84 / 228
【神の名を騙る島──南海の隠された禁風俗と、神官戦争編】
第73話『癒しという名の支配──神官プレイ再び』
しおりを挟む
──それは、まるで夢のような時間だった。
だが、夢だったと断じるには、あまりにも“肌感覚”が鮮やかすぎた。
「……あれ……なんだこの匂い……」
常盤流星は、柔らかいシーツの感触と、微かに漂う甘い香りに包まれていた。
温泉のようなぬるま湯の気配。
耳元にささやくような声。
──貴方は、疲れている。
──癒されるべき。
──神は、貴方を愛している。
「……違う、俺は……まだ調査の途中で……」
流星の意識は朦朧としていた。
さきほどまで、“神の指先亭”と呼ばれる店の個室に潜入していたはずだ。
だが、案内された個室で座に着いた途端──突然、香炉の蓋が開き、室内に甘く妖艶な香が立ち込めた。
(くそっ……しまった。これ、“精神干渉系の香”か!)
逃げようとした、その瞬間にはもう遅かった。
頭の芯がふわりと緩み、瞼が重くなる。
そして──
「……よく眠れましたか?」
女神官のレイナが、ふわりと微笑んだ。
いつの間にか流星の膝枕をしており、彼の額に冷たい布を当てている。
「心配しなくても大丈夫。これは“癒し”なのです。あなたの疲れた精神を、神の祝福で浄化してあげますから……」
「いや、俺は……俺は、癒されに来たんじゃなくて……情報を……」
「情報も、癒しも、同じことです。貴方が本当に望んでいるのは……心の安らぎでしょう?」
レイナの手が流星の頬を撫でる。
その動きはあまりに優しく──それでいて、どこか底知れない“支配”の気配を孕んでいた。
(……ダメだ……意識が……)
その時。
──ドカン!!
とんでもない音と共に、扉が爆発四散した。
「出たなァァァァァァァァァ!! 煩悩神官プレイッ!!」
先陣を切って飛び込んできたのは、怒りに満ちたリリアだった。
「バカ!バカバカ!アンタまた1人で来てこんなっ……っ!!」
頬を真っ赤にしながら叫ぶその背後から、アリシア、ミレーユ、そしてヴァネッサが怒涛の突撃。
「香による精神干渉を確認! やっぱりここは風俗“装い型洗脳結界”施設だったのね!」
「つまり、また夢魔系ですわね! 王家魔術の浄化術、試して差し上げます!」
「流星ーっ! 大丈夫?どこ撫でられてた?ちゃんと正直に言って!」
「いや撫でられてたけど!癒されてたけど!でも違うんだこれは!」
「こいつッ!本気で癒されてんじゃねーか!!」
──ここに、“神官癒し風俗プレイを巡る”大乱戦が勃発した。
◆ ◆ ◆
部屋の中は香の乱れた空気、破裂した扉、そして倒れ込む女神官レイナと流星。
「みんな、落ち着いて! 彼はまだ完全に正気に戻ってないわ!」
アリシアが制御結界を張り、レイナに魔術検査を行う。
「……やっぱり。彼女も“夢魔の血”を引いてる。人間の神官を装って、香で精神を操る──そんな混血個体」
「じゃあやっぱり、ここも“癒しを騙る罠”だったってことか……」
流星は汗だくになりながらも、ようやく意識を取り戻していた。
「……クッソ……確かに気持ちよかったのは認める。でもあれは、選ばされた快楽だ。俺が、自分で選んだもんじゃない」
リリアが少しだけ目を見開く。
「それって……」
「俺は、風俗を愛してるよ。でも、それは“合意”があるからだ。自分の意思で、楽しむからこそ意味がある。こんな風に……“仕組まれた幸福”なんて、いらない」
アリシアは深く頷いた。
「その通り。“与えられる癒し”に浸かるだけじゃ、人間はダメになる。思考と尊厳を奪う行為よ」
レイナは、倒れながらも微笑を崩さなかった。
「……でも……それでも、多くの人は……“与えられる幸福”を望むのです。何も考えず、ただ愛されるという感覚を」
