異世界転生した女子高校生は辺境伯令嬢になりましたが

夏休み編

第二十九話

「はぁ～、残念だな。せっかく顔の良い女を見つけたのに」

　それに対して私は言う。

「どれだけ優しい女性でも、顔しか見ない貴方とはだれも結婚どころか付き合いすらしないだろうね」

　するとラルラは顔を赤くして怒って言った。

「ふざけるな！　小娘風情が知ったような口叩きやがって」

　そう言うとラルラは剣を抜いて私に切り掛かって来た。

　私はラルラの振るう剣の太刀筋を読んでそれを的確にかわしていった。

　そしてラルラが剣が当たらなくてイラつき、焦り始めた所で剣を抜いて上に向かって振った。

　私の狙いは最初からラルラではなくその剣だった。

　上に向かって振った私の一撃はラルラの剣に命中し、ラルラの剣を吹き飛ばした。

　剣を失ったラルラは戦意を喪失したと思ったが、次の瞬間ラルラは唱えた。

〈ユニークスキル・大天使〉

　その瞬間だった。ラルラの下に穴が現れ、その穴から天使が二十一体現れ、こちらに敵意を見せて来た。

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