異世界転生した女子高校生は辺境伯令嬢になりましたが

夏休み編

第三十九話

　カオスドラゴンを討伐した日の夜は学生寮でミカと一緒に寝た。

　その翌日のことだった。

　シルカ先生が私の部屋に入ってきて言った。

「ミュカナ！　昨日のカオスドラゴンの討伐のことで王宮に参上するよう国王陛下から言われたよ。だから今から王宮行くよ」

　私はそれを聞いて戸惑っていたがシルカ先生はそんなことお構いなく私を部屋から連れ出し、王宮まで連れてきた。

　そして私はシルカ先生に連れられて国王陛下との謁見をした。

　私は緊張していて何も喋ることができなかった。

　しかし国王陛下の言っていることは理解できた。

「エルトルト辺境伯家の三女ミュカナ・エルトルト。お主のカオスドラゴン討伐の功は大きい。よってミュカナ・エルトルト。お主に今回カオスドラゴンの現れたシンジェル地方を与えるとともに、お主に子爵の位を与える」

　その後のことは覚えていない。

　どうやら私はこの歳で領地と子爵位を貰ったようだ。

　しかしあとから考えて気づいた。

　あの国王は厄介な土地を押し付けてきただけなのだと。

　シンジェル地方。

　それはアーヴァル王国の南西部の辺境に存在し、小都市が三つ、中都市が一つある人口8万人程の小さな地方。
　
　人間族の他に獣人族、亜人などがおり、カフカスの魔境に隣接するため魔物の被害も大きい土地だった。

　そして私ミュカナは今日。その地方の領主になった。