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ジュリアーナを誘拐した女
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「貴女は…………」
女の姿に驚き警戒するジュリアーナ。
するといきなり女は床に両手をつき、頭を深く下げた。
「尊き御身にこのような無礼な真似をしましたこと、深くお詫び申し上げます」
急に平身低頭で謝罪し始めた女に吃驚して二の句が継げない。
女はその姿勢のまま話を続けた。
「このような狭く汚い場所に閉じ込めてしまったことも大変申し訳なく……。しかし、私どもの財力ではこれが限界で……」
財力? と不思議がるジュリアーナに女はとんでもないことを告げた。
「御身をお守りする為には致し方なかったのです。どうかご容赦ください……」
「わたくしの身を守る? わたくしを拐かしておいて、何を可笑しなことを……」
誘拐してこんな所に閉じ込めて、守るだなんてどの口が言うのか。
冷めたジュリアーナの声に女は顔を上げる。女の澄んだ目はどこまでも真っすぐだった。
「いいえ、あの邸に留まれば貴女様の命はあの男に奪われてしまいます。尊き御身があのような下賤な者に危害を加えられるなどあってはなりません」
「あの男……?」
「はい。貴女様の婚約者、ダニエル・オーガスタです。ジュリアーナ王女殿下、あの男は美しい顔の裏にとんでもない本性を隠しております」
それは知っている、と言いかけて口を噤んだ。
女の顔が『婚約者の下衆な本性など信じられないでしょうが……』と言わんばかりの表情をしているせいで口に出すのが憚られた。あの男の下衆な本性などジュリアーナは痛い程よく知っているから今更何を知ってもどうってことはない。
「あの男は畏れ多くも殿下を亡き者にしようと企てておりました……! なんと恐ろしくおぞましいことを考えるのか……とても許せるものじゃありません」
それも知っている、と思わず口にしかけた。
あの男がジュリアーナを殺そうとしているなんて時戻り前から分かっていることだ。
それより、どうして目の前の女はそのことを知っているのだろうか。
「待って、それより貴女は何処の誰なの?」
婚約者が自分を殺そうとしているなどという衝撃的な話をしたいにも関わらず驚かないジュリアーナに女は唖然とした。
「殿下、驚かないのですか……?」
「そうね……別に驚かないわ。それよりも貴女が誰で、何が目的なのか、そちらの方が気になるわよ」
「ですから私は貴女を守るために……」
「だから、どうして見ず知らずの貴女がわたくしを守ろうとするの? それこそ意味が分からないわよ」
言葉に詰まる女をじっと見つめた。
ジュリアーナの視線に耐えられなくなった女は観念したように口を開いた。
女の姿に驚き警戒するジュリアーナ。
するといきなり女は床に両手をつき、頭を深く下げた。
「尊き御身にこのような無礼な真似をしましたこと、深くお詫び申し上げます」
急に平身低頭で謝罪し始めた女に吃驚して二の句が継げない。
女はその姿勢のまま話を続けた。
「このような狭く汚い場所に閉じ込めてしまったことも大変申し訳なく……。しかし、私どもの財力ではこれが限界で……」
財力? と不思議がるジュリアーナに女はとんでもないことを告げた。
「御身をお守りする為には致し方なかったのです。どうかご容赦ください……」
「わたくしの身を守る? わたくしを拐かしておいて、何を可笑しなことを……」
誘拐してこんな所に閉じ込めて、守るだなんてどの口が言うのか。
冷めたジュリアーナの声に女は顔を上げる。女の澄んだ目はどこまでも真っすぐだった。
「いいえ、あの邸に留まれば貴女様の命はあの男に奪われてしまいます。尊き御身があのような下賤な者に危害を加えられるなどあってはなりません」
「あの男……?」
「はい。貴女様の婚約者、ダニエル・オーガスタです。ジュリアーナ王女殿下、あの男は美しい顔の裏にとんでもない本性を隠しております」
それは知っている、と言いかけて口を噤んだ。
女の顔が『婚約者の下衆な本性など信じられないでしょうが……』と言わんばかりの表情をしているせいで口に出すのが憚られた。あの男の下衆な本性などジュリアーナは痛い程よく知っているから今更何を知ってもどうってことはない。
「あの男は畏れ多くも殿下を亡き者にしようと企てておりました……! なんと恐ろしくおぞましいことを考えるのか……とても許せるものじゃありません」
それも知っている、と思わず口にしかけた。
あの男がジュリアーナを殺そうとしているなんて時戻り前から分かっていることだ。
それより、どうして目の前の女はそのことを知っているのだろうか。
「待って、それより貴女は何処の誰なの?」
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「殿下、驚かないのですか……?」
「そうね……別に驚かないわ。それよりも貴女が誰で、何が目的なのか、そちらの方が気になるわよ」
「ですから私は貴女を守るために……」
「だから、どうして見ず知らずの貴女がわたくしを守ろうとするの? それこそ意味が分からないわよ」
言葉に詰まる女をじっと見つめた。
ジュリアーナの視線に耐えられなくなった女は観念したように口を開いた。
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