王子の苦悩

忍野木しか

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第五章

魔女の移り

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 三人の遺体を教室に運んだ姫宮玲華は、ふぅ、と教壇の横に腰を下ろした。力なく両目を擦ると、丸めた膝に頭を埋める。澄み切った夜空の星々がいやに眩しかった。乾き切らない血の匂いがずっと離れなかった。疲れた──とそんな声を思うことすらも億劫だった。
 長身の青年たちの体は窓辺に寝かせた。頬に血の気はないものの、肌には弾力があった。閉じられた唇はまだ燃えているようだった。だが、呼吸はない。肌を濡らす血は鮮やかなのに、指の一本すら動かない。疲れた──と玲華は涙を拭うことすらも億劫だった。
「Chi si vede」
 涼やかな声が夜闇を流れた。それが言葉であったか否か、今の玲華には分からない。だが、何やら懐かしい思いがした。
「Signorina Elisabetta, A cosa devo la visita a sorpresa?」
 玲華はそっと顔を上げた。そうして滑らかな黄金色を光を見る。スーツ姿の女性が目の前に立っていた。彼女は青々と翳る宝石のような瞳を持ち、赤々と滴る血のような唇をツンと尖らせていた。
「誰……?」
「Beatrice da triora」
「何……?」
「キサマ、言葉ヲ失ッタノカ?」
「どういう意味……?」
 玲華は膝を丸めたまま不安げに細い首を倒した。女性は明らかに日本人ではないようで、その絹のようなブロンドの髪とサファイヤの瞳はこの木造の校舎には不釣り合いだった。皺一つない紺色のスーツもまた戦中においては異質といえ、玲華は恐々と顔を下げると、教室の隅の暗がりに視線を流した。
「エリザベート、貴様ホドノ女ガ、マサカ全テヲ忘レテシマウトハ」
 サラ・イェンセンは青い目を細めた。侮蔑するように、憎々しげに、長い黒髪の少女を見下ろす。頬にかかったブロンドの髪をサッと払い除けると、ルビーの唇を歪め、満天の夜を彩る三日月に青い視線を送った。
「エリザベートって……?」
「イタリアデノ、キサマノ名ダ。始マリノ魔女メ、本当ニ私ヲ忘レテシマッタノカ」
「イタリア? 始まりの魔女?」
「思イ出セ、エリザベート。私ハ、トリオーラノ魔女」
「トリオーラ?」
「ソウダ、カツテノ私ノ名ハ、ベアトリーチェ・デ・トリオーラ」
「ベアトリーチェ……」
 虚ろだった漆黒の瞳が徐々に見開かれていく。
 それは驚愕の表情だった。
 顔を上げた玲華は拳を握り締めると、唖然としたように、雪原に散った鮮血の唇を縦に歪めた。
「貴様……貴様が、ベアトリーチェだと? いや、まさか……本当にあのベアトリーチェ・デ・トリオーラなのか? そうか、ああ、そうだ、そうだった……。君は……いいや、私はエリザベート……。そうだったのか、ベアトリーチェ、生きていたのか!」
 頭の中に次々と、エリザベートと名乗っていた頃の、惨めな記憶が浮かび上がってきた。今、目の前に立つスーツ姿の魔女──ベアトリーチェと出会ったのはイタリア王国時代のトリオーラだった。そのころの玲華は心が荒み、言いようの無い絶望に打ちひしがれ、ただひたすらに逃げ続けていた。逃げて逃げて──。求めて求めて──。
 玲華は額に手を当てた。
 やはりどうしても肝心な所が思い出せなかった。青い海の底を揺らぐ影のように個々の記憶が形を成さない。いったい、何を求めていたのか。どうして、極東まで逃げてきたのか。
「思イ出シタカ」
「いいや、ダメだ……。分からない……。私はいったい何故あの時……」
「フン、哀レナ」
「哀れ……?」
「アア、哀レナ女ダト言ッテイル」
「何だと……」
「文久サマの云ウトオリダ。何モ変エラレズ、何モ変エヨウトセズ、惰性二生キルバカリ。己ノ目的スラモ思イ出セナイ。ヤハリ魔女トハ哀レナ生キ物ダ」
 玲華の瞳の奥でパッと火花が弾けた。その真っ赤な光に鬱々とした黒い影が身を顰める。薄い拳をグッと握り締めた玲華は長い髪を振るうと、サラ・イェンセンの赤い唇をギロリと睨み上げた。
「ベアトリーチェ、貴様ッ!」
