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【24.リーアンナの秘密】
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セレステは、あまりに突飛な話について行けず、聞き返した。
「え? 体を抜け出す? 何を言っているの?」
リーアンナは申し訳なさそうに縮こまった。
「分からないわよね。私も説明しようがないんだけど。でも眠っているときにね、意識を保って体を抜け出ることができるの。それが今ここでメシャと喋ってた秘密。体を抜け出すと実体がないので誰にも見つからないの。そして私はその力を使ってルシルダ様の話を盗み聞きしたのよ。自分の名誉のために言うと、盗み聞きしてやろうって思ってたんじゃなくて、たまたま聞こえてきたのを聞いてしまったのだけど」
「……」
セレステは目を丸くしている。驚いて言葉も出ない。
「だから私はルシルダ様の仲間じゃない。むしろルシルダ様が人に聞かれたくない話を盗み聞きした立場よ。このことはウォーレスもバートレットもエルンスト様も知らない。メシャとあなただけ」
リーアンナは言った。
「そうだったの……。だからエルンスト様も不思議がっていたのね」
セレステはようやく口が聞けるようになって呟いた。
「そう。こんな能力、持ってること誰にも言えないから、ごめんね言えなくて」
とリーアンナが謝ると、セレステはまだ納得しきれていない顔で頷いた。
「そうね。まだ信じられないわ。正直なこと言うと、ルシルダ様と手を結んでいることをバレたくなくて嘘をついているのかとも思えるくらいだわ。でも、さすがにこんな突飛な話を作って私を騙すとは思いたくないし……」
「ええ! 騙さないわ。というか、こんな能力のことを告白したら、あなたにも気味悪がられるんじゃないかと思って言えなかったの。普通の人間じゃないと思われるし……。それに、バレずに覗けるということは、その……やろうと思えばセレステのプライベートも覗けちゃうわけで……」
リーアンナは小声で言った。
「そうね。それは、確かにめちゃくちゃ嫌だわ……」
「でしょう?」
リーアンナは顔を曇らせた。そして下を向く。最悪の状況を覚悟した。セレステが「そんな化け物と一緒にいられない、恥ずかしい私生活を覗かれでもしたらと思うと安心できない」とか言い出すかもしれない……。
そしてセレステもそれを少し考えているようだった。
「……」
二人は黙った。
二人が気まずそうに黙ったままなのでメシャが堪らず横から口を挟んだ。
「でも、リーアンナお嬢様はセレステ様にはこの能力は使わないっすよ」
助け船に思わずリーアンナは顔を上げた。
「あ、そ、そうよ! 私はセレステには絶対この能力は使わないわ。だから私を警戒しないで。できれば友達でいてほしい」
セレステは固い表情でじっとリーアンナを見つめたが、やがて小さく肯いた。
「そうね。リーアンナがしないと言うなら信じるわ。言いたくないこと言ってくれたんだし。何年も親友やってきたわけだしね」
「ありがとうセレステ!」
リーアンナは嬉しくて目を潤ませた。
そのとき、ふとセレステが気づいた。
「ところでリーアンナ、あなたもしかして、今夜その能力を使おうとしてた?」
「え、え? ど、どうして?」
図星でリーアンナがどきっとする。
「この侍女を呼んだってそういうことじゃないの? この侍女しかあなたの能力知らないって言ったわよね。その侍女を呼ぶってことは……と思ったの」
セレステの勘の良さにリーアンナは脱帽した。
「さすがセレステね。鋭いわ。そうなの。能力を使おうと思っていた」
セレステは心配そうに聞く。
「体を抜け出てどこにいこうと思っていたの?」
「イェレナ様の恋人のところへ」
とリーアンナは答えた。
セレステが驚く。
「え? 居場所分かるの?」
「今日ウォーレスに聞いたから」
とリーアンナが言うと、セレステは困った顔をした。
「ウォーレスはリーアンナの脳力のこと知らないんだよね? ……えっと、ウォーレスはウォーレスで、イェレナ様の恋人の件も手を打ってるんじゃないの?」
リーアンナはセレステの意見ももっともだと思った。しかし、そっと言う。
