異世界風俗❤『異世界転生したら風俗店こそが癒しの最前線だった件~俺は冒険して稼ぎ、全力で愛され、そして搾られる~』

本能寺から始める常陸之介寛浩

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『王都帰還と“高級風俗の陰謀”編』

第48話『ミレーユ、王家の秘術で“精神空間”へ』

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 王都ユグノールの地下。
 淫夢の結界《ローズ・セレナーデ》最深部──

 そこには、玉座のように豪奢な椅子に座った一人の男がいた。
 常盤流星。王都騒乱の要となった、元サラリーマン冒険者。

 だがその瞳は、虚空を見つめていた。まるで、意識が抜けてしまったかのように。

「……流星」

 リリアが震える手で呼びかける。しかし、彼は微動だにしない。

「これは、完全に“精神操作型の夢魔術”だ」

 アリシアが結界構造の魔力波を読み取り、呻くように言った。

「このまま放っておけば……意識は戻らないわ。心を吸われ尽くして、空っぽになる」

 ヴァネッサが舌打ちをした。「くそ、ふざけた術を……!」

 だが、誰よりも真剣な目をしていたのは、金髪の少女だった。

「私が……行く」

 ミレーユ・エトワール。王家直属の天才魔導士にして、王位継承権を持つ少女。

「夢魔術に干渉するには、同調するしかない。“精神接触術式”、つまり意識ごと潜るのよ」

「戻ってこれる保証はないのよ!?」リリアが思わず声を荒げた。

「構わない。……私、この人を助けたい。だって──」

 一瞬、彼女の中にある感情が揺れる。“王都を守った英雄”としての尊敬でもなく、“同じ仲間”としての絆でもない。もっと曖昧で、もっと個人的な感情だった。

「だって……あの人、バカみたいに風俗好きなくせに、誰より優しいから」

 ミレーユは静かに笑い、流星の額に手をかざす。

「《深層精神接続術式──メモリア・ダイブ》、発動」

 次の瞬間、彼女の意識は、光の渦の中に溶けていった──

 ◆

 ──そこは、夢の国だった。

 常盤流星の“精神の世界”。

 夕焼けに染まる石畳の路地。風俗店の明かりがともる穏やかな街並み。
 そして──その中央で、白いワンピースの女性が手を振っていた。

「おかえりなさい、流星さん」

 ミレーユは、瞬間的に理解した。

(これは、“彼の記憶”……過去の、風俗嬢……?)

 女性は優しく微笑んで、椅子に座る流星の肩にそっと触れる。

「今日は、どんなお話をしてくれるの?」

 別の女性が隣に現れる。「新作のラノベ、できたんでしょ?」

 さらに、もう一人。「次の休み、一緒に海、行こうって言ってたよね」

 ミレーユの目が見開かれる。次々と現れるのは、かつて流星が“癒された”女性たち。

 そのどれもが、彼の記憶の中に咲いた“理想の花”──優しさと微笑みで作られた、幻。

「……流星さんは、この世界で幸せよ。現実のことなんて、もう考えなくていいの」

 女性たちが、ミレーユの方へ振り向く。その笑顔は美しく、完璧で、どこか怖かった。

「だって、私たちは、彼が“本当に癒された存在”なんだから──あなたたちみたいに、剣も魔法も、争いもない」

「……違う」

 ミレーユが呟いた。

「その笑顔は、ただの記憶。もう戻れない過去にすがってるだけの“自己完結”よ!」

 流星に駆け寄ると、彼の肩を掴む。

「流星! 目を覚まして! あなたは、今を生きてるの! 私たちと一緒に、戦って、生きて、笑って……!」

 幻影の女たちが、ミレーユを包囲する。「この人を苦しめないで」

「彼に、もう戦わせないで」

 ミレーユの心が揺れる。

 ──たしかに、彼女たちは美しかった。

 ──たしかに、彼女たちの存在が、彼を救った日々があった。

 だが、彼女は叫んだ。

「そんなの、思い出の中で十分でしょ!!」

「今、彼を生かしてくれるのは──現実の、“私たち”よ!!!」

 そして、魔力を解放する。

「《王家秘術──レヴェナント・リンク》!!」

 光が走る。幻影が砕け、空が裂ける。
 女たちの笑顔が、泣き顔に変わる。

 流星の瞳に、涙が浮かぶ。

「ミレーユ……」

「戻ってきて、バカ……私たち、ずっと待ってた」

「……俺……バカだな」

「うん、筋金入りの風俗バカ。でも──私が好きになったのは、そういうあなただから」

 彼女が流星の頬にキスをした瞬間──精神世界が崩壊し、二人の意識は“現実”へと戻っていった。

 ◆

「目覚めたっ!?」

 流星が跳ね起きた瞬間、三人の少女たちが一斉に抱きついた。

「ばかぁぁぁああああ!!!」

「心配させんな、風俗バカ!」

「……無事でよかった、ほんとに……」

 ローズ・セレナーデの結界が軋む音がした。

 夢魔ローズが、最後の姿へと変貌する。

「夢の中に残ればよかったのに……貴方たちは、やっぱり──現実にしがみつくのね」

「しがみつくさ。現実で風俗行けなくてどうすんだよ」

 流星が剣を抜いた。仲間たちが横に並ぶ。

「行こう、みんな。次は“夢を終わらせる”番だ」
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