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出会い②
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ミカイルと握手を交わした後、お母さんは急に僕の存在を思い出したのか、くるりと後ろを振り返った。
「ユハン!一人にしてごめんね……ってあら?あなたは?」
お母さんは僕の隣にいるミカイルを見て顔に疑問符を浮かべる。説明しようとしていた僕よりも先に、それに気づいた隣の女性がにっこりと微笑んでその質問に答えた。
「私の息子のミカイルよ、アディ」
「ああ、この子が……」
「そして、ミカイルの隣にいる子が噂のユハンね!?」
彼女はそう言うと僕らの方へ駆け足で寄ってくる。あまりの勢いの良さに僕の足は自然と、一歩後ろへ引き下がっていた。
「はじめまして、ユハン。私はアディの親友のスカーレットよ。今日は来てくれてとっても嬉しいわ」
「あ……ユハン・イーグラントです。よろしくお願いします……スカーレット、さま」
膝に手をついて僕と視線を合わせたスカーレットさまは、ミカイルと同じくパッチリとした大きな目が印象的な、とても明るい雰囲気の美人だった。
そんな綺麗な女性に見つめられ、思わず僕はどぎまぎしながら挨拶を返す。セバスさんの時よりも緊張していたかもしれなかった。
「ふふ、アディに似てとってもかわいらしいわ!ねえ、アディもそう思うでしょう?」
スカーレットさまの言葉に合わせて僕もすがるようにお母さんの方を見れば、何故かお母さんはミカイルをじっと見つめたまま動かなかった。驚いているというよりかは、心ここにあらずといった様相で、放心してしまっているかのようだ。
いつもと様子がおかしいお母さんに、スカーレットさまが大きな声で呼び掛ける。
「アディ?どうかしたの?」
「あ!ごめんなさい…。その、貴方の子があまりにも綺麗だから、つい目が離せなかったわ……」
「あら、そんなに気にすることはないわ。皆初めてミカイルを見たときは大体同じ反応をするのよ。だって、ミカイルってとってもかわいいでしょ?」
「ええ、本当に」
お母さんは神妙な面持ちで頷くと、僕達の方へ歩いてきてミカイルと挨拶を交わす。それを見ながら僕は、先程のスカーレットさまの言葉に若干の違和感を感じていた。
確かにミカイルは綺麗だが、僕はお母さんと同じように目が離せないということはなかった。それよりも手汗の方が気になって、視線も合わせられなかったくらいだった。
お母さんの様子もおかしかったし、もう一度ミカイルの方をよく見てみようと首を動かす。
しかし、それよりも先にスカーレットさまがパチンと手を合わせたことで、僕の意識はそちらを向いた。
「さて、こんなところで話をしてる場合じゃないわ!この日のために、今日はたくさんケーキを用意しているのよ!」
スカーレットさまはそう言うと、僕達を部屋まで案内してくれた。
ケーキ、という単語にすぐさま心が踊り出す。僕の些細な疑問は一瞬にして頭の片隅に追いやられ、気づけばケーキのことでいっぱいになってしまったのだった。
「さあ遠慮しないで。好きなものを食べてちょうだいね」
机の上に並べられた大小様々な種類のケーキ。どれもこれも魅力的すぎて、キョロキョロと目移りが止まらない。
それでもやっぱりこれだけは食べたいと思い、僕は一番最初に目についた、大好きなイチゴが乗っているタルトを選ぶことにした。テカテカと光輝いた真っ赤なイチゴがとても美味しそうだ。
スカーレットさまの遠慮しないでという言葉を聞いて早速そのタルトへ手を伸ばせば、向かい側に座ったミカイルの声が僕の耳に飛び込んできた。
「ぼく、そのイチゴのタルトがたべたいなあ」
