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第三章 放置ダンジョンで冒険者暮らし編
第151話 鑑定結果が出た
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受付から手渡されたのは、装備の鑑定結果が記された用紙だった。
■【芽吹きの鍬】
分類:農具/魔具
装着:緑色の魔力水晶(着脱不可)
効果:この鍬で耕した土地は魔力の影響により作物の成長速度が上昇する。水晶が発光している間に“収穫の恵み”を念じつつ耕すことで、癒しの薬草が芽吹く。薬草は自然治癒力を活性化し、小~中程度の外傷を回復させる。
※同じ区画で繰り返し薬草を育てた場合、魔力の乱れによる連作障害が発生するため注意。
■【パワースリングショット】
分類:射撃武器
付与:物理強化(Level1)
効果:金属製の球体弾を(直径1.5cm前後)使用することで、通常のスリングより高威力の射撃が可能。発射された弾には、物理衝撃を増幅するエネルギーが一時的に付加される。
※弾は専用ではないが、適正サイズ・形状のものを使用すること。
以上が今回の鑑定結果だ。予想通り、俺の鍬は薬草を生やす効果があるらしい。ダンジョンでゴブの怪我を癒せたのも、その力のおかげか。
農作業にも使えるし、戦闘のサポートにもなる。これはかなり重宝しそうだ。ただし連作障害のリスクがあるから、無闇に連発するのは禁物だな。
一方でゴブの拾ったスリングショットも、シンプルながら実用性の高い武器だった。威力増加の付与もされていて、鉄球が用意できれば十分戦える代物だ。
「良かったな、ゴブ。これは当たり装備だぞ」
「ゴブ~♪」
満面の笑みで頷くゴブ。モンスターたちも新しい装備に興味津々といった様子で、鍬を覗き込んだり、スリングを撫でたりしていた。
「ありがとうございました」
「ワンワン♪」
「ピキィ♪」
「マァ♪」
「ゴブ~♪」
「モグ~♪」
受付の女性に一礼すると、モンスターたちも手や尻尾を振って挨拶した。微笑ましいその姿に、職員たちもつい口元を綻ばせていた。
書類をまとめて受付を離れ、廊下を歩いていると、向こうから立川職員が歩いてきた。
「あら、あなたたち。今日も何か用事で?」
「はい。ダンジョンで見つけた装備の鑑定をお願いしてました」
「あぁ、依頼リストにあったわね。なるほど、それであの鍬とスリングだったのね」
彼女の口ぶりからすると、今回の鑑定はやはり立川職員が担当してくれたようだ。
「その節はありがとうございました。おかげで鍬の効果も、ゴブの装備の性能もよく分かりました」
「お役に立てたなら何よりよ。それぞれ特徴的だけど、上手く使えば十分実戦級の道具になるわ」
「確かに、これは大事にしないとですね」
「ゴブゥ~!」
俺の言葉に、ゴブがぐっと拳を握るようにしてやる気を示した。頼もしい限りだ。
「ところで、今日は香川さんもギルドマスターも不在なんですね」
「ええ。今日になってやっと本部から調査員が到着したのだけど……ちょっと手間取ってるみたいね」
立川職員が言いかけて、ふと口を噤んだ。
「手間取ってる?」
「……あ、ごめんなさい。気にしないで。あなたたちが心配するようなことじゃないから」
苦笑いを浮かべながら立川さんは話を切り上げ、そのまま通路を進んでいった。何か引っかかる言い方だったが、あまり詮索すべきではないだろう。
ギルドの正面玄関から外に出ると、いつもの駅前広場に陽射しが降り注いでいた。
「さて、これからどうするかな……」
時間はちょうどお昼前。帰って皆でお昼にしてもいいけど、せっかくここまで来たし、どこかで食事をしていこうかと考えていたその時──。
「風間さ~ん!」
元気いっぱいな声が飛んできた。視線を向けると、明るい笑顔で手を振る愛川の姿があった。
「愛川? 偶然だな」
「うんっ。ハルさんもお出かけ?」
「あぁ。ギルドで装備の鑑定をしてもらってた帰りだよ」
簡単に用件を伝えると、愛川は納得したように頷いた。今日は仕事も休みで街に出てきていたらしい。
「それじゃあ、皆ももう用事は済んでるんですね?」
「そうそう。これからどうしようかなって思ってたところだよ」
「それなら丁度いいです! 私、これからランチにしようと思ってて、よかったら一緒に行きませんか?」
タイミングよくお昼のお誘い。俺も皆もお腹は空いていたし、断る理由もなかった。
「じゃあ、お言葉に甘えてご一緒しようかな」
