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しおりを挟む「おはよう真由美!」
朝からハイテンションな和美が侍女さんと共に私の自室へと入って来る。
勿論同じくハイテンション気味の私も着替えもすませてお出迎えします。
「おはよう和美。朝から元気だね?侍女さんもおはようございます!」
「おはようございます真由美様、ご挨拶が遅れ申し分御座いません。私、王妃様付きのカミオールと申します。どうぞ宜しくお願い致します。」
此方もすこぶる笑顔で挨拶をもらいました。
朝一番の初の対面が自室っておかしいと思ったでしょ?
そう、
おかしいんです。
普通は訪問されたら玄関でお出迎えするよね?
昨夜はちゃんと国王様達とお城に帰ったからお泊まりもいてないし。
では何故か?
ソレは……
なんと!
昨日帰る前に作っちゃったんです!
なんちゃって◯◯ドア~を!
これからチョクチョク遊びに来るのは良いけど
周りに気づかれない様に訪問するには
どーするかを話していたら
「真由美が転移扉を作ったらイインじゃねの?」
と、
赤ドラちゃん。
???
「だから、魔導車を改造した時みたいに
扉に空間魔術と転移魔術を付与して真由美の部屋と
和美の部屋を繋げればいいんだよ!」
と。
……そして皆様の驚きの視線の中、
出来てしまったドアを
私の部屋に置いて完結したと。
まあ、
赤ドラちゃんの爆弾発言で
国王様達に言っていなかった事が露見してしまったので
その場の全員に契約してもらいましたけどね!
暫くナイショにするはずが
和美の存在が現れた事で
和美の旦那様なら信用しても大丈夫という事で
チビ王ちゃん達が改めて自己紹介をして国王様達に
私の能力の事は他言無用!
と契約を強制したんだけどね……ㇵㇵㇵ…
国王様達は嫌がる事もなく
逆に今度、色々聞かせて欲しいとお目々キラキラしておりました!
そんなこんなで◯◯ドア?から来た2人を自室でお出迎えした訳です。
「さて、まずは朝ご飯にしようか?
まだ食べてないんでしょ?」
私の言葉を聞いて嬉しそうに答える和美。
「勿論!折角来れるのに食べて来るなんて勿体ない!
何十年ぶりの和朝食よ!」
はいはい。
「分かった分かった。
ただその前に家の子で昨夜紹介出来なかった子達の紹介が先ね?」
話しながら2人をリビングにに誘導し
リビングに居てもらった
チビちゃん達に声をかける。
「チビちゃん達おいで~!
はい、此方がママの一番のお友達の和美です。
これからチョクチョク遊びに来るから仲良くしてあげてね?
和美、コッチが家の子でムギちゃん、ミルちゃん、タマリちゃんね?」
「ムギちゃんでしゅ!よろしくでしゅ!」
「ミウたんでつ、よ~しくなの!」
「タマリ。…です。」
お利口さんに3人が自己紹介している姿を親バカに眺めていたが
タマリちゃんは良いけど
ムギちゃんとミルちゃんの声は聞こえないのでは?
と気づいて通訳しようと和美を見れば
口を手で抑えぷるぷるして3人を見てました。
後ろの侍女のカミオールさんも頰を染め肩がフルフルしております。
「な、なんて良い子なの!
初めまして。ムギちゃん、ミルちゃん、タマリちゃん!
ムギちゃんもミルちゃんもちゃんとご挨拶出来てすごいわね?タマリちゃん?
様じゃなくて良いのかしら?皆これから宜しくね~♡」
お、おおう。
更にハイテンションになりました。
いや、
家の子達が可愛い過ぎるからわからなくもないけど、
「ちょっ、和美さん?
今の家の子達の自己紹介
聞こえたの?」
???
とした顔の和美が
「当たり前じゃない。
こんな可愛い子達の自己紹介を聞き逃してなるものですか!」
いや、
そうじゃなくて……
「タマリちゃんだけじゃなくムギちゃんとミルちゃんのも?」
ソコで漸く私の言いたい事が分かったらしい和美も驚いていたけど
タマリちゃんや周りにいたチビ王ちゃん達によると
記憶が戻った事と
私と繋がりがある事が関係しているのだとか?
和美の能力も前世の記憶が戻った事で何かしらチートになっていて
以前見えなかった
精霊や妖精の姿も見えて
声も聞こえる様になっている
し他にも変わっているかもしれないと。
「おお~、チートって伝染するんだ~。」
「んな訳ないでしょ!
多分おこぼれに預かった的な感じでしょ!」
そんな嬉しい事もありながら
自己紹介をすませて
皆で朝ご飯です。
基本我が家は全員で食べるのでレオナルドさんとオンハルトさんにカミオールさんも一緒に食べます。
カミオールさんは遠慮したけど
家のやり方だと言えばすんなり了承してくれました。
今朝は
白米
卵焼き
肉じゃが
鮭の塩焼き
漬物
味噌汁
です。
味噌汁も定番中の定番
ワカメと豆腐にしてみました。
何十年ぶりならシンプルが一番恋しかったりするだろうしね!
案の定
横で食べ出した和美は
目をとじ味噌汁を味わってから
黙々と食べています。
味付けの心配はしてません。
だって私の料理の味付けを知ってる相手ですから。
昨日の〆も召喚したうどんではなく
学生時代に家に泊まりに来た時や
飲み会の後で出していた
お家うどんをご所望してたぐらいですからね?
おかげでレオナルドさんとオンハルトさんが騒ぎ出して
うどん屋に務めるずっと前の
家庭の味のうどんを皆に振る舞う事になりました。
「はぁ~、美味しかったわ。
この美味しさを何十年も忘れていたなんて…
でも思い出しても食べれてなかったから良いのかしら?」
レオナルドさんとオンハルトさんが居るからと
多少の貴族言葉?を意識して話しているけど
語尾に気をつけてるだけだし
黙々と食べてたよ?
大丈夫?
2人は今からお店があるので
ここで退出。
食事時は久しぶりのご飯に気を取られていたけど
食べ終わったら思い出した様に視線はおチビちゃん達にいきました。
「何この可愛い生き物。
私も此処に住んでずっと見ていたい……」
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