そう言ってミカイルの指がさし示した先にあったのは、まさしく僕が今食べたくて取ろうとしていたイチゴのタルト。
「あ…、でもユハンも食べたいんじゃないかしら……?」
僕が手を伸ばす様を見ていたのだろう。咄嗟にお母さんがそう助け船を出してくれるが、ミカイルはそれに怯むことはなく、こちらをじっと見て瞳を潤ませた。
「でも、ぼくこれがいい……。ユハン、だめ?」
「……いやだ。僕がさいしょに取ろうとしたんだから、これは僕のものだ」
ミカイルが大きな目を更に見開いて驚く。
恐らく彼は譲ってくれるものだろうと思っていたのかもしれないが、残念ながら僕は身内以外の人間と関わってこなさすぎたあまり、遠慮というものを知らなかった。だから先に取ろうとした自分が優先されるべきだと思って、譲るという選択肢は出てこなかったのである。
そのままミカイルがあり得ないといわんばかりの表情でこちらを見ているのを尻目に、僕は再びタルトへと手を伸ばす。今度こそ絶対に、それを手に入れられると思っていた。
だがしかし、ミカイルもまた諦めが悪いようで、今度は僕のお母さんに標的を変える。
「アディーラさま、ぼくこのケーキがたべたい」
「えっ?ええと………」
お母さんが戸惑った様子でミカイルを見る。意外にも引き下がらないミカイルに僕は内心驚きつつも、お母さんに助けを求めたのは彼にとって悪手でしかなかった。何故ならお母さんはきっと、自分の味方をしてくれるだろうからだ。
息子の僕を差し置いてミカイルの肩を持つはずがない────そう自信満々にお母さんの方を見やれば、彼女は困ったように眉を下げて僕へ言った。
「……やっぱりこれはミカイル様が食べるべきだわ。ユハン、譲ってあげてくれる?」
「えっ?な、なんで!?」
「なんでもなにも、これはスカーレが用意してくれた物なのよ。私達がでしゃばるべきじゃないわ。……あんまりわがまま言わないで、ユハン」
僕はお母さんに言われたことが衝撃で、口をポカンと開ける。こんな風に叱られたのは生まれて初めてで、いつも僕に優しくしてくれるお母さんじゃないみたいだった。
「ごめんねユハン。今度はもう一つ用意しておくわ」
スカーレットさまは僕を見て謝ってくれたが、正直ケーキが食べられないことよりも、お母さんが僕の味方をしてくれないことの方が悲しかった。
途中までは絶対に僕の肩を持ってくれていたはずなのに、いつの間にお母さんの心は変わってしまったのだろう。
あまり釈然としないまま、僕はその後別のケーキを二つ食べることで悲しみを紛らわせることにした。幸か不幸かどちらのケーキにも食べたかったイチゴが中に入っていて、僕の気分は少しだけ晴れた。
しかし、目の前に座るミカイルのお皿にはイチゴのタルトがまだ半分も残っている。少食なのか、それ以上は食べられないようで、再び彼が手をつける様子もない。
それなら僕が最初から食べたのに────、と思わず口からこぼれ落ちそうになる。そうすればあんな小競り合いをする必要もなかった。
けれども結局、その言葉を口に出すことはなかった。僕はもう二度と、あんな風に怒られて悲しい思いはしたくなかったのだ。
ケーキを食べ終えて一段落すると、お母さんとスカーレットさまはまだまだ積もる話があるようで、二人はとても楽しそうに盛り上がっていた。
僕は当然その話に混ざれるわけもなく、部屋の中を落ち着きなく見渡す。すると、目の前のソファから降りたミカイルが申し訳なさそうな顔をしてこちらにやってくるのが見えた。
「ユハン、さっきはごめんなさい」
「……もういいよ」
「じゃあ、ぼくといっしょにあそんでくれる?」
「────うん」
「やったあ!じゃあぼくのおへやにいこう!」
ミカイルには依然として不満を持っていたものの、ここには友達を作りにきたことを僕は思い出した。
