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【23.最悪な二つの選択肢】
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「メシャ! 入ってきちゃだめ!」
瞬時に状況の悪さを感じ取ったリーアンナが、鋭い声でメシャを牽制すると、その言い方を不審に思ったセレステが、
「入りなさい!」
とメシャに命じた。
メシャは相反する二つの命令を一度に受けて、一瞬迷って動きが止まった。
しかし、一秒フリーズしてから、ようやく自分の聞くべきは主人の命令だと判断した。
そして、確信犯的な顔で後ずさりしながら、
「ほんじゃ、一先ず失礼します」
と大仰にお辞儀をした。
「あなた待ちなさい! それから、リーアンナ。彼女ね? 彼女が何か隠していると見たわ」
行動力のあるセレステはすぐにメシャの方に足を向けると同時に、リーアンナの方をちらりと見た。
逃げられないと悟ったリーアンナは懇願するようにセレステに言う。
「セレステ。後生だからあんまり言わないでちょうだい。ただの侍女よ」
「こんなめんどくさそうな顔をする侍女がいる? 何か特別な用事があるんでしょ。信頼関係もあるとみたわ。じゃなきゃこんな顔しないでしょうし」
セレステが言う。
セレステの勘違いをリーアンナはすぐ否定した。
「メシャがめんどくさがりなのはいつものことなの! どんな仕事でもメシャはこの顔よ」
「はあ? じゃあ何で辞めさせないの? こんな無礼な侍女」
セレステが怪訝そうに聞くので、リーアンナは困ってしまった。『夜の散歩』の留守番を頼むのにメシャが何となく都合よかったのだ。しかし、ここでそんなこと言えない!
「う……。あ、え、えと、メシャの母親が女中頭をしていて」
リーアンナの説明は尻すぼみだ。
「だからって傍に置く? あなたメシャって言ったわね。あなたは聖女ルシルダの伝言係か何か?」
埒が明かないので、セレステは直接メシャを問い質すことにした。
メシャはちらりとリーアンナを見たが、リーアンナは焦って首を横に振るばかりでどうしようもない。メシャはため息をついてから、仕方なく言った。
「違いますよ。あたしはただの見張りっす」
「余計なことは言わなくていいのよ、メシャ!」
リーアンナはメシャを黙らせようとしたが、すぐにセレステが横から強い口調で聞いた。
「見張りって何を見張るの」
メシャはまたうっと言葉に詰まる。
ちらちらとリーアンナの方に助けを求めながらも、セレステの剣幕にも気圧されて、完全な板挟み状態だ。
「勘弁してください、あたしは何喋って良くて何がダメなのかとか分かんないんすから」
メシャは正直にそう言って頭を掻いた。
するとすぐにセレステが言った。
「全部話したらいいわ、メシャ。それから、リーアンナ。この期に及んで私に何も言わないようなら、私あなたの友達やめるわ」
セレステは怒りを含んだ鋭い目でリーアンナを睨む。
「え!」
リーアンナは真っ青になった。
「こんなに何か秘密がありそうなのに話してくれないなんて信用できないもの。せめて言えない理由くらいは教えてくれないと、友達やれる自信ないわよ」
セレステは冷たく言う。
リーアンナはあまりの衝撃に掠れた声を絞り出した。
「と、友達でも、秘密を全部絶対言わなきゃいけないわけじゃないでしょ……?」
それはたぶんもっともな言い分だったが、それを分かっていてもセレステは受け入れることができなかった。
「あなたの言いたいことは分かるけど。でも、私は婚約破棄までしてるの。愛がない婚約とか皆に言われたけど、私は前向きだったし婚約者には誠実であろうとしてた。夫婦の信頼は築くつもりだったし、愛情だって年月が経てば生まれると思ってた。そんな相手と私は婚約破棄したの。その背景に何があったのか、知りたいと思うことは間違ってる? そしてそれに関わってそうな親友が私に何か隠し事してる。隠し事されたまま今後普通にあなたと過ごせると思う?」
リーアンナは「ああ」と納得した。
「思わない」
そうだ。セレステは婚約破棄までしたのだった。エルンストやルシルダの件に巻き込まれて。
リーアンナが同意したので、セレステの目が和らぎ、そして今度は堰を切ったように懇願した。
