転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

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第五話 特産品の開発

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(このヴォルペで有名になりそうな特産物……何かあるかなぁ?)
僕は現在、ここだけの特産物にできるものが全くないと言う現実を叩きつけられていた。特産物になるものはある。良馬をはじめとした家畜などだ。しかしここだけの特産物かと言われればそうとは言えない。僕はツララにも聞いてみた。
「このヴォルペだけの特産物って何かある?」
もしあるならそれを採用したい。しかしツララは悩むような仕草の後に答えた。
「特に思いあたるものはないですね」
ツララでもわからないらしい。そう思っているとツララが一言だけ言ってくれた。
「えっと……その…ヴォルペだけではありませんが、ヴォルペの絹織物は質が良いと評判があります」
「ホント!? ありがとう」
僕は早速前世の知識を思い出して、絹織物の質をさらに上げる方法を考えた。絹織物の質を上げる方法は様々ある、その中で僕が選んだ方法は三つだった。一つ目、絹糸をつくる蚕の品種選定。二つ目、蚕の餌となる桑の葉の品質向上。三つ目、煮繭・繰糸技術の向上だった。
僕はヴォルペ内でも良質な絹糸を作る蚕を集め、餌としていた桑の葉を、日照量が多く、寒暖差のある地域で育った良質な桑の葉に変更した。そしてその間に良質な絹糸を均一で作れる機械を作ろうとした。幸い昔読んだ本に書かれていた、絹糸を作る機械を覚えていた。僕はそれを思い出しながら設計図に書いていった。その後その設計図を見ながらスキルの一つ、創作を発動させた。
〈スキル・創作〉
スキルを発動すると僕の前に光る球体が現れ、周りにあった木材や金属などを吸い込んでいった。そして光が弱まっていき、光が消えると、光る球体があった場所には設計図通りの機械があった。
これで機械ができた上、スキルの一つである創作についても理解した。創作は、設計図を基に周りにあるものを吸い込んで、吸い込んだもので設計図に書かれているものを再現するスキルなのだと。その後スキルを連続で発動して機械を十台程用意した。
領主屋敷の隣にある大きな蔵。そこを絹織物の生産工場にすることにし、蔵の改装後、機械を入れ、蚕を入れ、労働者を入れた。蚕の品種選定、餌の管理、機械の導入。これらを厳格に行ったことで超高品質の絹織物を均一に作ることができるようになった。もちろん反対もあった。良い蚕を持って行かれると思った者や今まで手作業で煮繭などをしていた人たちだ。しかし彼らには工場内で今までの仕事をさせて、今まで以上の給金を払うなどして解決させた。
これら厳格な製法の基でつくられたこの絹織物をヴォルペの絹ブランド、「アイスペラー」として売り出した。苦労の甲斐もあり、領都では一番の人気絹織物となり、王都でも大人気の絹織物となった。しかしこれらはヴォルペという地方都市の成果であるが、それを面白く思わない者も一定数いた。とくにヴォルペの北にある王国外の赤狄族の都市、フォリシア、フォリシス、フォスブルク。ヴォルペの西方にあるブルディやグリディなどがその最たる例だった。
果たして今後、ヴォルペはどのように変わっていくのだろうか。

🌸次回予告
 第六話 ツララとデート
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