若返ったオバさんは異世界でもうどん職人になりました

mabu

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「う、う~ん…」

何か気持ちの良い温もりに包まれている気がします。

「ま……さ……」

包まれているのか揺さぶられているのか

気持ちの良い眠りから意識が浮上していつもの可愛らしい声でモーニングコールがありました。

「まま~、おきた~!」

自分が起きたのを教えてくれたのでしょう、
私も起きなければ。

「う~ん…ムギちゃんおはよ~………」

ムギちゃんに朝の挨拶をしながら起き様として身体の違和感に気付きました。

布団ではない?

温かいけどゴツゴツ感、

自分の二の腕を捕まれている?

やっと頭が覚醒して目を開けると

目の前には美丈夫なお顔がありまして

何やら私は抱き抱えられている状態みたいです。

「レオナルドさん?何故……」

「良かった。真由実さん目が覚めたのですね?
何があったのですか?
怪我は?
持病ですか?
何処か痛む所は?」

私を抱えたままソファーに座り私の言葉に被せて質問されます。

何か前にもこんな事があったような………

今はそれよりこの状況の理由が先です。

何故彼はココに居るのでしょう?

そして何故私は彼に抱えられて居るのでしょう?


「何があったのですか?

ちょっと様子を見に来たら其処に倒れている真由実さんが居て
貴女の服装も乱れていて、

…まさか侵入者?

……何かされたんですか?」

「いや、ちょっ、ちょっと待って下さい。
何も無いですし、誰も来ていませんよ?」

レオナルドさんの混乱具合に疑問を感じ今まで私が倒れて居たという場所を見る。

今の自分の服装を見る。

あ~~…………

また、やっちまったな~………

ミニチュア作りをした後の残骸というか未片付けの状態で

あちこち色々な素材や道具が床に散乱していて、

私の服装はお風呂上がりに暑かったので短パンにTシャツ姿で涼んでいたままの服装です。

ミニチュア作りに集中し過ぎて朝になってしまったので

朝食を食べてシャワーを浴びてスッキリするつもりが

久しぶりの細々作業の完徹にその前の作業もあってか、

誰も居ないからと半パンTシャツ姿のままでおり、

寝室に行く前に片付けするつもりの状態で寝落ちしてしまったという事でして。

「あ~、
レオナルドさん、
私は何とも無いので取り敢えず降ろしてもらっていいですか?
ちゃんと座って説明しますから。」

今だに膝に抱き抱えたままの状態から脱出出来たのでまずは謝ります。

それからココまでの流れを説明して

服装は元の世界での部屋着の様な物で

お風呂上がりで暑かったのと誰も居ないからと着ていたと説明しました。

「はぁ~、
…何も無かったなら良かったですが、
本当に驚きました。

心臓が止まるかと思った位です。」

自分も帰って来れないと言っていたのに急に帰って来たのだから

私の生活態度や服装に兎や角言うつもりは無いと、

でも、とても驚き心配したと言われました。

「紛らわしくてごめんなさい。
あと心配してくれてありがとうございます。

私もレオナルドさんが居ない間にアレコレしようと思っている事を伝えておけば良かったのですが、

突然思い付いてしまい集中し過ぎてしまいました。 

服装も突然こんな格好では驚きますよね?」

そう自分の姿を見てレオナルドさんを見たら彼は顔を真っ赤にして手で顔を覆ってしまいました。

「兎に角先に服を着替えて来てくれませんか?その服装は刺激が強すぎます!」

刺激?

何が?

と思いましたが此方の世界には短パンやTシャツは無かったですね。

ミニスカートもなく女性が生足を見せるのは伴侶や恋人にだけ…

とお決まりな世界なので短パンはアウトな様でした。

落ち着いたレオナルドさんも気づいて恥ずかしくなったのでしょう。

「すみません、すぐ着替えて来ます。

次いでにコーヒーでも入れて来ますから少し待っていて下さい。」

まだ恥ずかしがっているレオナルドさんを放置して隣の寝室に服を着替えに行き

ササっとワンピースに着替えてコーヒーを入れに戻ります。

さっきまで人の事を抱き抱えておいて

短パン姿を目の当たりにする方が恥ずかしいって感覚がいまいち良く分からん!

って思うのは異世界あるあるなのかしら?

足見せがNGだから短パンは駄目。

なら腕見せ、肩見せは?

Tシャツは大丈夫そうだけどノースリーブやキャメソールは駄目なのかしら?

次いでに聞いてみよう。

コーヒーを入れお菓子と共に出す頃には

レオナルドさんの顔色も元に戻っていたので

次いでに腕見せ肩見せの事を聞いてみたら

ノースリーブ程度まではドレスなどのデザインであるので大丈夫だがキャメは駄目らしいです。

基本ドレスの時は大丈夫でも普段着ではあり得ないと、

それこそ娼婦と間違われるので決してドレス以外の服装で他の男の前では足も腕も肩も出してくれるなと

目の奥が怖い事になっている綺麗な笑顔で論されました。

そうして怖い笑顔を残しコーヒーを飲んだレオナルドさんは

又2、3日後に少しだけ顔を出すと言って帰って行きました。

結局今回は何をしに来
たのでしょうか?

近況説明も無しに出ていったのですが、

驚きすぎて忘れてしまったのでしょうネ。
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