三國志 on 世説新語

ヘツポツ斎

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魏編1 ソソさま伝説

曹操1  曹操カマされる

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三国志最大の英雄と目される、曹操そうそう
だがそんな彼も、割と苦い思いを
カマされていたようなのである。


禰衡被魏武謫為鼓吏,正月半試鼓。衡揚枹為漁陽摻撾,淵淵有金石聲,四坐為之改容。孔融曰:「禰衡罪同胥靡,不能發明王之夢。」魏武慚而赦之。(言語8)

たとえは、孔融こうゆうから。
かれは禰衡でいこうと言う人と仲が良かった。

ところで曹操は禰衡が好きじゃない。
以前軽んじられたことがあったからだ。
だからちょっとしたミスを責めて、
禰衡を太鼓持ち役に降格、
正月の宴会でそれを披露させた。

太鼓持ちはこの当時、はっきり言って
「どうでもいい芸人」扱いだ。
士大夫のやる仕事じゃない。
けれど禰衡は、役目を全力で全うした。

漁陽摻撾ぎょようさんかと呼ばれる演目。
「淵淵たる金石の声あり。」
表現が、なんかものすごい。
みんな感動した。

そこに孔融がコメント。

「昔、殷の王さまが祭技に長けた者を
 夢で見出したそうではありませんか。
 かれは罪人でありながらも、
 その技によって許された、と聞きます。
 禰衡は、似たような罪を負いながらも、
 曹操様の夢には
 出られなかったのですね。」

このコメントに曹操は恥じ入った。
なので、禰衡がやらかしたミスを
許すしかなかった。



南陽宗世林,魏武同時,而甚薄其為人,不與之交。及魏武作司空,總朝政,從容問宗曰:「可以交未?」答曰:「松柏之志猶存。」世林既以忤旨見疏,位不配德。文帝兄弟每造其門,皆獨拜床下,其見禮如此。(方正2)


また、宗承そうしょうと言う人から。

かれは曹操と同世代だったのだが、
曹操のことを軽蔑し、
付き合おうとしなかった。

そんな曹操がやがて司空、
つまり漢の家臣として
ナンバーワンの座にまで上り詰める。

こうなったら、いくらあの宗承でも
おれにへりくだらざるを得ないだろう!
そう思い、曹操、宗承に聞く。

「どうだい、こんなおれとでも
 まだ交流は持てないってのか?」

すると宗承、答えた。

「松や柏の葉はいくら時を経ても
 青いままだろう?

 私もそれと同じだよ、
 あの時の思いは、今も変わっておらん」

そんな気骨の士だから、
結局ずっと疎まれ、
高位にはつけなかった。

ただそのことが、
かえって曹丕ら兄弟からの
リスペクトを得たようだ。

彼らは頻繁に宗承のもとを訪れては、
宗承にうやうやしく挨拶をしていた。
もっとも、宗承からのリアクションは
相変わらずだったようだが。





曹操
言わずと知れた三国志の主役。「演義」では悪役になってますね。武芸に長け、指揮官としても一流、文学楽曲もたしなみ、人材たらしの女たらし。そんな訳の分かんない人が、更に「魏」の王として、当代最強の国を率いてるってんだから現実こわい。けれども世説新語に載る曹操さま、結構お茶目と言うか小者っぽい。

孔融
かなりずけずけと曹操にツッコむクチの人。後々曹操に処刑されることを知ってると、またこのエピソードの見え方が違ってくる。

禰衡
いい人っぽく書かれてるけど、かなりのクソやろう。のちに亡命したが、亡命先でもえらそうだったから殺された。

宗承
 へー、こんな人いるんだ。
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