ミレーユが一歩、彼女に近づく。
「それでも、私たちは“選ぶ側”であるべきよ。癒されたいなら、自分の足で行く。愛されたいなら、愛する努力をする。神はそれを望んでるわ」
そのとき。
──どくん。
部屋の空気が脈打った。
「これは……下層の神殿で、何かが動いたわ!」
アリシアの魔法感知が反応。
「神の名を騙る“主犯”が、まだこの島の奥にいる……!」
「つまり、ここはまだ“入口”ってことか……」
流星は、ふらふらと立ち上がった。
そして、剣を腰に戻しながら、言った。
「よし……行こうぜ、みんな」
「おっけー! ぶっ壊すッ!!」
ヴァネッサのテンションが一気に上がる。
こうして、常盤流星とその仲間たちは──
“神の名を騙り、快楽で支配しようとする者たち”との本当の戦いへ、足を踏み出した。
だが、夢だったと断じるには、あまりにも“肌感覚”が鮮やかすぎた。
「……あれ……なんだこの匂い……」
常盤流星は、柔らかいシーツの感触と、微かに漂う甘い香りに包まれていた。
温泉のようなぬるま湯の気配。
耳元にささやくような声。
──貴方は、疲れている。
──癒されるべき。
──神は、貴方を愛している。
「……違う、俺は……まだ調査の途中で……」
流星の意識は朦朧としていた。
さきほどまで、“神の指先亭”と呼ばれる店の個室に潜入していたはずだ。
だが、案内された個室で座に着いた途端──突然、香炉の蓋が開き、室内に甘く妖艶な香が立ち込めた。
(くそっ……しまった。これ、“精神干渉系の香”か!)
逃げようとした、その瞬間にはもう遅かった。
頭の芯がふわりと緩み、瞼が重くなる。
そして──
「……よく眠れましたか?」
女神官のレイナが、ふわりと微笑んだ。
いつの間にか流星の膝枕をしており、彼の額に冷たい布を当てている。
「心配しなくても大丈夫。これは“癒し”なのです。あなたの疲れた精神を、神の祝福で浄化してあげますから……」
「いや、俺は……俺は、癒されに来たんじゃなくて……情報を……」
「情報も、癒しも、同じことです。貴方が本当に望んでいるのは……心の安らぎでしょう?」
レイナの手が流星の頬を撫でる。
その動きはあまりに優しく──それでいて、どこか底知れない“支配”の気配を孕んでいた。
(……ダメだ……意識が……)
その時。
──ドカン!!
とんでもない音と共に、扉が爆発四散した。
「出たなァァァァァァァァァ!! 煩悩神官プレイッ!!」
先陣を切って飛び込んできたのは、怒りに満ちたリリアだった。
「バカ!バカバカ!アンタまた1人で来てこんなっ……っ!!」
頬を真っ赤にしながら叫ぶその背後から、アリシア、ミレーユ、そしてヴァネッサが怒涛の突撃。
「香による精神干渉を確認! やっぱりここは風俗“装い型洗脳結界”施設だったのね!」
「つまり、また夢魔系ですわね! 王家魔術の浄化術、試して差し上げます!」
「流星ーっ! 大丈夫?どこ撫でられてた?ちゃんと正直に言って!」
「いや撫でられてたけど!癒されてたけど!でも違うんだこれは!」
「こいつッ!本気で癒されてんじゃねーか!!」
──ここに、“神官癒し風俗プレイを巡る”大乱戦が勃発した。
◆ ◆ ◆
部屋の中は香の乱れた空気、破裂した扉、そして倒れ込む女神官レイナと流星。
「みんな、落ち着いて! 彼はまだ完全に正気に戻ってないわ!」
アリシアが制御結界を張り、レイナに魔術検査を行う。
「……やっぱり。彼女も“夢魔の血”を引いてる。人間の神官を装って、香で精神を操る──そんな混血個体」
「じゃあやっぱり、ここも“癒しを騙る罠”だったってことか……」
流星は汗だくになりながらも、ようやく意識を取り戻していた。