「そうだとは思うけど。私の方が情報効率よく得られるかもしれないし」
「まあね、バレずに近くまで潜入できるならそうね。イェレナ様の恋人か……。エルンスト様を刺した本人ってことね。事件の証拠とか分かるかもしれないってことかな。でも、重ねて聞くけど、本当に危険じゃないの?」
セレステは心配してくれている。
「抜け出た意識の方は平気なのよ。でも抜け殻の体の方は無防備になるから、メシャが見ててくれる」
「そう、じゃあ、今夜は私もメシャと一緒に見守っておくわ」
セレステはちょっと考えた後、ゆっくりと申し出た。
リーアンナは突然の提案に驚く。
「セレステ!?」
「それくらいさせてよ。言ったでしょ、私、ブローデ様と婚約破棄になっちゃったのよ。私だってこの件に関しては真相を知りたいの。じゃないと苦しいから。ブローデ様はどこまで事件に関わっていて、何を考えていたのか……そういうこと、やっぱり考えちゃうのよ」
セレステは寂しそうに言った。
「そうか、そうよね。じゃ、メシャと一緒に待っててくれる? お泊り女子会するってお父様とお母さまに伝えておくわ」
同情したリーアンナが承諾すると、セレステはありがとうと小さくお辞儀をしてから詳細を尋ねた。
「で、イェレナ様の恋人はどこにいるの?」
「ルシルダ様の筆頭後援神官のいる神殿ですって」
とリーアンナがウォーレスから聞いた通りのことを伝えるとセレステが飛び上がった。
「リーアンナ! もうこれは、ひとまずイェレナ様の恋人より、ルシルダ様の後援神官を調べるべきだと思うわ!」
「え?」
リーアンナは驚いてセレステを見つめた。
「後援神官って、クリス・ウィスレッジよね。覚えているわ。意地悪されたから」
とセレステは不快そうに言う。
「意地悪?」
リーアンナがもっと驚いて聞き返すと、セレステは大きく頷いた。
「そうよ! 私がブローデ様との結婚式を中央神殿で行えるよう調整していたとき、ウィスレッジ神官が中央神殿に根回しして邪魔したのよね。中央神殿では執り行わないと通達してきたの。私より身分の低い家の結婚式はやるくせにね。しかも、ウィスレッジ神官は中央神殿の神官じゃないじゃない、南部の都市の拠点神殿の神官に過ぎないでしょ? 当然私も中央神殿に文句を言ったわ。そしたら、中央神殿も、ウィスレッジ神官には手を焼いてるって言ってた。地方都市の神官なのに、ルシルダ様の後ろ盾があるからって、中央神殿を意のままに操ろうとしているって」
「セレステの結婚式を拒否した理由は何なの?」
リーアンナも憤りを感じながら聞くと、セレステは答えた。
「聖女ルシルダに好意的でない、つまり信心深さが足りない家の者は中央神殿で挙式する権利はない、と言って来たわ。父はだいぶ怒ったけど、祖母が神殿の偉い人に伝手があるからって、『私の顔を立ててちょうだい』ってお金を持って頼みに行ったみたい。そしたら、『金は中央神殿ではなくウィスレッジ宛てに』とか『いくら出せば見直しを検討します』とか言われたの。もともとお金が欲しかったみたいよ。そしたら今度は中央神殿の方が『ウィスレッジ神官は何様だ』って怒っちゃって。でも、ウィスレッジ神官に抗議した中央神殿の神官は、聖女権限か何かでクビになったみたい。ほんと腹立つ」
リーアンナはあまりの横暴ぶりにポカンとしながら聞いていた。
「ブローデ様との結婚が進まなかったのはお姉さまの話だけじゃなかったのね」
「そうよ。神殿の邪魔もあったってわけ。お金で態度が軟化するならと、父はルシルダ様にも大金を積むと連絡したそうよ。その次の機会に会ったときのルシルダ様の勝ち誇った顔ったら! ほんとはらわた煮えくりかえったわ。ルシルダ様、何て言ったと思う?『私からウィスレッジ神官にとりなしてあげるわね。中央神殿は私の言いなりだから何とでもなるわ』ですって。最初っからおまえとウィスレッジ神官が邪魔したせいだろって話!」
セレステは思い出せば今でも腹が立つようで、拳を握りしめている。
リーアンナもあり得ないといったふうに首を振っている。
「なんて汚い話!」
「でしょう? ルシルダ様も相当だけど、ウィスレッジ神官も相当よ。ウィスレッジ神官を見てくるのは一つ近道かもしれないと思うわ」
