美少女かと思ったらおっさんで、イケメンかと思ったら仏像モドキで、異世界かと思ったら俺の家が異世界みたいになってた。

zoubutsu

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瓶底メガネ

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 「なら、敵っていうのは…」

 ’第六感ー気付きの能力’

 ーん?
 俺は何に反応したんだ?

 「儂のようだ…」
 可動明王が声を上げる。
 本当に控え目なガチムチだな。
 「仏像はあんなに恐ろし気なのに…」
 「理想なのだ…坊っ主に儂の姿が見える時にはあのようにしている…」
 ああっ、涙ぐましい…
 愛おしいとさえ、思ってきた。
 でも、横浜銀河なんだよな。
 あの儚げさを何処へ置いてきたんだ。
 もしかして、可動明王に移ってるから、横浜銀河本人はあんないけ好かない感じなのか…?
 「それもあるのだ…」
 うお、心を読まれた。
 「早く統合しろよ。」
 『いけ好かない』
 三重奏で言われる。
 こんな感じで、分体になって、コントロール出来無くなって、操られたりするんじゃ…

 「仏像!」
 ん?
 ヨーデルの人に怒られた。
 「貴方、忘れっぽいから、教えてあげたのよ!」
 「それは、どうもありがとうございます。して、何の話で?」 
 「可動明王が気付いた事を、横浜銀河が私に送ってきたのだわ。」
 「へえ、そんなことができるのか。」
 何処までも、出来過ぎた男だな。
 優しくされて怒る人間の気持ちが分かった気がする。
 あんな、パーフェクトな男に助け舟を出されたら、逆ギレしたくなるな。
 俺は心が広いからそんなことはしないが。

 「俺の第六感が告げている!横浜銀河と、可動明王が融合すれば良いと!」
 「そんなこと言っても駄目ですよ。騙されませんから。」
 軽くいなされる。
 こんなことで諦めはしない。
 俺は、不可能を可能にする男だ。
 こちらには、ガチムチという、力強い味方がいるんだ!
 「ガチ…可動明王よ!横浜銀河の悔しがる顔が見たくないか?統合したならば、必ずや横浜銀河をねじ伏せてみせようぞ。勿論、問題の解決もする。」
 「あい分かった。」
 可動明王が焔を背負い、横浜銀河の3倍は大きくなったかと思うと、横浜銀河の頭をひっつかみ、己の腹にねじ込んだ。
 あら、やだ、格好良い…
 ちらと、こちらに振り返る。
 ちょっと得意そうだ。

 「…」
 横浜銀河は、焔を背負った巨大な仏像から顔だけ出てる行楽地にあるやつになって、死んだ魚みたいになってる。
 「どうかね、横浜銀河よ。」
 「…」
 く、こいつ黙りを決め込むつもりか?
 頼むから喋ってくれよ!
 困るだろ、俺が!
 「…こんな状態で、どうしたらいいのかわからない…」
 えええ~
 本当に、イケメン状態じゃないと何も出来ないのか?
 そんなんでよく生きていけるな。
 チッキンラーメン、生で食ったことないって言ってたもんな。
 さぞ、生き難かろう。
 「貴方には分からないだろうけど、こちらでは私達を取り囲んで笑い者にする連中がいるのよ。芸能人だからって馬鹿にされているのだわ。」
 へえ…
 現実でもないのに、どうなってるんだ?
 「夢みたいなものね。」
 なるほど。
 「それで、肉体が無いにも関わらず、仕事でもないのに、格好良い行動以外出来ずに、行動が制限されるのか?」
 「それで、悔しい思いをしているのよ…」
 「自分を格好良いと思ったことなどないから、俺には分からんが…これを授けてやろう。掛ければたちまち、誰でもお笑いの達人になれる、素敵アイテムだ。」
 瓶底メガネを掛けてやる。
 「何だか、気分がマシになった気がします。」
 「そうだろう。瓶底メガネは、昔は実用品で、長くお笑いで使われていた物だから、馬鹿にされにくいのだ。俺も含め全員掛けておいてやろう。これで、コントをしている状態が作られるから、笑われるのではなく、笑わせていることになるから、マシだろう。」
 「…ありがとうございます…」
 おお。
 あの、いけ好かないイケメンが大人しく瓶底メガネを掛けている。
 俯いて恥らっていると、初心な女の子みたいでなかなか可愛いではないか。
 
 「仏像!」
 横浜銀河をマジマジ見ていると、瓶底メガネ美少女に怒られた。
 ヨーデルの人も瓶底メガネを掛けてくれている。
 何だかんだ結構優しいよな。
 「えっと…」
 「俺が言います。」
 瓶底メガネイケメンが切り出した。
 くそ、立ち直り早いな!
 「可動明王よ。話を聞こうか。」
 「…」
 途端にしょげかえるイケメン。
 本当にイケメン状態じゃないと駄目なんだな。
 可動明王も喋らん。
 仕方ない。
 こんなときは、宇木先生のお言葉を思い出そう。
 「…可動明王は確か、抜きん出て護符とかが一番多かったな…」
 「厄除けだな。」
 「ご利益が大きいってことかな…能力が高い、力が大きいってことだと思うけど…それが、仏像にもあるってことか…?」

 「儂の仏像がまんだーらと同じであったようだ。」

 
  
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