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第三章 放置ダンジョンで冒険者暮らし編
第100話 係長の許可
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「それで君たちは子どもたちを助けにダンジョンに入りたいと、そういうわけだね?」
「はい。知り合いも巻き込まれたようで放ってはおけないんです。見つけたらすぐに戻りますから許可を下さい」
「ワンワン!」
「ピキィ~!」
「マァ~!」
係長に聞かれ、改めて俺はダンジョンに入れるよう頼み込んだ。危険は承知だがただ指を咥えて待ってなどいられない。
「頼むぜ。こっちは人数も多い。そう簡単にやられはしないぜ!」
「うむ。この筋肉を見よ! この筋肉があればモンスターなど恐るに足らず」
「それに閉じ込められた小さな子たちを放っておくことなんて出来ないよ!」
「ワンワン!」
「ピキィ!」
「マッ!」
皆も口々の賛同してくれた。すると係長が、ジッと俺たちの事を眺めていた。
「――わかった。君たちの真剣な思いに賭けてみるとしよう」
「本当ですか!」
係長が俺たちがダンジョンに入るのを認めてくれた。ただ近くの職員は驚いた顔を見せていた。
「本気ですか係長! 彼らはF級なんですよ!」
「確かにそうだが、言い方は悪いかもだが今は猫の手も借りたい状況だ。それに何となく彼らは信頼できそうな気がする。だから任せてみようじゃないか」
「あ、ありがとうございます! 俺たちが子どもたちを救ってみせますから!」
係長の判断に俺は感謝する。これで助けにいけそうだ。
「よっしゃそうと決まればさっさと行こうぜ!」
「おう! 筋肉がウズウズしているぞ!」
「怪我してる子もいるかもしれないね。急ごう!」
「ワン!」
「ピキィ~!」
「マァ!」
皆が張り切ってくれていた。係長が許可したことで職員も俺たちを通してくれた。そこで俺も秋月の車から鍬を取り出してダンジョンに向かった――
◆◇◆
「見たかあれ? 鍬なんてもっていってダンジョンでも耕すつもりかあいつは?」
風間たちがダンジョンに向かったのを確認してから小馬鹿にしたように係長が言った。その様子を見た職員が渋い顔を見せる。
「そんな言い方をするぐらいなら何故彼らに許可を与えたのですか?」
「さっきいったとおりだ。中々探索する冒険者が見つからない状況だからな。あんなのでも何もしないよりはマシだろう」
「でも、それで失敗したら」
「その時はこう言え、私たちは止めたが警告を無視して無理やりダンジョンに入っていったとな」
「え? いやしかしそれは流石に……」
職員の額に汗が滲む。論理的にどうなのかと思っている様子だ。
「お前も少しは利口になれ。それに、もし本当にあの連中がモンスターを倒せるならそれはそれで大手柄だ。その場合は上手く行けば私たちの評価も上がる。ま、どっちに転んでも損はないさ」
そう言ってほくそ笑む係長。職員は何か言いたげではあったが口を噤むしかなかった――
「はい。知り合いも巻き込まれたようで放ってはおけないんです。見つけたらすぐに戻りますから許可を下さい」
「ワンワン!」
「ピキィ~!」
「マァ~!」
係長に聞かれ、改めて俺はダンジョンに入れるよう頼み込んだ。危険は承知だがただ指を咥えて待ってなどいられない。
「頼むぜ。こっちは人数も多い。そう簡単にやられはしないぜ!」
「うむ。この筋肉を見よ! この筋肉があればモンスターなど恐るに足らず」
「それに閉じ込められた小さな子たちを放っておくことなんて出来ないよ!」
「ワンワン!」
「ピキィ!」
「マッ!」
皆も口々の賛同してくれた。すると係長が、ジッと俺たちの事を眺めていた。
「――わかった。君たちの真剣な思いに賭けてみるとしよう」
「本当ですか!」
係長が俺たちがダンジョンに入るのを認めてくれた。ただ近くの職員は驚いた顔を見せていた。
「本気ですか係長! 彼らはF級なんですよ!」
「確かにそうだが、言い方は悪いかもだが今は猫の手も借りたい状況だ。それに何となく彼らは信頼できそうな気がする。だから任せてみようじゃないか」
「あ、ありがとうございます! 俺たちが子どもたちを救ってみせますから!」
係長の判断に俺は感謝する。これで助けにいけそうだ。
「よっしゃそうと決まればさっさと行こうぜ!」
「おう! 筋肉がウズウズしているぞ!」
「怪我してる子もいるかもしれないね。急ごう!」
「ワン!」
「ピキィ~!」
「マァ!」
皆が張り切ってくれていた。係長が許可したことで職員も俺たちを通してくれた。そこで俺も秋月の車から鍬を取り出してダンジョンに向かった――
◆◇◆
「見たかあれ? 鍬なんてもっていってダンジョンでも耕すつもりかあいつは?」
風間たちがダンジョンに向かったのを確認してから小馬鹿にしたように係長が言った。その様子を見た職員が渋い顔を見せる。
「そんな言い方をするぐらいなら何故彼らに許可を与えたのですか?」
「さっきいったとおりだ。中々探索する冒険者が見つからない状況だからな。あんなのでも何もしないよりはマシだろう」
「でも、それで失敗したら」
「その時はこう言え、私たちは止めたが警告を無視して無理やりダンジョンに入っていったとな」
「え? いやしかしそれは流石に……」
職員の額に汗が滲む。論理的にどうなのかと思っている様子だ。
「お前も少しは利口になれ。それに、もし本当にあの連中がモンスターを倒せるならそれはそれで大手柄だ。その場合は上手く行けば私たちの評価も上がる。ま、どっちに転んでも損はないさ」
そう言ってほくそ笑む係長。職員は何か言いたげではあったが口を噤むしかなかった――
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