素直になりきれなくて、ついそっけない返事をしてしまう。それでもミカイルは僕の返事を聞くと、とても嬉しそうにニッコリと笑っていた。
「ユハン!一人にしてごめんね……ってあら?あなたは?」
お母さんは僕の隣にいるミカイルを見て顔に疑問符を浮かべる。説明しようとしていた僕よりも先に、それに気づいた隣の女性がにっこりと微笑んでその質問に答えた。
「私の息子のミカイルよ、アディ」
「ああ、この子が……」
「そして、ミカイルの隣にいる子が噂のユハンね!?」
彼女はそう言うと僕らの方へ駆け足で寄ってくる。あまりの勢いの良さに僕の足は自然と、一歩後ろへ引き下がっていた。
「はじめまして、ユハン。私はアディの親友のスカーレットよ。今日は来てくれてとっても嬉しいわ」
「あ……ユハン・イーグラントです。よろしくお願いします……スカーレット、さま」
膝に手をついて僕と視線を合わせたスカーレットさまは、ミカイルと同じくパッチリとした大きな目が印象的な、とても明るい雰囲気の美人だった。
そんな綺麗な女性に見つめられ、思わず僕はどぎまぎしながら挨拶を返す。セバスさんの時よりも緊張していたかもしれなかった。
「ふふ、アディに似てとってもかわいらしいわ!ねえ、アディもそう思うでしょう?」
スカーレットさまの言葉に合わせて僕もすがるようにお母さんの方を見れば、何故かお母さんはミカイルをじっと見つめたまま動かなかった。驚いているというよりかは、心ここにあらずといった様相で、放心してしまっているかのようだ。
いつもと様子がおかしいお母さんに、スカーレットさまが大きな声で呼び掛ける。
「アディ?どうかしたの?」
「あ!ごめんなさい…。その、貴方の子があまりにも綺麗だから、つい目が離せなかったわ……」
「あら、そんなに気にすることはないわ。皆初めてミカイルを見たときは大体同じ反応をするのよ。だって、ミカイルってとってもかわいいでしょ?」
「ええ、本当に」
お母さんは神妙な面持ちで頷くと、僕達の方へ歩いてきてミカイルと挨拶を交わす。それを見ながら僕は、先程のスカーレットさまの言葉に若干の違和感を感じていた。
確かにミカイルは綺麗だが、僕はお母さんと同じように目が離せないということはなかった。それよりも手汗の方が気になって、視線も合わせられなかったくらいだった。
お母さんの様子もおかしかったし、もう一度ミカイルの方をよく見てみようと首を動かす。
しかし、それよりも先にスカーレットさまがパチンと手を合わせたことで、僕の意識はそちらを向いた。
「さて、こんなところで話をしてる場合じゃないわ!この日のために、今日はたくさんケーキを用意しているのよ!」
スカーレットさまはそう言うと、僕達を部屋まで案内してくれた。
ケーキ、という単語にすぐさま心が踊り出す。僕の些細な疑問は一瞬にして頭の片隅に追いやられ、気づけばケーキのことでいっぱいになってしまったのだった。
「さあ遠慮しないで。好きなものを食べてちょうだいね」
机の上に並べられた大小様々な種類のケーキ。どれもこれも魅力的すぎて、キョロキョロと目移りが止まらない。
それでもやっぱりこれだけは食べたいと思い、僕は一番最初に目についた、大好きなイチゴが乗っているタルトを選ぶことにした。テカテカと光輝いた真っ赤なイチゴがとても美味しそうだ。
スカーレットさまの遠慮しないでという言葉を聞いて早速そのタルトへ手を伸ばせば、向かい側に座ったミカイルの声が僕の耳に飛び込んできた。
「ぼく、そのイチゴのタルトがたべたいなあ」
そう言ってミカイルの指がさし示した先にあったのは、まさしく僕が今食べたくて取ろうとしていたイチゴのタルト。
「あ…、でもユハンも食べたいんじゃないかしら……?」