セレステがそう助言してくれたので、リーアンナも頷いた。
「いい話をありがとう。そうするわ」
「え? 体を抜け出す? 何を言っているの?」
リーアンナは申し訳なさそうに縮こまった。
「分からないわよね。私も説明しようがないんだけど。でも眠っているときにね、意識を保って体を抜け出ることができるの。それが今ここでメシャと喋ってた秘密。体を抜け出すと実体がないので誰にも見つからないの。そして私はその力を使ってルシルダ様の話を盗み聞きしたのよ。自分の名誉のために言うと、盗み聞きしてやろうって思ってたんじゃなくて、たまたま聞こえてきたのを聞いてしまったのだけど」
「……」
セレステは目を丸くしている。驚いて言葉も出ない。
「だから私はルシルダ様の仲間じゃない。むしろルシルダ様が人に聞かれたくない話を盗み聞きした立場よ。このことはウォーレスもバートレットもエルンスト様も知らない。メシャとあなただけ」
リーアンナは言った。
「そうだったの……。だからエルンスト様も不思議がっていたのね」
セレステはようやく口が聞けるようになって呟いた。
「そう。こんな能力、持ってること誰にも言えないから、ごめんね言えなくて」
とリーアンナが謝ると、セレステはまだ納得しきれていない顔で頷いた。
「そうね。まだ信じられないわ。正直なこと言うと、ルシルダ様と手を結んでいることをバレたくなくて嘘をついているのかとも思えるくらいだわ。でも、さすがにこんな突飛な話を作って私を騙すとは思いたくないし……」
「ええ! 騙さないわ。というか、こんな能力のことを告白したら、あなたにも気味悪がられるんじゃないかと思って言えなかったの。普通の人間じゃないと思われるし……。それに、バレずに覗けるということは、その……やろうと思えばセレステのプライベートも覗けちゃうわけで……」
リーアンナは小声で言った。
「そうね。それは、確かにめちゃくちゃ嫌だわ……」
「でしょう?」
リーアンナは顔を曇らせた。そして下を向く。最悪の状況を覚悟した。セレステが「そんな化け物と一緒にいられない、恥ずかしい私生活を覗かれでもしたらと思うと安心できない」とか言い出すかもしれない……。
そしてセレステもそれを少し考えているようだった。
「……」
二人は黙った。
二人が気まずそうに黙ったままなのでメシャが堪らず横から口を挟んだ。
「でも、リーアンナお嬢様はセレステ様にはこの能力は使わないっすよ」
助け船に思わずリーアンナは顔を上げた。
「あ、そ、そうよ! 私はセレステには絶対この能力は使わないわ。だから私を警戒しないで。できれば友達でいてほしい」
セレステは固い表情でじっとリーアンナを見つめたが、やがて小さく肯いた。
「そうね。リーアンナがしないと言うなら信じるわ。言いたくないこと言ってくれたんだし。何年も親友やってきたわけだしね」
「ありがとうセレステ!」
リーアンナは嬉しくて目を潤ませた。
そのとき、ふとセレステが気づいた。
「ところでリーアンナ、あなたもしかして、今夜その能力を使おうとしてた?」
「え、え? ど、どうして?」
図星でリーアンナがどきっとする。
「この侍女を呼んだってそういうことじゃないの? この侍女しかあなたの能力知らないって言ったわよね。その侍女を呼ぶってことは……と思ったの」
セレステの勘の良さにリーアンナは脱帽した。
「さすがセレステね。鋭いわ。そうなの。能力を使おうと思っていた」
セレステは心配そうに聞く。
「体を抜け出てどこにいこうと思っていたの?」
「イェレナ様の恋人のところへ」
とリーアンナは答えた。
セレステが驚く。
「え? 居場所分かるの?」
「今日ウォーレスに聞いたから」
とリーアンナが言うと、セレステは困った顔をした。
「ウォーレスはリーアンナの脳力のこと知らないんだよね? ……えっと、ウォーレスはウォーレスで、イェレナ様の恋人の件も手を打ってるんじゃないの?」
リーアンナはセレステの意見ももっともだと思った。しかし、そっと言う。
「そうだとは思うけど。私の方が情報効率よく得られるかもしれないし」
「まあね、バレずに近くまで潜入できるならそうね。イェレナ様の恋人か……。エルンスト様を刺した本人ってことね。事件の証拠とか分かるかもしれないってことかな。でも、重ねて聞くけど、本当に危険じゃないの?」
