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第30話 1535年 5歳 飛び加藤の登場だぞ
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俺は新たに忍者赤目一族を、俺の直属として迎え入れた。
この動きに懸念を示した祖父・長尾為景から、従来から長尾家に仕えていた忍者「軒猿」との会談を命じられる。
会談の場は春日山城の一室。
俺は赤目滝を伴って部屋へ向かった。
すでにそこには、
軒猿の首領・藤猿と、見知らぬ男が控えていた。
俺「久しぶりだな、藤猿」
藤猿「若様のご活躍、まことに驚嘆しておりまする」
俺「この度、赤目一族を迎えるにあたって――」
そう言いかけた瞬間。
藤猿「お主か。忍びの恥晒しは、汚らわしい」
俺「藤猿、控えろ。第一、俺の仕事を最初に断ったのはお主の方であろう」
――俺が二歳の時、藤猿は俺の依頼を断っている。
藤猿「若様は軒猿を排除し、赤目を使うおつもりか!」
俺「そのつもりはない。
軒猿には国人衆、赤目には他国衆を見てもらう」
藤猿「不満でござる。赤目と軒猿、どちらが上か試そうぞ!」
俺「控えろ藤猿!
赤目を使う理由は国外に長けているからだ。
軒猿は国内では最強だが、国外での経験が少ない」
藤猿「……納得がいきませぬ」
俺「ならば結果で示せ。
軒猿はこれまで祖父や国人衆に対しては結果を出し続けてきた。
だが――俺に対しては、まだだ」
藤猿「若様のご要求とは?」
俺「反乱を起こしそうな連中の内情を探れ。
なぜ反乱を考えているのか、何が弱みか。
噂ではなく、必ず“証拠”を掴め」
藤猿「承知。
若様との連絡役として、こちらの者を使わせていただきたい。名乗れ」
大柄な忍者が一歩前へ出た。
加藤「加藤段蔵にございます」
――こいつ、有名な飛び加藤じゃねぇか。
加藤「若様にお伺いいたします。
若様の身辺警護は、軒猿で?」
俺「赤目だ」
加藤「……納得できませぬ。赤目では縁者か否かすら判別できぬ」
赤目滝「つきます」
加藤「忍者の掟を守れぬ者は半端者。半端者は黙れ」
赤目滝「ならば、腕で決めようぞ」
俺「控えろ赤目、加藤!」
俺は加藤を真っ直ぐ見た。
俺「加藤よ。俺はお前に期待している。本当だ。
だが軒猿は、祖父や父も守らねばならぬ。
俺に付けられるのは、多くても二、三人――そうだろ藤猿」
藤猿「……申し訳ありませぬ」
俺「赤目は一族すべてで俺を守る。
どちらに頼むかは、自明だ」
加藤「……」
俺「加藤よ。俺の期待を裏切るなよ」
藤猿は、俺がなぜ加藤に期待するのか理解できぬという顔で、深く頭を下げた。
俺「藤猿、加藤、下がれ」
二人が下がると、赤目滝が目で合図をしてきた。
――軒猿が、まだ聞き耳を立てている。
俺「赤目よ。
軒猿は優秀で、忠誠心も高い。お主も見習うと良い」
この言葉を、藤猿はきっと誇らしく聞いているだろう。
俺は小さく息を吐く。
――やり過ぎるとバレる。
俺は赤目と共に、静かに部屋を後にした。
この動きに懸念を示した祖父・長尾為景から、従来から長尾家に仕えていた忍者「軒猿」との会談を命じられる。
会談の場は春日山城の一室。
俺は赤目滝を伴って部屋へ向かった。
すでにそこには、
軒猿の首領・藤猿と、見知らぬ男が控えていた。
俺「久しぶりだな、藤猿」
藤猿「若様のご活躍、まことに驚嘆しておりまする」
俺「この度、赤目一族を迎えるにあたって――」
そう言いかけた瞬間。
藤猿「お主か。忍びの恥晒しは、汚らわしい」
俺「藤猿、控えろ。第一、俺の仕事を最初に断ったのはお主の方であろう」
――俺が二歳の時、藤猿は俺の依頼を断っている。
藤猿「若様は軒猿を排除し、赤目を使うおつもりか!」
俺「そのつもりはない。
軒猿には国人衆、赤目には他国衆を見てもらう」
藤猿「不満でござる。赤目と軒猿、どちらが上か試そうぞ!」
俺「控えろ藤猿!
赤目を使う理由は国外に長けているからだ。
軒猿は国内では最強だが、国外での経験が少ない」
藤猿「……納得がいきませぬ」
俺「ならば結果で示せ。
軒猿はこれまで祖父や国人衆に対しては結果を出し続けてきた。
だが――俺に対しては、まだだ」
藤猿「若様のご要求とは?」
俺「反乱を起こしそうな連中の内情を探れ。
なぜ反乱を考えているのか、何が弱みか。
噂ではなく、必ず“証拠”を掴め」
藤猿「承知。
若様との連絡役として、こちらの者を使わせていただきたい。名乗れ」
大柄な忍者が一歩前へ出た。
加藤「加藤段蔵にございます」
――こいつ、有名な飛び加藤じゃねぇか。
加藤「若様にお伺いいたします。
若様の身辺警護は、軒猿で?」
俺「赤目だ」
加藤「……納得できませぬ。赤目では縁者か否かすら判別できぬ」
赤目滝「つきます」
加藤「忍者の掟を守れぬ者は半端者。半端者は黙れ」
赤目滝「ならば、腕で決めようぞ」
俺「控えろ赤目、加藤!」
俺は加藤を真っ直ぐ見た。
俺「加藤よ。俺はお前に期待している。本当だ。
だが軒猿は、祖父や父も守らねばならぬ。
俺に付けられるのは、多くても二、三人――そうだろ藤猿」
藤猿「……申し訳ありませぬ」
俺「赤目は一族すべてで俺を守る。
どちらに頼むかは、自明だ」
加藤「……」
俺「加藤よ。俺の期待を裏切るなよ」
藤猿は、俺がなぜ加藤に期待するのか理解できぬという顔で、深く頭を下げた。
俺「藤猿、加藤、下がれ」
二人が下がると、赤目滝が目で合図をしてきた。
――軒猿が、まだ聞き耳を立てている。
俺「赤目よ。
軒猿は優秀で、忠誠心も高い。お主も見習うと良い」
この言葉を、藤猿はきっと誇らしく聞いているだろう。
俺は小さく息を吐く。
――やり過ぎるとバレる。
俺は赤目と共に、静かに部屋を後にした。
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