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とんでもない事態
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「賊……!? 一体どういうことなの? 詳しく話して」
「はい……。どうやら早朝未明に賊が当主夫妻の寝室に忍び込んだとか。悲鳴を聞いた使用人達が駆けつけると、賊はそのまま窓から逃げていったそうです」
「なんてこと……。オニキス子爵夫妻は無事なの?」
「お二人とも命に別状はないようですが、傷はかなり酷いようです。今は病院に運ばれ、治療中とのこと。使用人達に怪我はないようです」
「そんな……ひどい……」
セシリアたちが火災という災難に見舞われていたころ、オニキス子爵家でもそのような惨事が起きていたなんて――。セシリアは顔を真っ青にし、恐ろしさに口元を両手で覆った。
「それで、キャサリンはどうしているの?」
「……キャサリン様はあまりのことにその場で倒れてしまいました。ご両親のこともさることながら……どうやら賊がキャサリン様も狙っていたと知り、恐怖でそのまま……。現在は、オニキス家の使用人の方が看てくださっております」
「なんですって!? 賊はキャサリンをも狙っていたというの?」
「はい。賊が去った後、キャサリン様のお部屋を確認した使用人がもう申しておりました。部屋はまるで家探しをされたかのようにひどく荒らされ、ベッドもナイフでズタズタにされていたようです。それを聞いたキャサリン様はご自分が狙われていたというショックで意識を失ってしまいました」
「そんなことが……。ということは、キャサリンはこちらにいたから難を逃れたというわけね。もし、子爵家にいたままなら今頃は……」
そこまで考えて、ぶるりと身震いした。キャサリンをガーネット侯爵家に留め置いたせいで火災に巻き込まれてしまったと後悔していたが、むしろそのおかげで命が助かったのだ。
それにしても、こんな偶然があるだろうか。セシリアの家と、キャサリンの家、そのどちらもが同じ日に災難に見舞われるという偶然が。
(まさかとは思うけれど……オニキス子爵家の件にも、王女が関わっているの? でも、そもそも王女はキャサリンのことを知っているのかしら……)
少なくとも王女との会話の中でキャサリンの名が出てきたことはない。だが、もしエリオットが話の中でキャサリンのことを言ってしまった可能性もある。恋人だということを仄めかしていたなら、邪魔だと思って始末することもあの王女なら十分に有り得る。
とんでもないことになってきた……と、セシリアは思わず頭を抱えた。
こうなっては、こちらだけでは対処しきれない。
「奥様、顔色が……」
きっと、今のセシリアの顔はひどい有様なのだろう。使用人に顔色を指摘され、思わず苦笑してしまった。
「大丈夫よ……。あなたはもう休んでちょうだい。大変だったでしょう」
「とんでもございません。奥様こそお休みになられた方がよろしいかと……」
「私のことは気にしないで。まだやることが残っているから」
とにかくこの情報を王太子妃に届けねば――そう考えたセシリアは代官に頼んで王宮へ文を届けてもらうことにした。
「はい……。どうやら早朝未明に賊が当主夫妻の寝室に忍び込んだとか。悲鳴を聞いた使用人達が駆けつけると、賊はそのまま窓から逃げていったそうです」
「なんてこと……。オニキス子爵夫妻は無事なの?」
「お二人とも命に別状はないようですが、傷はかなり酷いようです。今は病院に運ばれ、治療中とのこと。使用人達に怪我はないようです」
「そんな……ひどい……」
セシリアたちが火災という災難に見舞われていたころ、オニキス子爵家でもそのような惨事が起きていたなんて――。セシリアは顔を真っ青にし、恐ろしさに口元を両手で覆った。
「それで、キャサリンはどうしているの?」
「……キャサリン様はあまりのことにその場で倒れてしまいました。ご両親のこともさることながら……どうやら賊がキャサリン様も狙っていたと知り、恐怖でそのまま……。現在は、オニキス家の使用人の方が看てくださっております」
「なんですって!? 賊はキャサリンをも狙っていたというの?」
「はい。賊が去った後、キャサリン様のお部屋を確認した使用人がもう申しておりました。部屋はまるで家探しをされたかのようにひどく荒らされ、ベッドもナイフでズタズタにされていたようです。それを聞いたキャサリン様はご自分が狙われていたというショックで意識を失ってしまいました」
「そんなことが……。ということは、キャサリンはこちらにいたから難を逃れたというわけね。もし、子爵家にいたままなら今頃は……」
そこまで考えて、ぶるりと身震いした。キャサリンをガーネット侯爵家に留め置いたせいで火災に巻き込まれてしまったと後悔していたが、むしろそのおかげで命が助かったのだ。
それにしても、こんな偶然があるだろうか。セシリアの家と、キャサリンの家、そのどちらもが同じ日に災難に見舞われるという偶然が。
(まさかとは思うけれど……オニキス子爵家の件にも、王女が関わっているの? でも、そもそも王女はキャサリンのことを知っているのかしら……)
少なくとも王女との会話の中でキャサリンの名が出てきたことはない。だが、もしエリオットが話の中でキャサリンのことを言ってしまった可能性もある。恋人だということを仄めかしていたなら、邪魔だと思って始末することもあの王女なら十分に有り得る。
とんでもないことになってきた……と、セシリアは思わず頭を抱えた。
こうなっては、こちらだけでは対処しきれない。
「奥様、顔色が……」
きっと、今のセシリアの顔はひどい有様なのだろう。使用人に顔色を指摘され、思わず苦笑してしまった。
「大丈夫よ……。あなたはもう休んでちょうだい。大変だったでしょう」
「とんでもございません。奥様こそお休みになられた方がよろしいかと……」
「私のことは気にしないで。まだやることが残っているから」
とにかくこの情報を王太子妃に届けねば――そう考えたセシリアは代官に頼んで王宮へ文を届けてもらうことにした。
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