逢いたくて逢えない先に...

詩織

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大事な人が

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仕事先でも結婚の報告をし、皆さんに祝福してもらった。

「じゃ今度お祝いで皆で飲みにいこ!」

「新婚さんなんだから、早く帰りたいでしょ?」

「でもお祝いで飲まないとなぁ」

町田さんは皆で飲んで騒ぐのが大好きみたい。

「来週1週間出張があるようなんです。そしたらその時でも」

「おお!じゃその時にやろう!」

省吾は来週1週間、シンガポール支社に1週間出張になる。

今まで出張とかなかったが、今後は少しは増えるらしい。



「じゃ、行ってくるね」

「うん。気を付けてね」

玄関でキスをして、マンションの下まで送りに行く。

1週間かぁー、寂しいけど少しの間だしね。



仕事もだいぶ慣れはじめ、1人で任せてくれることも少し増えてきた。

少しずつやりがいも感じていて楽しくなってきてる。

お祝いの飲み会も盛大にしてくれて、この会社に入ってよかったなっと本当に思う。



<今から飛行機に乗るから。遥に早く会いたいな>

あと少しで省吾に会える。

1週間あっという間だけど、でもやっぱり会えないのは寂しい。

毎日連絡はあるけど、省吾に触れたい。

週末の休みに省吾は帰ってくるので、私は空港まで迎えに行った。



空港に着いたら、周りがざわついてた。

空港のスタッフの人もドタバタ動いてる。

どうしたんだろ?

流石の空気に何かあったんだと察する。

「あのー、どうかされたんですか?」

近くにいた人に聞いてみる

「こっちに帰ってくるはずの飛行機が落ちたんだって」

「え?」

落ちた?

「どちらから来る飛行機ですか?」

「さぁ」

まさかだよね?

17時に戻る便しか聞いてなかったので、省吾の実家に電話しどの便で帰る予定だったか聞くことにした。

お義父さんがすぐ確認すると言ってくすぐ折り返してくれた

「ニュースでの今速報では...シンガポール発だそうだ。省吾の便はZA32便」

「遥さん、しっかりしろ! まだわからない。」

遠くでお義父さんの声が聞こえる。


しばらくして、事故の飛行がZA32便だと放送があった。


「主人が乗ってるんです。」

空港のスタッフに言ったら

「こちらにどうぞ」

っと、案内された。

そこは会議室みたいなところで4~5人しか人がいなかった。

時間がたつにつれて人が増え、その飛行機に乗ってた家族だと解った。

「状況はどうなんですか?」

「まだ確認が」

「乗客名簿です。確認お願いします」

そう言ってリストを1枚渡され、みんなで確認しあった。

「あああ!」

と悲鳴を上げなる人もいるし、下を向いて震える人もいる。

見るのが怖い。でも...確認しないと。

「!?」

『Syogo Iyama』

叫ぶことも泣くことも何もできない。

リストを見て省吾君の名前があって、ただ現実ではないことだけを感がるだけだった。


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