 別に魔女という種に対する侮辱に憤ったわけではなかった。魔女であることを誇りに思ったことなどなかったし、そもそも目の前で魔女を蔑む彼女自身が魔女なのである。ただ玲華の記憶の底に居た女──あの時代のベアトリーチェ・デ・トリオーラはまだ若い魔女で、始まりの魔女と呼ばれた玲華を慕い、敬い、その後ろにいそいそと付き従うばかりだった。そのあまりの純粋さに玲華の方が不安を覚える始末で、魔女狩りの終わらぬ当時のヨーロッパにおいて、ベアトリーチェが生き残る術はないように思われた。さらにその時代の啓蒙運動の水面下で行われていた魔女狩りは、知識、経験、技術、意欲、規模において全盛期を迎えており、すでに長い時を渡り歩いていた玲華自身でさえも自死にて窮地を脱するという以外には逃れられないような場面に幾度となく追い込まれていた。やがてベアトリーチェと歩む道が逸れると、もう彼女は死んでしまったのだろうと、その思い出さえもすぐに積み重なった記憶の汚泥に沈んでしまったのである。
 こうして百数十年ぶりに、このような奇妙な形で、死んだものとばかり思っていた彼女と再会した玲華は感動よりも先ず困惑を覚えた。以前として不鮮明な記憶に焦り、さらにその高圧的な言葉に苛立った。そんな苛立ちにさらに困惑してしまう。どうしてこうも無性に腹が立つのか。下に見ていた女に気が付けば見下ろされていたからだろうか。果たして自分は誰かの上に立つような女だっただろうか。果たして自分はそんなに小さな女だっただろうか。
 分からない──。
 思い出せない──。
 意気消沈した玲華は力なく拳を下げると、また丸めた膝に頭を埋めた。
「ソレデ、エリザベート、オ前ハコンナ所デ何ヲシテイタ」
「玲華、それが今の私の名だ」
「レイカ? ナラバ私ノ事ハ、サラ、ト呼ベ」
「……ベアトリーチェ、お前はどうやってあの時代を逃れた?」
「ロキサーヌノ下二付イタ」
「ロキサーヌだと? 何故だ? どうしてよりによってあんな奴の下に?」
「アンナ時代ダ。帝政ノ魔女カ、帝国ノ魔女、王国ノ魔女ノ下二付ク以外二、私ノヨウナ女ガ生キ残ル術ハ無カッタ」
「だからってロキサーヌは無いだろう。ならばせめて王国のアンか、正教会のカタリーナか、他に方法があったはずだ」
「プロイセン王国ハ遠スギタ。ソレニ、アノ頃スデニ、カタリーナハ行方不明ダッタ。カトイッテ人嫌イデ有名ナ帝国ノ魔女ノ元二逃レル気ハナイ。フランス帝政下ノ、ロキサーヌヲ頼ルヨリ他ナカッタ」
「……まぁ帝国のアレと比べれば、ロキサーヌの方が多少はマシか」
 サラとの再会により、澱んでいた記憶が流れ始める。だが、それでも浮かび上がってくるものは思い出というよりは情報に近い。以前として肝心な部分は闇の中。そのことに焦燥感を募らせる。さらに玲華は、この現在の姫宮玲華としての自分と、それ以前の自分との間の性格や、言動、生き方の乖離に戸惑った。やっと甦った記憶の中の自分は今の自分とは全くの別人のようで、そのことに気が付いたのは、フランスの領土を巡ったあの百年に渡る戦争から、絶対王政期、革命期、そしてイタリア王国の時代を超えて極東の日本に至るまでの惨めな自分の一生を、ひと繋がりの記憶として思い返せたからだった。
「ああ、何なのだろうな、本当に……」
 玲華はそう呟くと、そのまま眠りに落ちるように、深く肩を落とした。
「疲れた……」
「ソレデ、キサマハココデ何ヲシテイル」
 そんな玲華の様子などお構いなしに、サラは紺碧の空のように深い瞳で、少女の長い黒髪を冷たく見下ろした。
「私は……私は、ここで……」
「キサマハ、シャルルヲ探シテイタノデハナカッタノカ?」
「シャルル?」
「カツテノ、戦争ノ、王ダ」
「おっ……」
 玲華の体が雷に貫かれたように硬直した。そのまま呆然と言葉を失ってしまう。ただ、見開かれた瞳の中、漆黒の夜に浮かんだ星々がキラキラと瞬き始めた。
「フランスノ、シャルル七世ダ。キサマハ己ノ王スラモ忘レテシマッタノカ?」
 玲華はわあっと飛び上がった。感情が湧き立ち、煌めき、弾ける。両手をパッと広げ、グッと折り曲げ、そうして玲華はビシッと人差し指の先を前に向けた。彼女の長い黒髪が月の夜を舞い踊った。
「王子じゃん!」
 その勢いにサラの方がギョッと肩を縮めてしまう。そこに先ほどまでの諦念に至った魔女の老獪さなどは見られなかった。玲華は幼い少女のように嬉々として頬を真っ赤に上気させていた。
「王子だよ! 王子を忘れてた! また王子と逸れちゃったんだ!」
「大丈夫カ……?」
「君っ! 君は、えっと……イザベル?」
「サラ、ダ」
