やり直すなら、貴方とは結婚しません

わらびもち

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あの言葉の意味

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「お忘れですか? 貴方は前の人生で私に『君となんて結婚しなければよかった』と言ったのですよ。しかもその後『仕方ないだろう』とまで。これはどういう意味で仰ったのか、お聞かせくださいます?」

 この台詞だけはきっと生涯忘れられない。
 ふとした瞬間に胸の中に現れては私の心を蝕む毒。

 何故こんな毒を吐いたのか。それを聞かねばこの言葉に一生捕らわれたままだ。
 それが苦しくて悔しくてたまらない。こんな男の言葉に捕らわれているなんて。

「あ、あー……あれね。もしかしてまだ怒ってる? でも……あれはシャルロットが悪いんだよ?」

「はあ? 私が悪い? まあまあ……驚きですわ! 貧しさに耐え、ひたすら婚家に尽くした私の何が悪いのでしょうか……?」
 
 顔は笑っているのに目の奥は笑っていないことに気付いたのか、デイビットは私から目を逸らし、ばつが悪そうに呟いた。

「え、あ……い、いや、でも、君が……綺麗じゃなくなったから……」

「……は? 何です? 今……と、そう仰いましたか……?」

「う、うん、そうだよ! 僕は君の美貌を愛していたのに! 結婚してからすっかりみずぼらしくなっちゃったじゃないか! そんなに見た目が変わるなんて詐欺だよ!」

「……だから『結婚しなければよかった』と……?」

「そう! そうなんだ! だってだろう? 君は結婚前に比べたら別人のようにみすぼらしくなったんだから! 僕がそう言ってしまったのも仕方ないよ!」

 それを聞いた途端、私の心が急激に冷えていくのを感じた。

 ああ、そんなくだらないことで、この人は苦楽を共にした妻に暴言を吐いたのか。

 綺麗じゃなくなった?

 何を言っているんだろうか。

 あんな、食べることすらやっとの生活で、己の美貌を磨く暇があるとでも?

 そんなことも分からないほど愚かだったのか。
 
 ああ……くだらない……。
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