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第51話 1536年 6歳 武芸大会始めるぞ ⑧ 伊賀の忍者
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赤目滝が静かに報告に来た。
赤目滝
「若様。伊賀の忍者が大会に紛れ込んでおります」
すぐに会場へ向かう。
そこでは――冴えない男が、相手を一方的に叩き伏せていた。
……上手い。
派手さはないが、無駄が一切ない。
試合が終わると同時に、合図を出す。
周囲を囲ませ、逃げ道を塞いだ。
赤目滝
「こちらへ」
男は観念したように従い、スカウト小屋へ連れて来られる。
扉が閉まる。
赤目滝
「その程度の変装で、我らの目を欺けると思ったか――自来也」
沈黙の後、男はため息をついた。
自来也
「……さすが赤目よ」
変装を解く。
四十前後。顔つきは、出来る忍びのそれだった。
自来也
「若様。儂を使ってくれぬかのう」
赤目滝
「よく言う。
儂らに負わせた手傷の数々、忘れたとは言わせぬぞ」
自来也
「死人まで出しておるのは、そちらも同じじゃ。
被害は伊賀の方がでかいわ」
一瞬、空気が張り詰める。
俺
「自来也。
お前は伊賀の里から、赤目の様子を探れと命じられたな」
自来也
「……」
俺
「だが、ここで“抜け忍”になる。
そう伊賀に情報を流す。
そうすれば――もう戻れん」
自来也
「構いませぬ」
即答だった。
自来也
「それより若様の所は、報酬が良いと聞いた。
いくら出る?」
俺
「大将首で千貫だ。
他にも、働き次第でいくらでもある」
自来也は、初めて笑った。
自来也
「伊賀の里には、心底うんざりしておる。
任務で嫁と子供を失った。
だが里は何もせん。
『忍びだから耐えろ』――それだけじゃ」
拳を強く握る。
自来也
「儂は耐えられん。
ここで金を貯め、老後は若い嫁をもらって暮らす」
赤目滝
「……伊賀の特命の可能性もあります」
つまり。
抜け忍を装い、赤目に入り、情報を流す危険。
俺
「自来也。
馬、槍、弓は使えるか」
自来也
「人並み以上には」
俺
「なら軽騎兵だ。
戦術は状況次第で変える。
仮に情報を漏らしても――古くて価値がない」
一拍置く。
俺
「もし裏切ったら、即刻殺す」
自来也
「……承知」
俺
「怪しい動きはするな。
任務に励め」
赤目滝を見る。
俺
「これで異存はないな」
赤目滝
「はっ」
自来也
「承知致しました」
二人は、同時に平伏した
赤目滝
「若様。伊賀の忍者が大会に紛れ込んでおります」
すぐに会場へ向かう。
そこでは――冴えない男が、相手を一方的に叩き伏せていた。
……上手い。
派手さはないが、無駄が一切ない。
試合が終わると同時に、合図を出す。
周囲を囲ませ、逃げ道を塞いだ。
赤目滝
「こちらへ」
男は観念したように従い、スカウト小屋へ連れて来られる。
扉が閉まる。
赤目滝
「その程度の変装で、我らの目を欺けると思ったか――自来也」
沈黙の後、男はため息をついた。
自来也
「……さすが赤目よ」
変装を解く。
四十前後。顔つきは、出来る忍びのそれだった。
自来也
「若様。儂を使ってくれぬかのう」
赤目滝
「よく言う。
儂らに負わせた手傷の数々、忘れたとは言わせぬぞ」
自来也
「死人まで出しておるのは、そちらも同じじゃ。
被害は伊賀の方がでかいわ」
一瞬、空気が張り詰める。
俺
「自来也。
お前は伊賀の里から、赤目の様子を探れと命じられたな」
自来也
「……」
俺
「だが、ここで“抜け忍”になる。
そう伊賀に情報を流す。
そうすれば――もう戻れん」
自来也
「構いませぬ」
即答だった。
自来也
「それより若様の所は、報酬が良いと聞いた。
いくら出る?」
俺
「大将首で千貫だ。
他にも、働き次第でいくらでもある」
自来也は、初めて笑った。
自来也
「伊賀の里には、心底うんざりしておる。
任務で嫁と子供を失った。
だが里は何もせん。
『忍びだから耐えろ』――それだけじゃ」
拳を強く握る。
自来也
「儂は耐えられん。
ここで金を貯め、老後は若い嫁をもらって暮らす」
赤目滝
「……伊賀の特命の可能性もあります」
つまり。
抜け忍を装い、赤目に入り、情報を流す危険。
俺
「自来也。
馬、槍、弓は使えるか」
自来也
「人並み以上には」
俺
「なら軽騎兵だ。
戦術は状況次第で変える。
仮に情報を漏らしても――古くて価値がない」
一拍置く。
俺
「もし裏切ったら、即刻殺す」
自来也
「……承知」
俺
「怪しい動きはするな。
任務に励め」
赤目滝を見る。
俺
「これで異存はないな」
赤目滝
「はっ」
自来也
「承知致しました」
二人は、同時に平伏した
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