「ねぇ、サラダちゃんも手伝ってくれないかな? ほら、あたしたちって同じ魔女じゃん? あたしたちには王子が必要なんだよ!」
「フザケルナ! 私ニハ既ニ永劫ノ忠誠ヲ誓ッタ王ガイル!」
 サラはカッと肩を怒らせ、両手をイッーと真下に伸ばした。その豊満な胸がスーツに圧迫される。
「ソモソモ何ヲ手伝エトイウノダ? ヨモヤ数百年前二死ンダ王ヲ、未ダ本気デ探シ続ケテイルナドト、マタ戯言ヲホザクツモリデハアルマイナ?」
「何の話?」
「オ前ガ王子ヲ探シテイルト言ッタノダロ!」
「何でもいいけど、とにかく王子を探すの手伝ってよ」
「嫌ダ」
「もー、イジワルしないで!」
「今ヤ私ニモ使命ガアル。オ前ノ相手ナドシテヤル暇ハナイ」
 サラはそう冷たく言い放った。それでも、そのまま背中を向けるのは躊躇ってしまう。およそ百数十年ぶりの再会であり──それは魔女にとっては珍しい話でもなかったが──かつての師ともいえる魔女の不安定な精神状態が気になっていた。記憶を完全に失ったというわけではなさそうだった。だが、明らかに様子がおかしい。まるで別の人格が生まれてしまったような。その様子があまりにも哀れで、かと言って手助けしてやろうというつもりは毛頭なく、ただどうにも放ってはおけず、どうしたものかとサラは夜の教室を見渡した。
「コイツハ……コイツラハ何ダ?」
 そこでサラはやっと窓辺に横たわった三人の青年たちに気が付いた。よほど興味が無いのか、まるで蛆虫でも見下ろすようである。魔女であるサラにとって、すでに事切れたそれらは、人の器の残骸に過ぎなかった。それでも多少の感情に心を乱されたようで、サラは、左端に眠る細身の青年の顔をグッと踏み付け、その拳に盛り上がった青黒いタコを睨み下ろした。彼女は彼女の王である小野寺文久の肉体をいいように殴り付けた山田春雄の拳をしっかりと覚えていた。
「やめてぇ!」
 玲華は叫んだ。転がるようにして飛び上がり、春雄の体に覆い被さる。そのあまりにも弱々しい姿──サラはイライラした。苛立ちに耐え切れなくなってまた視線を離した。月明かりの届かぬ壁際へと視線を動かしていく。もうこれ以上、か弱い彼女の姿は見たくなかった。もうこれ以上、過ぎ去った記憶に心を乱されたくなかった。だからサラは教室の暗がりの一点を見つめた。そこに蠢く人の影をジッと睨み付けた。実のところ、先ほどからずっと気になっているものがあったのだ。だが、それは視界に入れることすら不快な存在であり、サラは無視し続けていたのである。
「ソレデ、アレハ何ナノダ?」
 それは荒縄で縛られた男だった。亀の甲羅のように全身がギチギチに拘束されている。口には猿轡を嵌められ、床で、いいや敷き詰められたセーラー服の上で、フーフーと荒い息を漏らしている。その頬は青白くなく、むしろ燃え盛る薪のように赤い。その男が苦痛に喘いでいるわけではないということはすぐに分かった。つまりは相手にする価値のない下等生物であろう。生ゴミ以下の不快生物であろう。そんな男に意識を向けることすら屈辱であったが、どうにも我慢ならなくなったサラは、教室の隅の変態に向かって声を荒げた。
「キサマァ! コノゴミ虫! 人間ノ屑メ! サッキカラ何ヲヤッテイル!」
 ゴミ虫のように体をくねらせていた水口誠也の呼吸がハァハァとさらに荒くなった。美女の侮蔑するような口調に興奮したのである。
「コノ変態メ!」
 サラの豊満な胸元から銀の短刀が引き抜かれる。途端に頬を青ざめさせた誠也はブンブンと大きく首を振った。
 ちょうどその時である。
 教室の後ろの扉がガラリと開いた。
 サラはサッとブロンドの髪を流すと、青白いナイフの先を扉に向けた。
「取り込み中だったか」
 現れたのはどんよりと暗い影だった。いいや、それは陰鬱な男の声。のっぺりと厚い瞼。乾き荒れた唇──ボサボサの髪から覗く男の瞳は何処までも深い影に沈んでいた。
「“止マレ”」
 サラは警戒したように声を鋭く尖らせた。扉から現れたその男に見覚えがあったのだ。
「オ前ハ、アノ時ノ……! コンナ所デ何ヲシテイル!」
 気が付けば教室は青黒い影の中だった。それが日暮れのものか夜明けのものかは分からない。それでも知らぬ間に時間が動いていたことは確かだった。
 木崎隆明は普段通り肩を落とし、コーヒーの香でも追うように、陰鬱な視線を暗がりに漂わせた。



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