若返ったオバさんは異世界でもうどん職人になりました

mabu

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「こんにちは、お久しぶりです!今回は色々な料理をありがとうございました!」

部屋に入るなり元気な声で挨拶をして頭をペコリと下げる聖女様。

我が親友の前世での一人娘の萌ちゃん。

母親である和美に連れられて我が家に遊びに来たのだ。

息子である王子様は今回はパス。

何故なら私のお披露目が終わってないから。

今出入りしてるのは私の私室になるので流石に独り身の若い男性が出入りするものではないという事もあり次回に持ち越し。

国王と宰相さん?

あの2人は奥様も子供もいるし、
その奥様が一緒だったり
息子がココに住んでたりだから
身内扱い?

まぁ
王子様も親友の子供ではあるけど
面識ないし…
召喚された時に会ってるけど
アレは面識内に入るとは言えないしね?

萌ちゃんならイイけど
流石に王子様を私室から迎えるのはご遠慮します。


萌ちゃんを連れて来た和美の顔をみれば2人の再会は上手くいったみたい。

国王達と飲み会してから約10日
和美も忙しかったらしく
一度しか温泉に入りに来なかったのでちょっと心配してたのでホットしました。

何時までも私室に皆で居るのも落ち着かないので早々にリビングの方に移動します。

ソファーに座った和美達にお茶を出して自分も座る。

「改めて萌と申します。初めまして、ではないんですよね?召喚されるずっと前に会ってるってママが言ってて、覚えてなくてごめんなさい。
でも、真由美さんの名前は良く聞いてました!」

「ソレはそうだよ!萌ちゃんと最後にちゃんと会ってるのって2歳位の時だよ?後はお店に食べに来た時にちょっと顔を出した位だから覚えなくて当たり前です。
改めて宜しくね?
城から1人で勝手に逃げて置いてく様な事をしてごめんなさい。」

やっと本人に謝れた。

すがる様に見て来ていた萌ちゃんの事を放置して城から自分だけ逃げて来た事がずっと心に残ってた。

「和美も 貴女の娘とは知らなかったとはいえお嬢さんを1人残して逃げた事、
本当に申し訳ありませんでした。」

あの時の事情では仕方なかったと言えば仕方なかったのだろうが

異世界で唯一の同郷人であり同性、おまけに年上とくれば
頼りたいと思うのが普通なのに…

何度も同意を求める様にコチラを見ていたし

部屋から出る時は私に促されて出て行ったというのに、

この国の国王達が良い人達だったから良かったけど
もし彼女を利用する様な人達だったら彼女はどうなっていたか…

今更ながらに自分の行動の無責任さに嫌気がさす。

「そんな!あの時真由美さんが頷いてくれたり、笑顔を向けてくれたから聖女を頑張ろうと思えたんです。ソレに命を狙われたと聞きました!
私の召喚に巻き込まれたのだとも!
そんな危険な事があっても、
巻き込んだ私の為に料理を用意してくれたから今回の遠征もスムーズに終わらせる事が出来たんです!
謝るのは私の方です!
ソレにママだって、次回の遠征後に真由美さんのお披露目を無理矢理させる様な事をして!
謝るのは私とママです!
真由美さん、ごめんなさい!」

ああ、

なんてイイ子なんだろう。

本当に聖女様だね。

自分のした事を許せはしないが
彼女の言葉に救われる。

「そうよ、真由美が萌と召喚されてくれたから私も記憶を戻す事が出来たのよ?
真由美じゃなければ萌とはただの嫁姑の関係のままだったかもしれないわ?
ソレに萌も心が不安定のままだったかもしれない…
謝罪は巻き込んだ私達がするべきで真由美は悪くない。
ソレなのにこんな言い方はズルイかもしれないけど、
真由美、萌と一緒に召喚されてくれてありがとう。」

3人で泣きだしながら謝ったりお礼を言ったり、

いや、和美の後ろに控えてるカミオールさんもだし
チビ王達もグズグズしてた!

大人達が泣いてる中で
よく理解できてない赤ちゃん組が泣いてる私達を心配してすり寄ってくる。

「ままぁ、だいじぶ~?」

「みな、ど~したの?」

ムギちゃんとミルちゃんの心配そうな声でやっと泣き止み笑顔に戻る。

「可愛いですね!」

萌ちゃんも2人の可愛さにメロメロになったかな?

改めて皆の自己紹介をしてそれぞれから挨拶をする。

自己紹介が終わると皆を撫でたいと言う萌ちゃんに順番にナデナデしてもらったりした。

「いいな~、私も真由美さんみたいに可愛いコと契約したいな~。」


「アレっ?そう言えば萌ちゃんにも聖属性の精霊王がついてるんだよね?」

「「え?」」

私の一言に萌ちゃんと和美の2人が声を合わせる。

流石親子!

「え?ちょっと待って?萌にも精霊王の加護がついてるのは知ってるけど精霊王がついてる?え?」

アレ?

私がチビ王達を見ると皆が頷く。

うん。

「やっぱり一緒に居るみたいだよ?」

今は何処に居るのかな?

そんな私の言葉に姿を現したのは
人の姿で成人男性?の綺麗な精霊王だった。

全体的に属性の特長なのか銀色の様な金色の様な不思議な色合いで
教会の教祖様が着ている様なデザインのもっと清楚な感じの服を来ている。

顔は綺麗過ぎて感情が分かりにくい感じかな?

「お初にお目にかかる。
闇のの契約者よ。
我は聖を重きに司る精霊王だ。」

静かに坦々と自己紹介をしてくれた聖の精霊王に
家のチビ王達がソレゾレ軽く挨拶をしている中私も挨拶をする。

「どうも真由美と申します。コチラこそ初めまして。」

私とチビ王達が挨拶した事で和美達がびっくりしている。

「え?真由美?
もしかして今ココに精霊王様がいらっしゃるの?」

和美の言葉に私がキョトン!

「え?いらっしゃるの?って、
目の前に居るじゃん!」

って、皆には見えてないってどういう事ですか~???


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