セレステは心配してくれている。
「抜け出た意識の方は平気なのよ。でも抜け殻の体の方は無防備になるから、メシャが見ててくれる」
「そう、じゃあ、今夜は私もメシャと一緒に見守っておくわ」
セレステはちょっと考えた後、ゆっくりと申し出た。
リーアンナは突然の提案に驚く。
「セレステ!?」
「それくらいさせてよ。言ったでしょ、私、ブローデ様と婚約破棄になっちゃったのよ。私だってこの件に関しては真相を知りたいの。じゃないと苦しいから。ブローデ様はどこまで事件に関わっていて、何を考えていたのか……そういうこと、やっぱり考えちゃうのよ」
セレステは寂しそうに言った。
「そうか、そうよね。じゃ、メシャと一緒に待っててくれる? お泊り女子会するってお父様とお母さまに伝えておくわ」
同情したリーアンナが承諾すると、セレステはありがとうと小さくお辞儀をしてから詳細を尋ねた。
「で、イェレナ様の恋人はどこにいるの?」
「ルシルダ様の筆頭後援神官のいる神殿ですって」
とリーアンナがウォーレスから聞いた通りのことを伝えるとセレステが飛び上がった。
「リーアンナ! もうこれは、ひとまずイェレナ様の恋人より、ルシルダ様の後援神官を調べるべきだと思うわ!」
「え?」
リーアンナは驚いてセレステを見つめた。
「後援神官って、クリス・ウィスレッジよね。覚えているわ。意地悪されたから」
とセレステは不快そうに言う。
「意地悪?」
リーアンナがもっと驚いて聞き返すと、セレステは大きく頷いた。
「そうよ! 私がブローデ様との結婚式を中央神殿で行えるよう調整していたとき、ウィスレッジ神官が中央神殿に根回しして邪魔したのよね。中央神殿では執り行わないと通達してきたの。私より身分の低い家の結婚式はやるくせにね。しかも、ウィスレッジ神官は中央神殿の神官じゃないじゃない、南部の都市の拠点神殿の神官に過ぎないでしょ? 当然私も中央神殿に文句を言ったわ。そしたら、中央神殿も、ウィスレッジ神官には手を焼いてるって言ってた。地方都市の神官なのに、ルシルダ様の後ろ盾があるからって、中央神殿を意のままに操ろうとしているって」
「セレステの結婚式を拒否した理由は何なの?」
リーアンナも憤りを感じながら聞くと、セレステは答えた。
「聖女ルシルダに好意的でない、つまり信心深さが足りない家の者は中央神殿で挙式する権利はない、と言って来たわ。父はだいぶ怒ったけど、祖母が神殿の偉い人に伝手があるからって、『私の顔を立ててちょうだい』ってお金を持って頼みに行ったみたい。そしたら、『金は中央神殿ではなくウィスレッジ宛てに』とか『いくら出せば見直しを検討します』とか言われたの。もともとお金が欲しかったみたいよ。そしたら今度は中央神殿の方が『ウィスレッジ神官は何様だ』って怒っちゃって。でも、ウィスレッジ神官に抗議した中央神殿の神官は、聖女権限か何かでクビになったみたい。ほんと腹立つ」
リーアンナはあまりの横暴ぶりにポカンとしながら聞いていた。
「ブローデ様との結婚が進まなかったのはお姉さまの話だけじゃなかったのね」
「そうよ。神殿の邪魔もあったってわけ。お金で態度が軟化するならと、父はルシルダ様にも大金を積むと連絡したそうよ。その次の機会に会ったときのルシルダ様の勝ち誇った顔ったら! ほんとはらわた煮えくりかえったわ。ルシルダ様、何て言ったと思う?『私からウィスレッジ神官にとりなしてあげるわね。中央神殿は私の言いなりだから何とでもなるわ』ですって。最初っからおまえとウィスレッジ神官が邪魔したせいだろって話!」
セレステは思い出せば今でも腹が立つようで、拳を握りしめている。
リーアンナもあり得ないといったふうに首を振っている。
「なんて汚い話!」
「でしょう? ルシルダ様も相当だけど、ウィスレッジ神官も相当よ。ウィスレッジ神官を見てくるのは一つ近道かもしれないと思うわ」
セレステがそう助言してくれたので、リーアンナも頷いた。
「いい話をありがとう。そうするわ」
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