わがまま放題の悪役令息はイケメンの王に溺愛される

★埋めて

9

　乱れた息はなかなか整わず、ぼーっとしてしまって思考も戻って来ない。
　何も考えられずリューラに抱き締めてられてただ脱力する。しかし、

「ごめん、余裕なくて」

　落ち込んだようなリューラの声を聞いて笑ってしまった。
　顔を上げると、シュンと眉を下げたリューラが頭をグリグリと押し付けてくる。
　それが何だかかわいく思えた。

「……ヘコんでんのか？」

　手を伸ばすと、リューラはそこに擦り寄ってくる。

「だって……サラの身体を気遣えなかった」

　後悔を口にするリューラの頭をそっと抱き寄せた。
　これまで散々……もう恥ずかしくてやめろ！ってくらい気遣われてきた。
　むしろ、あんな欲に満ちた雄々しい姿に俺はドキッとして、リューラが余裕をなくしたことも嬉しかったのに。

「今度はサラを気持ち良くするから」

　顔を上げたリューラに見つめられて逃げの姿勢になる。
　今度って……どういうことだ？
　思いつつ、俺に再び覆い被さってくるのを見て“今”だと気付いた。

「いや……も、無理」

　フルフルと首を振ると、

「でも、サラの中にあるモノも掻き出さなきゃ」

　ニッと笑われる。

「は？」
「外に出すか掻き出さないとお腹壊すって」

　にっこり楽しそうなのを見て俺は後ずさった。

「だから、掻き出しつつリベンジ♡」
「いや、別に……俺だって……ちゃんと終わってんだろ」

　ゴニョゴニョと布団に隠れてしまう。
　ちゃんと達したのはそういう証だと思ったら一気に恥ずかしくなったから。

「無理……勃った」
「何でだよっ!!」

　ふぅ～とギラついた目で言われて焦る。
　あのしおらしさはどこにいった!?