118 / 226
夕顔別当
第三十三夜
しおりを挟む「あのー……これ、俗にいう全身リップ……ってやつに該当します? いや、若干違うんですかね? そういうお店のサービスって事以外、正直わからなくて……」
人並み以上に性体験は充実している方だという自覚はあるが、流石に未体験ゾーンのそれを実行すべく、彼女は入念に紅を塗りたくっていた。
魅せるための化粧ではないので、当然、リップブラシは使用していない。
「…………」
返事も忘れて熱中しているとは、余程気合いが入っていると見た。
「あああ……。もっと丁寧に、ゆっくりして良いんですよ……! 紅さんの唇が荒れたりしたら、私…………」
『どう責任を取ったら良いかわからない』と続けるつもりだったのに、手をこまねいてハラハラ見守る事しか出来ない。
「『キス、出来ないのが辛い』?」
勝気な美女は自信満々に言い放った。
「!」
通常の紅さんであればカッコ良く決まっていたと思うが、適当に厚塗りしているせいでオーバーリップ気味の口元は、セクシーさを過度に主張する女性のようで少し滑稽だ。
「……いや、違いますね。私が遠慮しても、紅さんがしてきてくれるでしょうから、貴女の唇が荒れようが荒れまいが、私達のキスの頻度が大きく変動する事はないと思います。ですから、紅さん自身のためにも大事にしてください、唇。せっかく綺麗なんですから」
「ふふ、そっか」
と納得してくれたかのような事を言った直後。
「名前、そんなに大事?」
口紅にキャップを付けた彼女は、唇を突き出したついでに、上下の唇を擦り合わせて馴染ませた。
それだけでもイイ女に見えるのだから、やっぱり美人は羨ましい。
……ではなく、注意したそばから、唇が荒れそうなNG行動をしてみせるとは。
『自由が服を着ているような彼女が口紅を掲げれば、まさに自由の女神だな』なんてくだらない考えが浮かんだが、それを言葉にしないために唇を内側に巻き込んだ。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
小さくなって寝ている先輩にキスをしようとしたら、バレて逆にキスをされてしまった話
穂鈴 えい
恋愛
ある日の放課後、部室に入ったわたしは、普段しっかりとした先輩が無防備な姿で眠っているのに気がついた。ひっそりと片思いを抱いている先輩にキスがしたくて縮小薬を飲んで100分の1サイズで近づくのだが、途中で気づかれてしまったわたしは、逆に先輩に弄ばれてしまい……。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる