40 / 80
届かない
5
しおりを挟む
下駄箱で美空から俺のリュックを受け取る。
正直、凛華と会い辛かった俺はホッとしていた。
だが、美空は珍しく真剣な顔をしてこっちを見上げる。
「ねぇ、琉生ぃ!遂に凛華、告ったんだって?」
「あ、うん」
何となく居心地が悪くて目を逸らすと、美空はバチンと俺の背中を叩いた。
「いくら軽い琉生だって気づいてたでしょ?」
「でも、凛華だってずっと「好きじゃない方が気楽でいい」って」
「それは琉生がずっと「好きにならないなら遊ぼっ♡」って言うからでしょ!?」
「何だよ、それ……」
俯くと、美空はため息を吐いて靴を履き替える。
そうなら、凛華もどんな想いで今まで俺が色んな女の子と遊びに行ったり、抱き締めたり、キスしたりするのを見ていたんだ?
どんな気持ちであいつは俺と居てキスもしていたんだ?
「ねぇ、“楽しく遊ぶ”ってその考えは否定しない。琉生と遊ぶのめちゃくちゃ楽しいもん!でもね!」
靴を履き終えた美空がクルッとこっちを見た。
「凛華の“好き”の気持ちは否定しないで。いつか琉生も恋したらきっとわかる。声だけでも聞きたくて、側に居たくなって、その目に映して欲しくなって、少しでも触れたくなるその気持ち」
微笑む美空がめちゃくちゃ輝いて見える。
そっか、美空も好きな奴居るって言ってたもんな。
思いつつ、「じゃあ、本当に約束あるから!」と手を振って帰って行く美空を見送った。
わかるよ、美空。俺もその気持ちもう知っている。
美空の言葉を反芻させて思い浮かぶのはやはり宮部の顔ばかり。
でも、凛華に片想い中のあいつに同じ男である俺の気持ちなんて届かない。
正直、凛華と会い辛かった俺はホッとしていた。
だが、美空は珍しく真剣な顔をしてこっちを見上げる。
「ねぇ、琉生ぃ!遂に凛華、告ったんだって?」
「あ、うん」
何となく居心地が悪くて目を逸らすと、美空はバチンと俺の背中を叩いた。
「いくら軽い琉生だって気づいてたでしょ?」
「でも、凛華だってずっと「好きじゃない方が気楽でいい」って」
「それは琉生がずっと「好きにならないなら遊ぼっ♡」って言うからでしょ!?」
「何だよ、それ……」
俯くと、美空はため息を吐いて靴を履き替える。
そうなら、凛華もどんな想いで今まで俺が色んな女の子と遊びに行ったり、抱き締めたり、キスしたりするのを見ていたんだ?
どんな気持ちであいつは俺と居てキスもしていたんだ?
「ねぇ、“楽しく遊ぶ”ってその考えは否定しない。琉生と遊ぶのめちゃくちゃ楽しいもん!でもね!」
靴を履き終えた美空がクルッとこっちを見た。
「凛華の“好き”の気持ちは否定しないで。いつか琉生も恋したらきっとわかる。声だけでも聞きたくて、側に居たくなって、その目に映して欲しくなって、少しでも触れたくなるその気持ち」
微笑む美空がめちゃくちゃ輝いて見える。
そっか、美空も好きな奴居るって言ってたもんな。
思いつつ、「じゃあ、本当に約束あるから!」と手を振って帰って行く美空を見送った。
わかるよ、美空。俺もその気持ちもう知っている。
美空の言葉を反芻させて思い浮かぶのはやはり宮部の顔ばかり。
でも、凛華に片想い中のあいつに同じ男である俺の気持ちなんて届かない。
10
あなたにおすすめの小説
愛おしい、君との週末配信☆。.:*・゜
立坂雪花
BL
羽月優心(はづきゆうしん)が
ビーズで妹のヘアゴムを作っていた時
いつの間にかクラスメイトたちの
配信する動画に映りこんでいて
「誰このエンジェル?」と周りで
話題になっていた。
そして優心は
一方的に嫌っている
永瀬翔(ながせかける)を
含むグループとなぜか一緒に
動画配信をすることに。
✩.*˚
「だって、ほんの一瞬映っただけなのに優心様のことが話題になったんだぜ」
「そうそう、それに今年中に『チャンネル登録一万いかないと解散します』ってこないだ勢いで言っちゃったし……だからお願いします!」
そんな事情は僕には関係ないし、知らない。なんて思っていたのに――。
見た目エンジェル
強気受け
羽月優心(はづきゆうしん)
高校二年生。見た目ふわふわエンジェルでとても可愛らしい。だけど口が悪い。溺愛している妹たちに対しては信じられないほどに優しい。手芸大好き。大好きな妹たちの推しが永瀬なので、嫉妬して永瀬のことを嫌いだと思っていた。だけどやがて――。