「やったぁ! それじゃあ、私オススメのお店に案内しますね!」
こうして俺たちは、思いがけず愛川と昼食を共にすることになった――。
■【芽吹きの鍬】
分類:農具/魔具
装着:緑色の魔力水晶(着脱不可)
効果:この鍬で耕した土地は魔力の影響により作物の成長速度が上昇する。水晶が発光している間に“収穫の恵み”を念じつつ耕すことで、癒しの薬草が芽吹く。薬草は自然治癒力を活性化し、小~中程度の外傷を回復させる。
※同じ区画で繰り返し薬草を育てた場合、魔力の乱れによる連作障害が発生するため注意。
■【パワースリングショット】
分類:射撃武器
付与:物理強化(Level1)
効果:金属製の球体弾を(直径1.5cm前後)使用することで、通常のスリングより高威力の射撃が可能。発射された弾には、物理衝撃を増幅するエネルギーが一時的に付加される。
※弾は専用ではないが、適正サイズ・形状のものを使用すること。
以上が今回の鑑定結果だ。予想通り、俺の鍬は薬草を生やす効果があるらしい。ダンジョンでゴブの怪我を癒せたのも、その力のおかげか。
農作業にも使えるし、戦闘のサポートにもなる。これはかなり重宝しそうだ。ただし連作障害のリスクがあるから、無闇に連発するのは禁物だな。
一方でゴブの拾ったスリングショットも、シンプルながら実用性の高い武器だった。威力増加の付与もされていて、鉄球が用意できれば十分戦える代物だ。
「良かったな、ゴブ。これは当たり装備だぞ」
「ゴブ~♪」
満面の笑みで頷くゴブ。モンスターたちも新しい装備に興味津々といった様子で、鍬を覗き込んだり、スリングを撫でたりしていた。
「ありがとうございました」
「ワンワン♪」
「ピキィ♪」
「マァ♪」
「ゴブ~♪」
「モグ~♪」
受付の女性に一礼すると、モンスターたちも手や尻尾を振って挨拶した。微笑ましいその姿に、職員たちもつい口元を綻ばせていた。
書類をまとめて受付を離れ、廊下を歩いていると、向こうから立川職員が歩いてきた。
「あら、あなたたち。今日も何か用事で?」
「はい。ダンジョンで見つけた装備の鑑定をお願いしてました」
「あぁ、依頼リストにあったわね。なるほど、それであの鍬とスリングだったのね」
彼女の口ぶりからすると、今回の鑑定はやはり立川職員が担当してくれたようだ。
「その節はありがとうございました。おかげで鍬の効果も、ゴブの装備の性能もよく分かりました」
「お役に立てたなら何よりよ。それぞれ特徴的だけど、上手く使えば十分実戦級の道具になるわ」
「確かに、これは大事にしないとですね」
「ゴブゥ~!」
俺の言葉に、ゴブがぐっと拳を握るようにしてやる気を示した。頼もしい限りだ。
「ところで、今日は香川さんもギルドマスターも不在なんですね」
「ええ。今日になってやっと本部から調査員が到着したのだけど……ちょっと手間取ってるみたいね」
立川職員が言いかけて、ふと口を噤んだ。
「手間取ってる?」
「……あ、ごめんなさい。気にしないで。あなたたちが心配するようなことじゃないから」
苦笑いを浮かべながら立川さんは話を切り上げ、そのまま通路を進んでいった。何か引っかかる言い方だったが、あまり詮索すべきではないだろう。
ギルドの正面玄関から外に出ると、いつもの駅前広場に陽射しが降り注いでいた。
「さて、これからどうするかな……」
時間はちょうどお昼前。帰って皆でお昼にしてもいいけど、せっかくここまで来たし、どこかで食事をしていこうかと考えていたその時──。
「風間さ~ん!」
元気いっぱいな声が飛んできた。視線を向けると、明るい笑顔で手を振る愛川の姿があった。
「愛川? 偶然だな」
「うんっ。ハルさんもお出かけ?」
「あぁ。ギルドで装備の鑑定をしてもらってた帰りだよ」
簡単に用件を伝えると、愛川は納得したように頷いた。今日は仕事も休みで街に出てきていたらしい。
「それじゃあ、皆ももう用事は済んでるんですね?」
「そうそう。これからどうしようかなって思ってたところだよ」
「それなら丁度いいです! 私、これからランチにしようと思ってて、よかったら一緒に行きませんか?」
タイミングよくお昼のお誘い。俺も皆もお腹は空いていたし、断る理由もなかった。
「じゃあ、お言葉に甘えてご一緒しようかな」
「やったぁ! それじゃあ、私オススメのお店に案内しますね!」
こうして俺たちは、思いがけず愛川と昼食を共にすることになった――。
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