三國志 on 世説新語

ヘツポツ斎

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晋編3 天下統一、そして

武帝1  「一」を得る

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晉武帝始登阼,探策得「一」。王者世數,繫此多少。帝既不說,群臣失色,莫能有言者。侍中裴楷進曰:「臣聞:『天得一以清,地得一以寧,侯王得一以為天下貞。』」帝說。群臣嘆服。(言語19)


武帝ぶていさま、遂に帝位に就く!

そこでこの国の命運を占ってみた。
結果は「一」。

みんなドン引きである。
この占い、皇帝が何代続くか、
の結果として見られている。
という事は……。

もう武帝さまちょう不機嫌になるし、
誰もフォローできない。

そんな中、すっと裴楷はいかいが進み出た。

「臣めは老子ろうしの言葉の現出である、
 そう愚考致しました。すなわち、

 天が一を得る、とは曇りなき青空の事。
 地が一を得る、とは限りなき地平の事。
 そして、
 王が一を得る、とは偏りなき天下の事。

 これが、占いの結果でありましょう」

武帝さま、裴楷のこの機転に大喜び。
みんなも感心した。


 ○


老子の言葉
「昔之得一者,天得一以,地得一以,神得一以,谷得一以,萬物得一以,侯王得一以為天下。」道徳経下巻第三十九章。まーた上手いこと韻を踏んでんのが小憎たらしい。なお老子において「一」は、大雑把に言ってしまうとこの世の根源原理、と説かれている。つまり裴楷は「一」と言う占いの結果を、通常の解釈から捻じ曲げて言い切ったのだ。司馬炎登極の際にはまだ呉も健在だったし、うまいこと言ったもんだよなーと言う感じではある。

 で、ちょっと補足。東西両晋時代には「清談」、いわゆる哲学談議の上手さがステータスとなっていた。この時の議論ベースは老荘の思想に関する解釈である。なので論語や老荘は、結構この時代の慣用句的にもりもり使われる。
 老荘思想は単純に沼みたいな深さがあって面白いんだけど、一方では屁理屈のオンパレード(特に荘子)なので、そう言う意味でも面白い。
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