×
イケメンスパダリ地方アイドル
溺愛攻め
永瀬翔(ながせかける)
優心のクラスメイト。地方在住しながらモデルや俳優、動画配信もしている完璧イケメン。優心に想いをひっそり寄せている。優心と一緒にいる時間が好き。前向きな言動多いけれど実は内気な一面も。
恋をして、ありがとうが溢れてくるお話です🌸
***
お読みくださりありがとうございます
可愛い両片思いのお話です✨
表紙イラストは
ミカスケさまのフリーイラストを
お借りいたしました
✨更新追ってくださりありがとうございました
クリスマス完結間に合いました🎅🎄
雪色のラブレター
hamapito
BL
俺が遠くに行っても、圭は圭のまま、何も変わらないから。――それでよかった、のに。
そばにいられればいい。
想いは口にすることなく消えるはずだった。
高校卒業まであと三か月。
幼馴染である圭への気持ちを隠したまま、今日も変わらず隣を歩く翔。
そばにいられればいい。幼馴染のままでいい。
そう思っていたはずなのに、圭のひとことに抑えていた気持ちがこぼれてしまう。
翔は、圭の戸惑う声に、「忘れて」と逃げてしまい……。
君に捧げる、魔法のレシピ〜さえない動画配信者の僕が、クラスの王子様的男子に恋をした結果〜
ryon*
BL
地味でおとなしい性格の高校生 佐藤 理人は、趣味でこっそりお菓子のレシピ動画を公開している人気配信者でありスイーツ研究家。
ある日理人は、幼なじみの太陽に味見用としてクッキーを手渡すところを、大路に見られてしまう。
しかも清雅は大の甘党で、理人が配信している動画の大ファンだったことが判明。
しかし清雅は、理人=推し配信者の『りとる』だとはまったく気付いていなくて……!?
僕を守るのは、イケメン先輩!?
八乙女 忍
BL
僕は、なぜか男からモテる。僕は嫌なのに、しつこい男たちから、守ってくれるのは一つ上の先輩。最初怖いと思っていたが、守られているうち先輩に、惹かれていってしまう。僕は、いったいどうしちゃったんだろう?
兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?
perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。
その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。
彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。
……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。
口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。
――「光希、俺はお前が好きだ。」
次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。
クズ彼氏にサヨナラして一途な攻めに告白される話
雨宮里玖
BL
密かに好きだった一条と成り行きで恋人同士になった真下。恋人になったはいいが、一条の態度は冷ややかで、真下は耐えきれずにこのことを塔矢に相談する。真下の事を一途に想っていた塔矢は一条に腹を立て、復讐を開始する——。
塔矢(21)攻。大学生&俳優業。一途に真下が好き。
真下(21)受。大学生。一条と恋人同士になるが早くも後悔。
一条廉(21)大学生。モテる。イケメン。真下のクズ彼氏。
三ヶ月だけの恋人
perari
BL
仁野(にの)は人違いで殴ってしまった。
殴った相手は――学年の先輩で、学内で知らぬ者はいない医学部の天才。
しかも、ずっと密かに想いを寄せていた松田(まつだ)先輩だった。
罪悪感にかられた仁野は、謝罪の気持ちとして松田の提案を受け入れた。
それは「三ヶ月だけ恋人として付き合う」という、まさかの提案だった――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる