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『王都帰還と“高級風俗の陰謀”編』
第49話『夢魔ローズ、真の姿を現す』
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淫夢の結界が軋み、咆哮を上げる。
流星の覚醒とともに、夢の館《ローズ・セレナーデ》に張られていた精神干渉結界が破られつつあった。
だが──その中心、バラの玉座に佇む女は微笑を崩さない。
「ようやく目覚めましたか、常盤流星さま」
ローズ。館のNo.1ホステスであり、男たちを“癒し”の名のもとに夢へ誘ってきた女。
だが今、その姿は異形へと変貌しつつあった。
白磁の肌が淡く輝き、瞳の奥には“快楽”の魔紋が揺れている。
背から現れた漆黒の翼。足元には、幻影のように消えた“かつての男たち”の面影。
「……やっぱり、あんた、夢魔だったんだな」
「ふふ。いえ、“夢魔”などという下品な呼び方は好きではありません。“ナイトメア・サキュバス”……それが、私の本質」
ローズはしなやかに宙を舞い、玉座の上からすべてを見下ろすようにして語った。
「私を訪れた男たちは皆、幸せを感じながら消えていった。
誰にも迷惑をかけていない。むしろ、癒されて、満たされて……」
その言葉に、アリシアが剣の柄を握りしめた。
「記憶を奪って、現実から逃がして、それで“幸せ”だなんて……!」
「……ねえ、あなたたちに聞きたいわ」ローズは宙にふわりと舞いながら言った。
「現実に耐えきれず、心をすり減らして生きている人に、“永遠に優しい夢”を見せてあげる。それの何が悪いの?」
静寂が落ちた。
「私はね……人間の心をよく知っているの。皆、本当は癒されたいの。“誰かに肯定されたい”の。“否定されずに愛されたい”の」
風が吹く。
「なら私が、その役割を果たして、何が悪いの?」
誰もが言葉を詰まらせた。
その論理は、ある意味で正しかった。
だが──
「……悪いに決まってんだろ」
低い声が、空気を裂いた。
流星だった。
「幸せってのは、“都合のいい幻想”で作られちゃダメなんだよ」
ローズが微笑を崩さず振り向く。
「ふふ、風俗を愛し、風俗で癒されてきたあなたが? その口で言うの?」
「だからこそだ」
彼は剣を構えた。
「俺が行ってた風俗はな、“現実”の中で働いてる女の子たちが、笑って、文句言って、たまに営業スマイルで、でも本当に“癒し”をくれてた場所だったんだ」
一歩踏み出す。
「現実だから、心が動くんだよ。現実だから、“今日も頑張った”って思えるんだよ。アンタの作る夢なんて──作り物だ」
ローズの笑顔が、初めて、わずかに崩れた。
「……なら、あなたは、私の力に飲み込まれなかった“唯一の男”」
「そうらしいな。光栄なことだよ」
「ならば、証明して。現実が、夢に勝ると」
刹那──風が爆ぜた。
ローズの身体が変化する。脚は蹄へと変わり、背に大きなコウモリの翼。
鎖骨から胸元にかけての紋章が、螺旋状の魔導刻印へと変化し、彼女の周囲に幾つもの幻影を生み出した。
「《アート・オブ・エクスタシア──千の夢幻快楽》!」
無数の“理想の女”たちが流星たちを包囲する。
巨乳メイド、清楚な幼なじみ、冷たい美人教師、無垢な妹、エルフの女王……
どれもこれも、“男の夢”を具現化した幻影。
「さあ、あなたの煩悩と、“本当の癒し”で戦いましょう?」
流星が剣を構えた。
「癒しってのは、な……!」
その後ろでリリア、アリシア、ミレーユ、ヴァネッサが続く。
「仲間がいて、現実で汗かいて、筋肉痛で寝込んで、夢精して怒られて、
それでも“また明日”って言えることなんだよ!!」
剣を一閃。
幻影の一人が、断ち切られる。
次の瞬間、戦いが始まった。
流星の覚醒とともに、夢の館《ローズ・セレナーデ》に張られていた精神干渉結界が破られつつあった。
だが──その中心、バラの玉座に佇む女は微笑を崩さない。
「ようやく目覚めましたか、常盤流星さま」
ローズ。館のNo.1ホステスであり、男たちを“癒し”の名のもとに夢へ誘ってきた女。
だが今、その姿は異形へと変貌しつつあった。
白磁の肌が淡く輝き、瞳の奥には“快楽”の魔紋が揺れている。
背から現れた漆黒の翼。足元には、幻影のように消えた“かつての男たち”の面影。
「……やっぱり、あんた、夢魔だったんだな」
「ふふ。いえ、“夢魔”などという下品な呼び方は好きではありません。“ナイトメア・サキュバス”……それが、私の本質」
ローズはしなやかに宙を舞い、玉座の上からすべてを見下ろすようにして語った。
「私を訪れた男たちは皆、幸せを感じながら消えていった。
誰にも迷惑をかけていない。むしろ、癒されて、満たされて……」
その言葉に、アリシアが剣の柄を握りしめた。
「記憶を奪って、現実から逃がして、それで“幸せ”だなんて……!」
「……ねえ、あなたたちに聞きたいわ」ローズは宙にふわりと舞いながら言った。
「現実に耐えきれず、心をすり減らして生きている人に、“永遠に優しい夢”を見せてあげる。それの何が悪いの?」
静寂が落ちた。
「私はね……人間の心をよく知っているの。皆、本当は癒されたいの。“誰かに肯定されたい”の。“否定されずに愛されたい”の」
風が吹く。
「なら私が、その役割を果たして、何が悪いの?」
誰もが言葉を詰まらせた。
その論理は、ある意味で正しかった。
だが──
「……悪いに決まってんだろ」
低い声が、空気を裂いた。
流星だった。
「幸せってのは、“都合のいい幻想”で作られちゃダメなんだよ」
ローズが微笑を崩さず振り向く。
「ふふ、風俗を愛し、風俗で癒されてきたあなたが? その口で言うの?」
「だからこそだ」
彼は剣を構えた。
「俺が行ってた風俗はな、“現実”の中で働いてる女の子たちが、笑って、文句言って、たまに営業スマイルで、でも本当に“癒し”をくれてた場所だったんだ」
一歩踏み出す。
「現実だから、心が動くんだよ。現実だから、“今日も頑張った”って思えるんだよ。アンタの作る夢なんて──作り物だ」
ローズの笑顔が、初めて、わずかに崩れた。
「……なら、あなたは、私の力に飲み込まれなかった“唯一の男”」
「そうらしいな。光栄なことだよ」
「ならば、証明して。現実が、夢に勝ると」
刹那──風が爆ぜた。
ローズの身体が変化する。脚は蹄へと変わり、背に大きなコウモリの翼。
鎖骨から胸元にかけての紋章が、螺旋状の魔導刻印へと変化し、彼女の周囲に幾つもの幻影を生み出した。
「《アート・オブ・エクスタシア──千の夢幻快楽》!」
無数の“理想の女”たちが流星たちを包囲する。
巨乳メイド、清楚な幼なじみ、冷たい美人教師、無垢な妹、エルフの女王……
どれもこれも、“男の夢”を具現化した幻影。
「さあ、あなたの煩悩と、“本当の癒し”で戦いましょう?」
流星が剣を構えた。
「癒しってのは、な……!」
その後ろでリリア、アリシア、ミレーユ、ヴァネッサが続く。
「仲間がいて、現実で汗かいて、筋肉痛で寝込んで、夢精して怒られて、
それでも“また明日”って言えることなんだよ!!」
剣を一閃。
幻影の一人が、断ち切られる。
次の瞬間、戦いが始まった。
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