「じゃあ、話して。お願いだから、話してください。私は知りたい。傷ついてる。未来が怖いの。何でもいいから縋りつきたい気分なの。お願い。私のこと友達と思ってくれるなら」
「セレステ……」
リーアンナは戸惑い、どうすべきか迷ってしまった。
そのとき、メシャが横から口を挟んだ。
「リーアンナお嬢様。これ、話した方がいいっすよ」
リーアンナは弾けるようにメシャを見た。
「で、でも! 私の能力は人を不安にさせる! 言えないわ!」
メシャはしょせん他人事なのでどうでもいい顔をしていたが、しかし、日ごろの付き合いで少し助言してやろうという気になっていた。
「ああ、そっすね、確かに人を不安にさせますね。やろうと思えばプライバシーとか全部筒抜けですもんね。お嬢様の能力聞いたら、普通の人なら確かに距離は置きたくなるかもっす。でも、嫌な言い方しますとね、今この状況はさ、言っても親友に距離置かれるかもしれないけど、言わなかったら確実に親友を失う、って感じに見えますよ。言った方がマシじゃないっすか?」
「! なんて嫌なことを言うの! 本当最悪の選択だわ」
リーアンナが顔を歪めながら首を横に振った。
そんなリーアンナを励ますようにメシャは言った。
「あたしなら、セレステ様に言いますよー。そんで、ついでに一個約束します。『あなたには絶対コレを使わない』って」
リーアンナはハッとした。
「あ……!」
メシャはにっこりした。
「使わないと約束すればいいんじゃないっすか? セレステ様が親友なら、きっと信じてくれますよ」
「メ、メシャ……」
リーアンナは目からウロコが落ちたような顔をした。
「さっきから何? 能力って? リーアンナ……」
横からセレステが気味悪そうに小声で口を挟んだ。『能力』という聞きなれない言葉に、セレステは少し怯んでいた。リーアンナが事情通な理由を本人の口から説明してもらいたかったが、もしかしたら思っているような内容ではないのかもしれない。
セレステはさっきの勢いが少しおさまっていて、むしろ自分の癇癪を恥じるように冷静さを取り戻していた。
そして別のことも気になっていた。
――言っても言わなくても友情は終わり? それっていったい何の話?
セレステはリーアンナを慮るように躊躇いがちに言った。
「も、もしかして、あなたがそんなに思い詰めるほどなんだとしたら、私は聞かない方がいいかもしれないわね」
しかし、リーアンナは少し考えた後、決心を固めたように顔を上げた。
「待ってセレステ。言うわ。確かに言ってしまうのは怖いけど。もう黙ってられるような感じでもないものね。全部言うわ。でも誰にも言わないと約束して。私の話を聞いても、まだ私と一緒にいたいと思ってくれるなら、友達続けてよ、セレステ」
それを聞いてセレステは完全に気後れした。
「そりゃ、だ、誰にも言わないけど……。でも、大丈夫? リーアンナ……私、別に……」
セレステが言い終わるか言い終わらないかのうちに、リーアンナは言った。
「私ね、体を抜け出して、あちこち飛び回ることができるの」
瞬時に状況の悪さを感じ取ったリーアンナが、鋭い声でメシャを牽制すると、その言い方を不審に思ったセレステが、
「入りなさい!」
とメシャに命じた。
メシャは相反する二つの命令を一度に受けて、一瞬迷って動きが止まった。
しかし、一秒フリーズしてから、ようやく自分の聞くべきは主人の命令だと判断した。
そして、確信犯的な顔で後ずさりしながら、
「ほんじゃ、一先ず失礼します」
と大仰にお辞儀をした。
「あなた待ちなさい! それから、リーアンナ。彼女ね? 彼女が何か隠していると見たわ」
行動力のあるセレステはすぐにメシャの方に足を向けると同時に、リーアンナの方をちらりと見た。
逃げられないと悟ったリーアンナは懇願するようにセレステに言う。
「セレステ。後生だからあんまり言わないでちょうだい。ただの侍女よ」
「こんなめんどくさそうな顔をする侍女がいる? 何か特別な用事があるんでしょ。信頼関係もあるとみたわ。じゃなきゃこんな顔しないでしょうし」
セレステが言う。
セレステの勘違いをリーアンナはすぐ否定した。
「メシャがめんどくさがりなのはいつものことなの! どんな仕事でもメシャはこの顔よ」
「はあ? じゃあ何で辞めさせないの? こんな無礼な侍女」
セレステが怪訝そうに聞くので、リーアンナは困ってしまった。『夜の散歩』の留守番を頼むのにメシャが何となく都合よかったのだ。しかし、ここでそんなこと言えない!
