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第三章 放置ダンジョンで冒険者暮らし編
第109話 ホブゴブリンとの戦闘
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俺たちはホブゴブリンに立ち向かう決意をした。ホブゴブリンはいかにも強敵そうだが、残りはゴブリン二匹。これまで普通のゴブリンは倒してきたし、人数ならこちらに分がある。
「とりあえず風間、今あいつと戦える技はあるのか?」
熊谷に聞かれてハッとなった。そういえば暫くジョブの状態をチェックしてなかった。
「ちょっとまってくれ」
俺はすかさずステータスを壁面に映し出した。
ジョブ名:農民
装備者:風間 晴彦
ジョブレベル:2
戦闘力:D
魔法力:D
信仰力:C
生産力:B
成長力:C
スキル
土壌改良(10㎡)、土鑑定、耕作力向上(小)、栽培力向上(小)、農民用初級鍬術、鍬強化、土穴砕、天耕撃、土竜突
>>
おお、ジョブレベルが2に上がっている。それに戦闘力と成長力が上がっているぞ。そしてなにげに土壌改良の効果が上がっているな。何より土竜突という技が増えている。
なにか強そうな技だな。これは試す価値があるかもしれない。そこで土竜突という技に注目してみると説明が表示された。
・土竜突
鍬の刃床部で対象を突き飛ばす。意識を飛ばす効果がある。
な、なるほど。突き飛ばすか。意外と普通だったな。何か同時に技のイメージも浮かんできた。本当に鍬で突き飛ばすって感じだが、意識を飛ばすか――
「ジョブレベル2か。それなら俺と同じだな。中山はどうなんだ?」
「俺は3だぞ」
「おお、流石だな」
「皆凄いね。私はまだ1なのに」
愛川がそう言って自嘲し頬を掻いた。
「そんなに大した差じゃないさ。それに愛川の魔法には凄く助けられてる」
「おうよ! 俺も治療してもらったしな」
「うむ。それに愛川の魔法のおかげで俺の筋肉もより頑丈になれているからな」
「ワンワン!」
「ピキィ!」
「マァ!」
俺の言葉を聞き皆が愛川を称えた。愛川も笑みを零していたがあまり和やかなムードではいられない。ホブゴブリンとゴブリン二匹はもうすぐそこまで迫ってきている。
「聖なる加護!」
愛川の魔法だ。俺の肉体が淡く光る。これで受けるダメージは抑えられる筈だ。
ホブゴブリンより先に二匹のゴブリンが近づいてきた。俺が近かったから、前に出て相手することにする。新しい技を試すチャンスかも知れない。
「土竜突!」
鍬でゴブリンを突き飛ばした。見た目はわりと地味だが、突き飛ばされたゴブリンがふらついているのがわかった。
意識が飛ぶというのはこういうことか。ダメージはそこまでじゃないかもだが、これなら――俺は鍬を大きく振り上げて力を溜めた。
「天耕撃!」
叫び鍬を振り下ろす。単純な技だが振り上げた状態で力を溜めることで威力が上昇する技だ。そのまま使っても隙が大きいけど、相手の意識を飛ばした後なら狙える!
