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【神の名を騙る島──南海の隠された禁風俗と、神官戦争編】
第82話『報酬は温泉で──そして次なる誘惑』
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──人が、本当に癒される瞬間とは。
それは、魂の緊張が解け、心の芯から「生きてて良かった」と思える、そんな一瞬なのだろう。
そして今。
常盤流星の頬をなでている湯気と、背中を支える滑らかな石の感触は──まさに、その境地であった。
「うおぉぉ……っ、しみる……!」
彼は肩まで湯に浸かり、ゆっくりと首を回した。
ここは、アナナス島神殿が新設した『癒しの湯殿』──神聖な温泉施設である。
神殿を浄化し、夢魔との激戦を乗り越えた流星たちは、ギルドと島の新統治者から「全身癒されきるまで帰還禁止」のお墨付きをもらったのである。
「はぁ……勝利の湯って、なんでこんなにも……っ!」
流星は、じんわりと染み出す汗とともに、体にたまっていたすべての疲労と煩悩を蒸気とともに解き放っていった。
──の、だが。
「……ちょっと、油断しすぎじゃない?」
突如、後ろから聞こえるは、涼やかで冷ややかな美声。
そう──アリシアである。
「あーっ!? なんで女湯の壁の向こうから声すんの!?」
「この施設、混浴のはずだったでしょう? 男女分ける暖簾を選ぶのは自己責任なのよ。貴方が“のれんの意味”を理解してなかっただけ」
「な、なんだと……?」
流星の視線が湯の向こうに揺れるシルエットへ。
つい先ほどまで男同士の会話だけだったこの空間に、なぜかヒロインたち全員が集結していた。
──第一陣、ツンギレエルフのリリア。
「何でアンタだけ癒されてんのよ!? あたしだって背中バッキバキだったんだから!」
──第二陣、王家魔術師のミレーユ。
「全身浄化の魔法を試すには最適な環境かと……ええ、科学的検証です」
──第三陣、筋肉と性欲の象徴、ヴァネッサ。
「いや~~露天での混浴、最高じゃん? それにあんたの背中、ちゃんと私が流して──」
「やめてぇぇえええええ!!」
流星の絶叫が、島に木霊した。
◆
「というかね……っ! オレが一人でのんびりしてるところに、なんでわざわざ全員入ってきてんだよッ!?」
脱衣所に戻った後も、流星の怒涛のツッコミは止まらなかった。
「癒しの場に監視って、どんな拷問だよ!? これじゃ夢魔のほうがまだ優しいってレベルじゃ──」
「……なに?」
リリアが殺気を帯びた目で見た。
「……ううん、なんでもない」
流星は即座に敗北宣言。
その横ではヴァネッサが、全裸にバスタオル一枚のまま仁王立ち。
「でもさ、流星。温泉と風俗って、意外と通じてると思わない?」
「なに言ってんの? バカなの?」
アリシアの冷たい突っ込みが飛ぶ。
「いや、だって! 温泉で癒されるのも、美女にマッサージされて癒されるのも、癒しでしょ? つまりこう……人肌って、尊いよなァ~~……」
「煩悩だらけの感想やめろ」
ミレーユがうんざりしたように吐き捨てると、流星はにへらと笑い、浴衣の腰紐をきゅっと締め直した。
「ま、でもよ──」
流星はふと、湯殿の外に広がる青い海と白い雲を見上げる。
「信仰も癒しも、風俗も──選べるってのが一番幸せなんだよな」
ふとした一言だったが、ヒロインたちは一瞬、黙り込んだ。
リリアは湯けむりに包まれたその横顔を、そっと見つめる。
──煩悩だらけで、女好きで、どうしようもない奴。
でも、だからこそ“誰かの心”に、正直に寄り添える。
アリシアは唇を結び、ミレーユは視線を逸らし、ヴァネッサは──なぜか自分の胸を見下ろしていた。
「……やっぱ、添い寝のほうが最高の癒しよね」
「論点が違う」
◆
夜が明けた。
島を後にする直前、ギルドから一通の依頼書が届いた。
《依頼内容:調査案件》
・場所:東部・山岳地帯《レハニ村》
・内容:村全域が“全裸入浴”の風習を有し、異常な開放文化が拡大中
・依頼者:レハニ村観光保全協会(匿名)
・補足:「異常な癒し文化の裏に、“神秘的な催眠効果”がある可能性」
「……全裸入浴しか許されていない村、だと……?」
流星が読み終えるや否や、背筋を伸ばした。
「よし、行くぞ!! 全裸文化、調査する!!」
「即答すんな!!!」
ヒロイン全員から総ツッコミが飛ぶ。
だがその中、ヴァネッサだけは妙に乗り気な顔をしていた。
「それってつまり、あたしらも全裸で入るってことよね……?」
「行きません!! 行かせません!!」
「神託の次は、裸族の村って……あたしたちの旅、どこへ向かってるの……?」