「う……。あ、え、えと、メシャの母親が女中頭をしていて」
リーアンナの説明は尻すぼみだ。
「だからって傍に置く? あなたメシャって言ったわね。あなたは聖女ルシルダの伝言係か何か?」
埒が明かないので、セレステは直接メシャを問い質すことにした。
メシャはちらりとリーアンナを見たが、リーアンナは焦って首を横に振るばかりでどうしようもない。メシャはため息をついてから、仕方なく言った。
「違いますよ。あたしはただの見張りっす」
「余計なことは言わなくていいのよ、メシャ!」
リーアンナはメシャを黙らせようとしたが、すぐにセレステが横から強い口調で聞いた。
「見張りって何を見張るの」
メシャはまたうっと言葉に詰まる。
ちらちらとリーアンナの方に助けを求めながらも、セレステの剣幕にも気圧されて、完全な板挟み状態だ。
「勘弁してください、あたしは何喋って良くて何がダメなのかとか分かんないんすから」
メシャは正直にそう言って頭を掻いた。
するとすぐにセレステが言った。
「全部話したらいいわ、メシャ。それから、リーアンナ。この期に及んで私に何も言わないようなら、私あなたの友達やめるわ」
セレステは怒りを含んだ鋭い目でリーアンナを睨む。
「え!」
リーアンナは真っ青になった。
「こんなに何か秘密がありそうなのに話してくれないなんて信用できないもの。せめて言えない理由くらいは教えてくれないと、友達やれる自信ないわよ」
セレステは冷たく言う。
リーアンナはあまりの衝撃に掠れた声を絞り出した。
「と、友達でも、秘密を全部絶対言わなきゃいけないわけじゃないでしょ……?」
それはたぶんもっともな言い分だったが、それを分かっていてもセレステは受け入れることができなかった。
「あなたの言いたいことは分かるけど。でも、私は婚約破棄までしてるの。愛がない婚約とか皆に言われたけど、私は前向きだったし婚約者には誠実であろうとしてた。夫婦の信頼は築くつもりだったし、愛情だって年月が経てば生まれると思ってた。そんな相手と私は婚約破棄したの。その背景に何があったのか、知りたいと思うことは間違ってる? そしてそれに関わってそうな親友が私に何か隠し事してる。隠し事されたまま今後普通にあなたと過ごせると思う?」
リーアンナは「ああ」と納得した。
「思わない」
そうだ。セレステは婚約破棄までしたのだった。エルンストやルシルダの件に巻き込まれて。
リーアンナが同意したので、セレステの目が和らぎ、そして今度は堰を切ったように懇願した。
「じゃあ、話して。お願いだから、話してください。私は知りたい。傷ついてる。未来が怖いの。何でもいいから縋りつきたい気分なの。お願い。私のこと友達と思ってくれるなら」
「セレステ……」
リーアンナは戸惑い、どうすべきか迷ってしまった。
そのとき、メシャが横から口を挟んだ。
「リーアンナお嬢様。これ、話した方がいいっすよ」
リーアンナは弾けるようにメシャを見た。
「で、でも! 私の能力は人を不安にさせる! 言えないわ!」
メシャはしょせん他人事なのでどうでもいい顔をしていたが、しかし、日ごろの付き合いで少し助言してやろうという気になっていた。
「ああ、そっすね、確かに人を不安にさせますね。やろうと思えばプライバシーとか全部筒抜けですもんね。お嬢様の能力聞いたら、普通の人なら確かに距離は置きたくなるかもっす。でも、嫌な言い方しますとね、今この状況はさ、言っても親友に距離置かれるかもしれないけど、言わなかったら確実に親友を失う、って感じに見えますよ。言った方がマシじゃないっすか?」
「! なんて嫌なことを言うの! 本当最悪の選択だわ」
リーアンナが顔を歪めながら首を横に振った。
そんなリーアンナを励ますようにメシャは言った。
「あたしなら、セレステ様に言いますよー。そんで、ついでに一個約束します。『あなたには絶対コレを使わない』って」
リーアンナはハッとした。
「あ……!」
メシャはにっこりした。
「使わないと約束すればいいんじゃないっすか? セレステ様が親友なら、きっと信じてくれますよ」
「メ、メシャ……」
リーアンナは目からウロコが落ちたような顔をした。
「さっきから何? 能力って? リーアンナ……」
横からセレステが気味悪そうに小声で口を挟んだ。『能力』という聞きなれない言葉に、セレステは少し怯んでいた。リーアンナが事情通な理由を本人の口から説明してもらいたかったが、もしかしたら思っているような内容ではないのかもしれない。
セレステはさっきの勢いが少しおさまっていて、むしろ自分の癇癪を恥じるように冷静さを取り戻していた。
そして別のことも気になっていた。
――言っても言わなくても友情は終わり? それっていったい何の話?
セレステはリーアンナを慮るように躊躇いがちに言った。
「も、もしかして、あなたがそんなに思い詰めるほどなんだとしたら、私は聞かない方がいいかもしれないわね」
しかし、リーアンナは少し考えた後、決心を固めたように顔を上げた。
「待ってセレステ。言うわ。確かに言ってしまうのは怖いけど。もう黙ってられるような感じでもないものね。全部言うわ。でも誰にも言わないと約束して。私の話を聞いても、まだ私と一緒にいたいと思ってくれるなら、友達続けてよ、セレステ」
それを聞いてセレステは完全に気後れした。
「そりゃ、だ、誰にも言わないけど……。でも、大丈夫? リーアンナ……私、別に……」
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