「ギャッ!」
悲鳴を上げてゴブリンが地面に叩きつけられた。これで一匹は片付けた。だが、そうこうしている内にホブゴブリンが迫ってきている。手には棍棒が握られていた。原始的な武器だがホブゴブリンが持つと圧倒的な脅威となる。
「相手に不足なし!」
中山がホブゴブリンの正面に立った。中山もかなり体格が良いのだが、ホブゴブリンはそんな中山が見上げるほど大きい。
「フンッ!」
中山がホブゴブリンの棍棒を躱し懐に入った。そして、
「筋肉膨張!」
と、叫ぶと中山の筋肉が盛り上がった。
「うぉおぉおお!」
増強した腕力で中山がホブゴブリンの腹を殴った。だが――ホブゴブリンは顔色一つかえず棍棒で中山を殴った。軽く振っただけに見えたが中山が高速で飛んでいき壁にめり込んだ――
「とりあえず風間、今あいつと戦える技はあるのか?」
熊谷に聞かれてハッとなった。そういえば暫くジョブの状態をチェックしてなかった。
「ちょっとまってくれ」
俺はすかさずステータスを壁面に映し出した。
ジョブ名:農民
装備者:風間 晴彦
ジョブレベル:2
戦闘力:D
魔法力:D
信仰力:C
生産力:B
成長力:C
スキル
土壌改良(10㎡)、土鑑定、耕作力向上(小)、栽培力向上(小)、農民用初級鍬術、鍬強化、土穴砕、天耕撃、土竜突
>>
おお、ジョブレベルが2に上がっている。それに戦闘力と成長力が上がっているぞ。そしてなにげに土壌改良の効果が上がっているな。何より土竜突という技が増えている。
なにか強そうな技だな。これは試す価値があるかもしれない。そこで土竜突という技に注目してみると説明が表示された。
・土竜突
鍬の刃床部で対象を突き飛ばす。意識を飛ばす効果がある。
な、なるほど。突き飛ばすか。意外と普通だったな。何か同時に技のイメージも浮かんできた。本当に鍬で突き飛ばすって感じだが、意識を飛ばすか――
「ジョブレベル2か。それなら俺と同じだな。中山はどうなんだ?」
「俺は3だぞ」
「おお、流石だな」
「皆凄いね。私はまだ1なのに」
愛川がそう言って自嘲し頬を掻いた。
「そんなに大した差じゃないさ。それに愛川の魔法には凄く助けられてる」
「おうよ! 俺も治療してもらったしな」
「うむ。それに愛川の魔法のおかげで俺の筋肉もより頑丈になれているからな」
「ワンワン!」
「ピキィ!」
「マァ!」
俺の言葉を聞き皆が愛川を称えた。愛川も笑みを零していたがあまり和やかなムードではいられない。ホブゴブリンとゴブリン二匹はもうすぐそこまで迫ってきている。
「聖なる加護!」
愛川の魔法だ。俺の肉体が淡く光る。これで受けるダメージは抑えられる筈だ。
ホブゴブリンより先に二匹のゴブリンが近づいてきた。俺が近かったから、前に出て相手することにする。新しい技を試すチャンスかも知れない。
「土竜突!」
鍬でゴブリンを突き飛ばした。見た目はわりと地味だが、突き飛ばされたゴブリンがふらついているのがわかった。
意識が飛ぶというのはこういうことか。ダメージはそこまでじゃないかもだが、これなら――俺は鍬を大きく振り上げて力を溜めた。
「天耕撃!」
叫び鍬を振り下ろす。単純な技だが振り上げた状態で力を溜めることで威力が上昇する技だ。そのまま使っても隙が大きいけど、相手の意識を飛ばした後なら狙える!
「ギャッ!」
悲鳴を上げてゴブリンが地面に叩きつけられた。これで一匹は片付けた。だが、そうこうしている内にホブゴブリンが迫ってきている。手には棍棒が握られていた。原始的な武器だがホブゴブリンが持つと圧倒的な脅威となる。
「相手に不足なし!」
中山がホブゴブリンの正面に立った。中山もかなり体格が良いのだが、ホブゴブリンはそんな中山が見上げるほど大きい。
「フンッ!」
中山がホブゴブリンの棍棒を躱し懐に入った。そして、
「筋肉膨張!」
と、叫ぶと中山の筋肉が盛り上がった。
「うぉおぉおお!」
増強した腕力で中山がホブゴブリンの腹を殴った。だが――ホブゴブリンは顔色一つかえず棍棒で中山を殴った。軽く振っただけに見えたが中山が高速で飛んでいき壁にめり込んだ――
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