だが、止まらない。
風と煩悩と女神の微笑みに導かれ、流星とその仲間たちの旅は、今日も続いていく──。
それは、魂の緊張が解け、心の芯から「生きてて良かった」と思える、そんな一瞬なのだろう。
そして今。
常盤流星の頬をなでている湯気と、背中を支える滑らかな石の感触は──まさに、その境地であった。
「うおぉぉ……っ、しみる……!」
彼は肩まで湯に浸かり、ゆっくりと首を回した。
ここは、アナナス島神殿が新設した『癒しの湯殿』──神聖な温泉施設である。
神殿を浄化し、夢魔との激戦を乗り越えた流星たちは、ギルドと島の新統治者から「全身癒されきるまで帰還禁止」のお墨付きをもらったのである。
「はぁ……勝利の湯って、なんでこんなにも……っ!」
流星は、じんわりと染み出す汗とともに、体にたまっていたすべての疲労と煩悩を蒸気とともに解き放っていった。
──の、だが。
「……ちょっと、油断しすぎじゃない?」
突如、後ろから聞こえるは、涼やかで冷ややかな美声。
そう──アリシアである。
「あーっ!? なんで女湯の壁の向こうから声すんの!?」
「この施設、混浴のはずだったでしょう? 男女分ける暖簾を選ぶのは自己責任なのよ。貴方が“のれんの意味”を理解してなかっただけ」
「な、なんだと……?」
流星の視線が湯の向こうに揺れるシルエットへ。
つい先ほどまで男同士の会話だけだったこの空間に、なぜかヒロインたち全員が集結していた。
──第一陣、ツンギレエルフのリリア。
「何でアンタだけ癒されてんのよ!? あたしだって背中バッキバキだったんだから!」
──第二陣、王家魔術師のミレーユ。
「全身浄化の魔法を試すには最適な環境かと……ええ、科学的検証です」
──第三陣、筋肉と性欲の象徴、ヴァネッサ。
「いや~~露天での混浴、最高じゃん? それにあんたの背中、ちゃんと私が流して──」
「やめてぇぇえええええ!!」
流星の絶叫が、島に木霊した。
◆
「というかね……っ! オレが一人でのんびりしてるところに、なんでわざわざ全員入ってきてんだよッ!?」
脱衣所に戻った後も、流星の怒涛のツッコミは止まらなかった。
「癒しの場に監視って、どんな拷問だよ!? これじゃ夢魔のほうがまだ優しいってレベルじゃ──」
「……なに?」
リリアが殺気を帯びた目で見た。
「……ううん、なんでもない」
流星は即座に敗北宣言。
その横ではヴァネッサが、全裸にバスタオル一枚のまま仁王立ち。
「でもさ、流星。温泉と風俗って、意外と通じてると思わない?」
「なに言ってんの? バカなの?」
アリシアの冷たい突っ込みが飛ぶ。
「いや、だって! 温泉で癒されるのも、美女にマッサージされて癒されるのも、癒しでしょ? つまりこう……人肌って、尊いよなァ~~……」
「煩悩だらけの感想やめろ」
ミレーユがうんざりしたように吐き捨てると、流星はにへらと笑い、浴衣の腰紐をきゅっと締め直した。
「ま、でもよ──」
流星はふと、湯殿の外に広がる青い海と白い雲を見上げる。
「信仰も癒しも、風俗も──選べるってのが一番幸せなんだよな」
ふとした一言だったが、ヒロインたちは一瞬、黙り込んだ。
リリアは湯けむりに包まれたその横顔を、そっと見つめる。
──煩悩だらけで、女好きで、どうしようもない奴。
でも、だからこそ“誰かの心”に、正直に寄り添える。
アリシアは唇を結び、ミレーユは視線を逸らし、ヴァネッサは──なぜか自分の胸を見下ろしていた。
「……やっぱ、添い寝のほうが最高の癒しよね」
「論点が違う」
◆
夜が明けた。
島を後にする直前、ギルドから一通の依頼書が届いた。
《依頼内容:調査案件》
・場所:東部・山岳地帯《レハニ村》
・内容:村全域が“全裸入浴”の風習を有し、異常な開放文化が拡大中
・依頼者:レハニ村観光保全協会(匿名)
・補足:「異常な癒し文化の裏に、“神秘的な催眠効果”がある可能性」
「……全裸入浴しか許されていない村、だと……?」
流星が読み終えるや否や、背筋を伸ばした。
「よし、行くぞ!! 全裸文化、調査する!!」
「即答すんな!!!」
ヒロイン全員から総ツッコミが飛ぶ。
だがその中、ヴァネッサだけは妙に乗り気な顔をしていた。
「それってつまり、あたしらも全裸で入るってことよね……?」
「行きません!! 行かせません!!」
「神託の次は、裸族の村って……あたしたちの旅、どこへ向かってるの……?」
だが、止まらない。
風と煩悩と女神の微笑みに導かれ、流星とその仲間たちの旅は、今日も続いていく──。
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