大好きな背中

詩織

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有名人!?

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それから、あのテレビだけかと思ったが、まさかの…

伏見涼と一緒に雑誌に出ちゃってる。

男性ファション誌で、私も全く気づかなかった。

たまたまファミレスでお昼休みご飯食べてて、ふと隣をみたら若い男性が雑誌をみてて

「えっ!?ちょっ、ちょっとすいません。その雑誌ってなんの雑誌ですか?」

と、身を乗り出して聞いてしまった。

隣の男性が怪訝そうな顔してたけど、雑誌を教えてくれて、そのあと急いで買いに行った。

伏見涼と並んでも全く違和感ないくらいかっこいい。

同じ俳優といっても全然問題ない。

どうやらこの間のバラエティ番組に出たことで、この雑誌の依頼が伏見涼とあって承諾したと書いてある。

まさか自分にこんな話がくるとはビックリしてますっと書かれてる。

元々悠人はスタイルも俳優としての才能もあるから俺は認めてるんだけどね、スタントマンに転向したときは驚いたけど、でも俺はいつでも悠人と仕事したいと思ってるよ

と、書かれてた。

元々松井さんは俳優志望だったし、これを期に俳優もできるかもしれない。

なんか、こういうの出ると別世界の人になった感じがするな。

まぁ元々私とは別世界だけど。

こんな人と少しでも接することが出来ただけでもよしとするか。

その後も、テレビには出ないにしても、ある男性ファション誌に目に止ままったらしく、モデルとしてときたま出ていた。

「はぁ」

結局私はその雑誌を買ってしまう。

何やってるんだろ私…。




「山見さん」

声をかけてくれたのは、本川課長だった。

「今日、お仕事終わったらお時間あります?」

「えっ?」

「いや、ちょっと実はご相談が」

「わかりました」

仕事のことかな?なんだろ?

何か深刻な感じにも見えたのでお断りも出来ずで、仕事終わったあと、待ち合わせをして、和食屋さんに入った。

「お食事を兼ねてでもいいですか?」

「あ、それは構いませんが」

お互い食事を頼んだあと

「実はですね、うちの部に町田まちだというのが居るんですが、そちらの部の吉野よしのさんに好意があるようで、何度か声をかけたよようで、少し行き過ぎたような行動をしたようなんです」

吉野さんはまだ短大でたばかりの1年目の子だったはず。

「え?例えば?」

「待ち伏せしたり、休みの日に何度も電話したり」

「それって、ストーカーみたいになってませんか?」

「ええ。他の社員から教えてもらって今日注意はしたんですが」

「なるほど。吉野さんまだ新入社員だから相談出来ずなのかもですね。こちらから話してみます」

「すいません。町田にはしっかり釘さしとくので」

「いえ、こういうのは大きくすると色々ありそうですもんね。でもこれで注意してもまだやりそうなら、相談しましょう。こちらも少し気にするようにします。」

「はい。こっちでもしっかり見張っときます」 

食事がちょうど来て、食べ始めた。

「でもまぁ、好きな人に振り向いてもらいたいと必死な気持ちはわかるんですけどね」

本川さんが言った。

私も振られたのに、松井さんに電話したもんな。

あれはあれで本当は迷惑だったのかもしれないし、私だって悪気があったわけではないし、そう考えると…

「そうですね。悪気はないんですよね」

と言った。

「そうなんですよ、こういうのは難しいですね」

その後、本川課長とは私の本社での話とか少しして、お店を出て解散となった。

翌日、吉野さんを呼び

「はい。怖かったです」

と、素直に言ってくれたので

「彼から吉野さんに電話したり、待ち伏せしたりはすることは今後ないから。もしあったら言って欲しいです。私の方でも対処するので」

「あ、ありがとうございます」

と、頭を下げられたので

「いえ、こっちもすぐに気づかずごめんなさい。これからは遠慮なく言って下さい」

といって、吉野さんが落ち着いた顔になったので安堵した。

一件落着した気分になったので、週末だしお酒を多めに買って遅くまで飲みながらゲームでもするかなーと、帰る準備をした。

たまには、日本酒でも買うかなーと思いながら会社に出たとき

「透子」

と、呼ばれた気がした。

一瞬立ち止まったが、そもそも私のことを透子なんて呼ぶ人って限られてるし、ここに居るはずないかっと思い、また歩きはじめた。

「透子」

また声が聞こえた。

そして私の肩を触った。

ちょっとまって、この声がって…

「どういうこと?」

振り向かなくってもわかる。

その声は…

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