152 / 201
番外編~王子様との甘い夜~
#1
しおりを挟む蕩けるような甘くて熱い激しいキスに、息が苦しくなってきて。
「海……翔、く、くるしい……よ」
くらくらしながらも、 海翔の胸の辺りを両手で押さえながらやっとの思いで伝えれば、
「……あぁ、ごめん。あんまり芽依が綺麗でエロいから、夢中になってた」
僅かに唇をくっつけた状態で、艶っぽい瞳で私を見つめたまんま、自分の唇をペロリと舌で舐めながら、そんなことを言い放った海翔。
「え、エロくなんかないもん!」
恥ずかしくて堪らず言い返すと、
「イヤイヤ、エロいだろ?
ウエディングドレス姿の芽依をベッドに押し倒すなんて、俺、初めてだし。
もう、それだけでスゲーことになってるし。 さっきみたいに、触って確かめてみるか?」
「////」
余計、 恥ずかしくなっちゃうような言葉を返されたもんだから、たまったもんじゃない……。
それでなくても、ピッタリと密着した状態なんだから、言われなくてもさっきから脚に触れている。
「……なんだよ? さっきはどんな意地悪言われても、どんな恥ずかしいことされても逃げないって言ってたのに……。
もう、逃げたくなったのか?」
真っ赤になってアワアワしてる私のことを、 フッと軽く笑いながらも、優しく頭をヨシヨシって宥めるように撫でてくれる海翔。
「恥ずかしいけど、逃げたりしないもん。海翔は凄く優しいから。こうやって、いつも私に合わせてくれるでしょ?
もう、大丈夫だよ」
口では強引だったり、意地悪なことを言ってきても、いつも私のペースに合わせてくれる優しい海翔。
そんな海翔に応えたくて、そう言えば、
「んなこと言ってっけど、まだ息が切れてんぞ。 着慣れないもん着てんだし、無理すんなよな?
酸欠で倒れられたら、萎えるし、楽しみが半減するだろ?」
呆れたような口調で言いながら、私の隣に横になったと思えば、私の背中にそっと優しく腕を回して自分の身体の上に抱き上げ、優しく抱きしめてくれた。
今夜の海翔は、落ち着いたシルバーのロングタキシードに身を包んでいるせいか、何もかもが本当の王子様のように見えてしまって、 ずっとドキドキさせられっぱなしだ。
海翔は私の身体をすっぽりと、あったかい腕に包み込んだままで、そっと優しく背中と頭を撫でてくれるから、あんなにガチガチになってたのが嘘のように、少しずつ緊張が解けてきた。
前から優しかったけど、私が事故に遭ってからというもの、輪をかけたように優しくしてくれるようになった海翔。
そんな海翔に申し訳なく思ってしまう程に……。
最近、そのことが気になっていた私は、
「海翔……」
海翔の胸に埋めてた顔をゆっくり上げて、
「……ん?」
「いつも優しくしてくれて、ありがとう。 こうやっていつも私のこと待ってもらって、海翔に我慢させてばっかりで、ごめんね?」
海翔の顔色をうかがうようにして見つめながら伝えてみた。
すると、
「バカだよな? 芽依は」
呆れたように言ってきた海翔によって、さっきよりも強く抱きしめられてしまった。
1
あなたにおすすめの小説
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ドクターダーリン【完結】
桃華れい
恋愛
女子高生×イケメン外科医。
高校生の伊吹彩は、自分を治療してくれた外科医の神河涼先生と付き合っている。
患者と医者の関係でしかも彩が高校生であるため、周囲には絶対に秘密だ。
イケメンで医者で完璧な涼は、当然モテている。
看護師からは手作り弁当を渡され、
巨乳の患者からはセクシーに誘惑され、
同僚の美人女医とは何やら親密な雰囲気が漂う。
そんな涼に本当に好かれているのか不安に思う彩に、ある晩、彼が言う。
「彩、 」
初作品です。
よろしくお願いします。
ムーンライトノベルズ、エブリスタでも投稿しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる