謙信の甥に転生! 龍馬の日本を戦国から始める

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第14話 1534年 4歳 越乃柿酒をブランド化するため必要なことだぞ

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酒屋から「柿リキュールが完成した」と知らせが入り、安田と雷蔵を連れて店へ向かった。

安田がひと口味見すると――



安田「これは美味い。香りが良い……上品な甘さじゃ」



酒屋も名を付けてほしいと言うので、俺は即座に 「越乃柿酒」 と命名した。



越乃柿酒は当家で一括買取と決める。さらにミズナラ樽で三か月熟成させ、品質を底上げしてから販売するつもりだ。

将来、真似してくる者は必ず出る。だからこそ工程を複雑化し、品質で圧倒する。



当時の清酒は一升三百文。

越乃柿酒は 一升五千文 で売るつもりだ。蒸留酒は沖縄や薩摩でしか飲まれていないため、まずは「最高級酒」としてブランドを確立する必要がある。



高級酒はブランド力だ。同じ葡萄のワインでも、安いものは千円、高いものは億を超えることすらある。

日本最高の酒と認知されるには、公家、室町幕府、大名、さらに堺の商人に飲ませて評価を得ねばならない。



史実で上杉謙信が上洛するのは1553年だが、俺はもっと先に上洛し、跡目相続の地固めもしたい。

ただし俺はまだ四歳。単独では誰も相手にしてくれない。

主役として同行してくれる大人が必要だ。



候補は三人。



父・長尾晴景



祖父・長尾為景



祖父・上杉定実



晴景は旅のあいだ短歌や茶の湯の話しかしないので論外。話が噛み合わず、苦痛でしかない。



安田に相談すると、答えは一択だった。



安田「今の当主で将軍家の覚えもめでたい長尾為景様しかおりませぬ」



国人衆からの信頼が揺らいでいる今、為景自身も上洛したいはずだという。



そこで俺は、越乃柿酒・石けん・蜂蜜の三点セットと金を手土産に祖父為景へ挨拶に行った。

孫の訪問というだけで喜んでくれた祖父は、俺の話にもよく耳を傾けてくれた。



祖父「猿千代は神のお告げでこの酒や石けんを作ったそうじゃな」

俺「左様にございます。夢で、私とお祖父様で将軍様に会いに行くべきと告げられました」



祖父は土産を問うたので、俺は答えた。



俺「足利義晴将軍に越乃柿酒一斗、石けん百個、蜂蜜一キロ、金百貫を献上します。

さらに後奈良天皇、近衛家、三条西家などにも贈るつもりです」



ここで祖父は「人に物を贈る極意」を教えてくれた。



最初から最高の品は渡すな。見返りに応じて少しずつ上げよ。



相手の好物・趣味を徹底的に調べよ。



意外性。理解している証として効く。



その理屈でいくと、将軍義晴は見栄っ張りなので 越後上布 を添えねばならぬという。

祖父は「越後上布は儂が用意する」と言ってくれた。さすが為景、抜け目がない。



上洛は一か月後に決まり、参加者の選定は祖父が行う。

俺は雷・風・水の三人は連れて行きたいとだけ伝えた。



さらに祖父から、



「通過する朝倉をはじめ、全ての領主に手紙と贈り物を用意せよ」



と言われた。

祖父は一向宗が大嫌いなので本願寺のある加賀を避け、海路で向かうことにする。



八坂正宗の大きい西洋帆船はまだ完成していないため、今回は弁才船改で七尾まで出る。



【航路】



越後 → 七尾 → 越前・三国港(約300km)

 順風で20~40時間、平均5ノットとして約5日。



三国港から陸路

 朝倉領 → 近江(六角定頼または浅井家) → 京都

 陸路は約100km、行軍2~3日。



合計4~6日で京都へ到着できる。
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