僕が手を伸ばす様を見ていたのだろう。咄嗟にお母さんがそう助け船を出してくれるが、ミカイルはそれに怯むことはなく、こちらをじっと見て瞳を潤ませた。
「でも、ぼくこれがいい……。ユハン、だめ?」
「……いやだ。僕がさいしょに取ろうとしたんだから、これは僕のものだ」
ミカイルが大きな目を更に見開いて驚く。
恐らく彼は譲ってくれるものだろうと思っていたのかもしれないが、残念ながら僕は身内以外の人間と関わってこなさすぎたあまり、遠慮というものを知らなかった。だから先に取ろうとした自分が優先されるべきだと思って、譲るという選択肢は出てこなかったのである。
そのままミカイルがあり得ないといわんばかりの表情でこちらを見ているのを尻目に、僕は再びタルトへと手を伸ばす。今度こそ絶対に、それを手に入れられると思っていた。
だがしかし、ミカイルもまた諦めが悪いようで、今度は僕のお母さんに標的を変える。
「アディーラさま、ぼくこのケーキがたべたい」
「えっ?ええと………」
お母さんが戸惑った様子でミカイルを見る。意外にも引き下がらないミカイルに僕は内心驚きつつも、お母さんに助けを求めたのは彼にとって悪手でしかなかった。何故ならお母さんはきっと、自分の味方をしてくれるだろうからだ。
息子の僕を差し置いてミカイルの肩を持つはずがない────そう自信満々にお母さんの方を見やれば、彼女は困ったように眉を下げて僕へ言った。
「……やっぱりこれはミカイル様が食べるべきだわ。ユハン、譲ってあげてくれる?」
「えっ?な、なんで!?」
「なんでもなにも、これはスカーレが用意してくれた物なのよ。私達がでしゃばるべきじゃないわ。……あんまりわがまま言わないで、ユハン」
僕はお母さんに言われたことが衝撃で、口をポカンと開ける。こんな風に叱られたのは生まれて初めてで、いつも僕に優しくしてくれるお母さんじゃないみたいだった。
「ごめんねユハン。今度はもう一つ用意しておくわ」
スカーレットさまは僕を見て謝ってくれたが、正直ケーキが食べられないことよりも、お母さんが僕の味方をしてくれないことの方が悲しかった。
途中までは絶対に僕の肩を持ってくれていたはずなのに、いつの間にお母さんの心は変わってしまったのだろう。
あまり釈然としないまま、僕はその後別のケーキを二つ食べることで悲しみを紛らわせることにした。幸か不幸かどちらのケーキにも食べたかったイチゴが中に入っていて、僕の気分は少しだけ晴れた。
しかし、目の前に座るミカイルのお皿にはイチゴのタルトがまだ半分も残っている。少食なのか、それ以上は食べられないようで、再び彼が手をつける様子もない。
それなら僕が最初から食べたのに────、と思わず口からこぼれ落ちそうになる。そうすればあんな小競り合いをする必要もなかった。
けれども結局、その言葉を口に出すことはなかった。僕はもう二度と、あんな風に怒られて悲しい思いはしたくなかったのだ。
ケーキを食べ終えて一段落すると、お母さんとスカーレットさまはまだまだ積もる話があるようで、二人はとても楽しそうに盛り上がっていた。
僕は当然その話に混ざれるわけもなく、部屋の中を落ち着きなく見渡す。すると、目の前のソファから降りたミカイルが申し訳なさそうな顔をしてこちらにやってくるのが見えた。
「ユハン、さっきはごめんなさい」
「……もういいよ」
「じゃあ、ぼくといっしょにあそんでくれる?」
「────うん」
「やったあ!じゃあぼくのおへやにいこう!」
ミカイルには依然として不満を持っていたものの、ここには友達を作りにきたことを僕は思い出した。
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