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第三章 放置ダンジョンで冒険者暮らし編
第106話 子どもたちに迫るホブゴブリン、捜索する風間たち
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「グォォオ!」
「ゴブッ!?」
紅葉を救い皆が安堵して直後、ホブゴブリンの裏拳がゴブに命中し、ゴブが壁に叩きつけられた。
「ゴブちゃん!」
紅葉がゴブに駆け寄った。心配そうにしている紅葉を他所にホブゴブリンが棍棒を拾い、紅葉とゴブを見下ろした。
「危ない!」
森下が叫び、石を投げるがその程度で怯むホブゴブリンではなかった。棍棒を構え振り上げたその時――
「ゴブッ!」
立ち直ったゴブが飛び出し、スリングショットを撃った。鉄球は吸い込まれるようにホブゴブリンの瞳にめり込んだ。
『グォォォォォォォォオオッ!』
傷ついた瞳を押さえホブゴブリンが身悶える。その隙にとゴブが紅葉の手を取り走り出した。
「ゴブ~!」
「そ、そうか。皆今のうちよ!」
ゴブと森下が声を上げると子どもたちも弾かれたように駆け出し逃走した。とにかくホブゴブリンから離れるのが先決だった――
◆◇◆
ゴブリンを撃退した後、俺たちは子どもたちを探してダンジョンを移動して回った。熊谷のジョブが盗賊のおかげで余計な戦闘は避けながら移動できたのは大きいと思う。
「この先はいけないみたいだな」
熊谷がそう言って後頭部を擦った。目の前には岩が積み重なっていて先に進めそうにない。これは、最初からこうなっていたと言うよりも落石で塞がったという感じか。
「この行き止まりは盗賊のジョブでも気付けなかったか」
「そこまで万能じゃないってことだ。ただ、ここに人の気配が残ってる、気がするんだよな」
熊谷は確信はなさそうだったが、盗賊のジョブの効果で感覚的にわかることもあるようだ。
「人ってことは子どもたちがいたってことか」
「その可能性はある。ただ、このダンジョン、恐らくだが徐々に形を変えてるぜ」
熊谷が周囲を見回しながらそう言った。俺にはわからないことだが、盗賊だから感じ取れることもあるのかもしれない。
「それって時間を掛けたら道も変わってくるってこと?」
「恐らくそうなるな。ダンジョンにそんなに詳しくないけどよぉ、何となく成長していっている気がするんだよ」
成長するダンジョンか。そういえばダンジョンによっては時間が経つと層が増えたりするという話もあった気がする。それも成長の結果なのかもしれない。
「とにかくこの近くに子どもたちがいた可能性が高いなら、急いで追いかけないと」
「確かにそうだな」
「うむ。俺の筋肉も急げと言っているぞ!」
「子どもたちも不安がっているだろうし早く見つけないとね!」
「ワン!」
「ピキィ!」
「マァッ!」
そうだな。今は出来るだけ戦闘を避けて子どもたちを見つけないと。それに、何だか嫌な胸騒ぎもするんだよな――
「ゴブッ!?」
紅葉を救い皆が安堵して直後、ホブゴブリンの裏拳がゴブに命中し、ゴブが壁に叩きつけられた。
「ゴブちゃん!」
紅葉がゴブに駆け寄った。心配そうにしている紅葉を他所にホブゴブリンが棍棒を拾い、紅葉とゴブを見下ろした。
「危ない!」
森下が叫び、石を投げるがその程度で怯むホブゴブリンではなかった。棍棒を構え振り上げたその時――
「ゴブッ!」
立ち直ったゴブが飛び出し、スリングショットを撃った。鉄球は吸い込まれるようにホブゴブリンの瞳にめり込んだ。
『グォォォォォォォォオオッ!』
傷ついた瞳を押さえホブゴブリンが身悶える。その隙にとゴブが紅葉の手を取り走り出した。
「ゴブ~!」
「そ、そうか。皆今のうちよ!」
ゴブと森下が声を上げると子どもたちも弾かれたように駆け出し逃走した。とにかくホブゴブリンから離れるのが先決だった――
◆◇◆
ゴブリンを撃退した後、俺たちは子どもたちを探してダンジョンを移動して回った。熊谷のジョブが盗賊のおかげで余計な戦闘は避けながら移動できたのは大きいと思う。
「この先はいけないみたいだな」
熊谷がそう言って後頭部を擦った。目の前には岩が積み重なっていて先に進めそうにない。これは、最初からこうなっていたと言うよりも落石で塞がったという感じか。
「この行き止まりは盗賊のジョブでも気付けなかったか」
「そこまで万能じゃないってことだ。ただ、ここに人の気配が残ってる、気がするんだよな」
熊谷は確信はなさそうだったが、盗賊のジョブの効果で感覚的にわかることもあるようだ。
「人ってことは子どもたちがいたってことか」
「その可能性はある。ただ、このダンジョン、恐らくだが徐々に形を変えてるぜ」
熊谷が周囲を見回しながらそう言った。俺にはわからないことだが、盗賊だから感じ取れることもあるのかもしれない。
「それって時間を掛けたら道も変わってくるってこと?」
「恐らくそうなるな。ダンジョンにそんなに詳しくないけどよぉ、何となく成長していっている気がするんだよ」
成長するダンジョンか。そういえばダンジョンによっては時間が経つと層が増えたりするという話もあった気がする。それも成長の結果なのかもしれない。
「とにかくこの近くに子どもたちがいた可能性が高いなら、急いで追いかけないと」
「確かにそうだな」
「うむ。俺の筋肉も急げと言っているぞ!」
「子どもたちも不安がっているだろうし早く見つけないとね!」
「ワン!」
「ピキィ!」
「マァッ!」
そうだな。今は出来るだけ戦闘を避けて子どもたちを見つけないと。それに、何だか嫌な胸騒ぎもするんだよな――
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