくれた。だから俺ももう言われたことは気にしないことにした。まぁ嫉妬の内容もちょっと可愛らしいものだったしな――
何気に残った面々とも会話が弾んだりもした。中山はその筋肉のインパクトもあって気になってた人も多いようだな。中山自身が気さくな性格なのもあって彼の周りにも人が多かった。
「はぁ本当に可愛い」
「ワオン♪」
「すっごくプニプニしてるぅ」
「ピキィ♪」
「ぬいぐるみみたいで可愛い~」
「マァ~♪」
そしてこっちはこっちでモコ、ラム、マールの三匹が大人気だ。特に女性は興味津々なのか三匹を囲って黄色い悲鳴を上げている。
「凄い人気だよねぇ」
愛川が俺に話しかけてきた。何かこの短い間で随分と仲良くなった感じするな。
「皆かわいいからなぁ。それだけに目立っちゃうのかもな」
「中々の親ばかぶりですなぁ」
俺と愛川が話していると菊池がからかうような口調で話に加わってきた。
「親バカかぁ。確かにそうかも。でもモコたちは可愛いから仕方ない」
「本当に。皆小さくて可愛らしいですよねぇ。でも~戦闘は可能なのですか?」
続いて声を掛けてきたのは大町だった。垂れ目の瞳と間延びした口調からおっとりとした性格なのが窺えた。そんな彼女の疑問は、これからの探索を気にしてのことなのかもしれない。
「大丈夫だ。確かに見た目は小柄だけど、皆鍛えているからな。戦闘もこなせるんだよ」
「ワン! ワゥォオォォオン!」
「ピキィ! ピキッ!」
「マァ~マッ!」
俺の言葉に反応してモコが構えを見せて、ラムはピョンピョン跳ねながら水弾を飛ばしてみせ、マールは植物の根を生やして動かし戦えるとアピールしてくれた。
実はマールが実際戦っている姿はみたことなかったんだけど、あの根の動き流石植物魔法が使えるだけあるな。
「か、可愛い最高すぎよ」
「こんなに可愛いのに頼りがいもあるなんてズルすぎだよぉ」
皆のアピールを見ていた女の子たちはノックダウン寸前だ。これが戦わずして勝つってことか。
「チッ、随分と褒められてるけどさ、あんたはどうなんだよ」
一人の男性が俺に疑いの目を向けてきた。何か面白くなさそうな顔をしている。もしかしてモコたちの人気に嫉妬しているんだろうか。
「まぁ俺のジョブは農民だから戦闘が得意とは言えないんだけどな」
「ハハッ、なんだよ偉そうな事を言って農民かよ」
「ジョブなんて関係ないぞ。ようは心構えの問題だ」
俺に文句をつけてきた男の肩を掴み中山が言った。
「それにさっき試合したが動きはかなりよかった。普段から鍛えている証拠だろう」
「で、でもあんたに負けていたじゃないか」
「あれは棒が貧弱だっただけだ。それに俺の予想ではあれは彼が本来扱う武器ではない筈だ。それでは本当の実力ははかれないさ。それに負けたという意味では君も一緒では?」
「グッ!」
中山に言われて男が喉をつまらせた。そういえば最後に中山と試合した相手もこの男だったな。
「あんた格好悪いよ。相手のジョブだけで判断してマウント取るなんて情けない」
菊池が目を細めて男に言った。言われて男の顔が赤く染まる。
「う、うっせぇな! 大体ズリぃんだよ! こんな可愛らしいモンスターに囲まれてよ!」
「へ?」
「ワン?」
「ピキィ?」
「マッ?」
男が叫んだがそれは俺が思っていたこととは違っていた。てっきりモコたちがチヤホヤされてるのが気に入らないのかと思えば、そっちかよ!
「ほら。そんなに好きなら撫でてみるかい?」
「え? い、いいのか?」
俺がラムを持って話しかけると男が目を点にさせた。この状況で俺がこんなこと言うとは思ってなかったのかもな。
「可愛がってくれるならな」
「お、おう! 勿論だ」
そして男はラムを撫で相好を崩していた。
「本当に悪かった! 俺は本当情けない! つい嫉妬して!」
「いやいやいいよ。それにモコたちの事を可愛がってくれるなら同士みたいなものだからな」
「あ、あんたはなんて心が広いんだ。俺は熊谷 透というんだ宜しくだぜ!」
熊谷は俺にしっかり謝罪してくれた。だから俺ももう言われたことは気にしないことにした。まぁ嫉妬の内容もちょっと可愛らしいものだったしな――
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