「……クッソ……確かに気持ちよかったのは認める。でもあれは、選ばされた快楽だ。俺が、自分で選んだもんじゃない」
リリアが少しだけ目を見開く。
「それって……」
「俺は、風俗を愛してるよ。でも、それは“合意”があるからだ。自分の意思で、楽しむからこそ意味がある。こんな風に……“仕組まれた幸福”なんて、いらない」
アリシアは深く頷いた。
「その通り。“与えられる癒し”に浸かるだけじゃ、人間はダメになる。思考と尊厳を奪う行為よ」
レイナは、倒れながらも微笑を崩さなかった。
「……でも……それでも、多くの人は……“与えられる幸福”を望むのです。何も考えず、ただ愛されるという感覚を」
ミレーユが一歩、彼女に近づく。
「それでも、私たちは“選ぶ側”であるべきよ。癒されたいなら、自分の足で行く。愛されたいなら、愛する努力をする。神はそれを望んでるわ」
そのとき。
──どくん。
部屋の空気が脈打った。
「これは……下層の神殿で、何かが動いたわ!」
アリシアの魔法感知が反応。
「神の名を騙る“主犯”が、まだこの島の奥にいる……!」
「つまり、ここはまだ“入口”ってことか……」
流星は、ふらふらと立ち上がった。
そして、剣を腰に戻しながら、言った。
「よし……行こうぜ、みんな」
「おっけー! ぶっ壊すッ!!」
ヴァネッサのテンションが一気に上がる。
こうして、常盤流星とその仲間たちは──
“神の名を騙り、快楽で支配しようとする者たち”との本当の戦いへ、足を踏み出した。
23
あなたにおすすめの小説
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
書道が『神級』に昇格!?女神の失敗で異世界転移して竜皇女と商売してたら勇者!聖女!魔王!「次々と現れるので対応してたら世界を救ってました」
銀塊 メウ
ファンタジー
書道が大好き(強制)なごくごく普通の
一般高校生真田蒼字、しかし実際は家の
関係で、幽霊や妖怪を倒す陰陽師的な仕事
を裏でしていた。ある日のこと学校を
出たら目の前は薄暗い檻の中なんじゃ
こりゃーと思っていると、女神(駄)が
現れ異世界に転移されていた。魔王を
倒してほしんですか?いえ違います。
失敗しちゃった。テヘ!ふざけんな!
さっさと元の世界に帰せ‼
これは運悪く異世界に飛ばされた青年が
仲間のリル、レイチェルと楽しくほのぼの
と商売をして暮らしているところで、
様々な事件に巻き込まれながらも、この
世界に来て手に入れたスキル『書道神級』
の力で無双し敵をバッタバッタと倒し
解決していく中で、魔王と勇者達の戦いに
巻き込まれ時にはカッコよく(モテる)、
時には面白く敵を倒して(笑える)いつの
間にか世界を救う話です。
異世界へ転生した俺が最強のコピペ野郎になる件
おおりく
ファンタジー
高校生の桜木 悠人は、不慮の事故で命を落とすが、神のミスにより異世界『テラ・ルクス』で第二の生を得る。彼に与えられたスキルは、他者の能力を模倣する『コピーキャット』。
最初は最弱だった悠人だが、光・闇・炎・氷の属性と、防御・知識・物理の能力を次々とコピーし、誰も成し得なかった多重複合スキルを使いこなす究極のチートへと進化する!
しかし、その異常な強さは、悠人を巡る三人の美少女たちの激しい争奪戦を引き起こすことになる。
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~
専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。
ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる