そうですか、私より妹の方を選ぶのですか。別に構いませんがその子、どうしようもない程の害悪ですよ?

亜綺羅もも

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 パーティーに参加する日がやって来た。
 馬車で迎えに来たロック様。
 彼の手を取り、私は馬車に乗り込む。

 ロック様はいつもよりも凛々しい姿に、私も普段よりも上等なドレスを纏っていた。
 馬車の中でも明るく話しをしてくれるロック様。
 終始笑顔が絶えない空間。
 あっという間にバーティ―会場へと到着してしまう。
 なんだか、これから始まるパーティーなんかより楽しいのでは?
 そう思えるぐらい、素敵な時間であった。

 到着したのはパルバージルという侯爵家のお城。
 周囲には綺麗な女性、殿方が多く見れられる。
 私はその数と煌びやかさに息を呑んだ。

「大丈夫さ。ここにいる誰よりも君は綺麗だ」
「ロック様……」

 少し気後れしていた私であったが、ロック様の言葉で気持ちが前を向く。
 彼の手に腕を回し、会場へと進んでいく。

「あの二人、素敵ね」
「ああ本当だ……あれは誰だ?」
「ヴァフリン家の次男とアンフォール嬢だな」

 周りの視線が私たちに集まる。
 ロック様は端正な顔立ちで、目立つのだな、と私は彼の顔を見上げる。
 彼も笑顔で、私の方に視線を向ける。

「君の美しさに、皆見惚れているようだよ」
「まさか……皆ロック様に興味をお持ちなのです」
「いやいや、君が注目を集めているのさ」

 パーティー会場の隅の方でそんなやりとりをする私たち。
 その後は代わるがわる、色んな貴族の方と挨拶を交わしていき、ゆっくりと時間が流れていく。

 そうしていると、見知った顔の二人が顔を表せ、心の奥がズシンと重くなる。

「ソフィア……ルーファウス様」
「あの二人も来たのか……」

 ソフィアとルーファウス様はこちらに気づいていない様子。
 周囲の人たちと会話をしているのを遠くから観測していたが……どうもルーファウス様の顔つきが変わったように思える。
 以前はもう少し柔らかかったように思えるが……目つきが鋭く悪人そのもの。
 ニヤニヤと常に笑っており、上品さに欠ける。
 
「なんだかルーファウス様は変わってしまったように見えるね」
「ええ。私もそう思っていました」

 ロック様も同じように感じたらしく、ルーファウス様を見て怪訝そうにしていた。
 するととうとう向こうは私に気づいたらしく、こちらに近づいてくる。
 来なくてもいいのに……

「久しぶりだな、マリア。それにロック」
「ご無沙汰しております」
「お姉様もいらっしゃったのですね」
「…………」

 その時、給仕している方がソフィアたちの後ろを通りかかろうとした。
 その瞬間、ルーファウス様が大きく後ろに下がり、彼にぶつかってしまう。

 彼が持っていたグラスが割れ、ルーファウス様の足元にかかり、急に悪魔のような顔で怒鳴り始める。

「貴様! よくも俺を汚してくれたな! どうしてくれるのだ!」
「も、申し訳ございません!」
「…………」

 醜悪な笑みを浮かべ続けるルーファウス様とソフィア。
 私はソフィアみたいなことをしているルーファウス様に、ただただ唖然としていた。
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