98 / 228
『全裸信仰村・リヴァル村編──服を脱がねば、語れぬ真実』
第86話『温泉混浴と流星の煩悩大爆発』
しおりを挟む
──それは、煩悩という名の熱湯だった。
リヴァル村の共同温泉。緩やかに湯気が立ち込め、木造の脱衣所から一歩踏み出せば、そこは四方を囲まれた大浴場。岩と木と湯の香りが混ざりあい、まさに自然の恵みそのもの。
だが──その中央に。
「お待たせしました、流星さま♡」
「ふぉあっ……!?」
まさかのタイミングで、アリシアが全裸で登場。
さらに、その横にはリリア。そしてミレーユ、ヴァネッサまで……。
「な、なんで全員こっち来るの!? ここ、混浴だったの!?」
「だから言ったでしょ、ここでは“裸が正装”だって……」
リリアは肩まで湯に浸かりながら、あっけらかんとした表情を浮かべる。
「健康のためよ、健康。……あんた、なに赤くなってんの?」
「いや、赤くなるでしょ普通!? なんだその無意識の煽り力ッ!」
湯の中で、流星はひたすら己の視線と煩悩を制御しようと試みていた。
だが──限界は近い。
リリアの艶やかな濡れ髪。
アリシアの肩に滴る湯の雫。
ミレーユの恥じらいながらも背筋を伸ばす気高さ。
ヴァネッサの堂々たる曲線。
この状況を“煩悩地獄”と言わずして、何と言おう。
「おーい流星~。こっち来いよ、肩揉んでやる♡」
「こら待てヴァネッサ!! それはアカン!! 色々アカン!!」
「じゃあ、私が背中流す?」
ミレーユがタオルを持って近づいてくる。
「……君まで!? 王族の威厳とは!?」
しかし──そのとき、流星の鼻孔に妙な“香り”が届いた。
甘い。けれど鋭く、脳の奥を直接くすぐるような芳香。
それは、温泉の湯気に紛れて漂っていた。
(この匂い──前にも感じた……夢魔が使ってた、あの“幻惑の香”……!)
すぐに立ち上がろうとするが、身体が重い。
思考が霞み、目の前の美しい裸身がさらに魅力的に見えてしまう。
「ふふ、どうしたの? 顔、真っ赤よ……」
「流星……? なんだか……目が……とろんとしてる」
ヒロインたちの表情が曇る。
リリアが湯から飛び出し、タオル一枚で流星の肩を揺さぶった。
「まさか……湯そのものに、“幻惑香”が混入されてる!? くそっ、誰が……!!」
アリシアが即座に魔術検知を発動。
湯の中の魔力を解析し、目を見開いた。
「これは……“精神干渉型香料”。低濃度だけど、時間と共に意識を奪っていくタイプ!」
「じゃあ……村全体が、すでに……?」
湯の中に座り込んだ流星は、かすれた声で言った。
「……俺は、風俗は好きだ。でも……無理やり幻覚で癒されたら、それはもう……風俗じゃ、ない……」
ぐらり、と身体が揺れる。
もう意識が限界だ。
しかしその瞬間、リリアが彼の額にキスをした。
「お前が選ぶべき癒しは、“自分の意思”で選ぶものでしょ? 目を覚まして、流星……!」
その言葉と共に、流星の視界が白く染まった──。
◆
目を開けると、そこは脱衣所だった。
リリアたちが自分の周囲に集まり、心配そうに覗き込んでいる。
「目、覚めた……!? よかったぁ……」
「幻惑に完全に飲まれてたのよ……ギリギリだったわよ、ほんとに」
「……ああ、助かった。煩悩で死ぬとこだった……」
起き上がると、タオルが肩に掛けられていた。
流星は照れ笑いを浮かべながら、リリアたちに頭を下げた。
「ありがとう。俺、やっぱり……風俗もいいけど、おまえらも……最高だよ」
その言葉に、一瞬ヒロインズの顔が赤く染まる。
「な、なによそれ……バカ」
「全裸で告白って……どんなラブコメよ……」
温泉の湯気の中、照れ笑いと怒鳴り声が交錯する。
だが──その奥では、誰かが静かに“幻惑香”を調合していた。
事件は、まだ終わっていなかった……。
リヴァル村の共同温泉。緩やかに湯気が立ち込め、木造の脱衣所から一歩踏み出せば、そこは四方を囲まれた大浴場。岩と木と湯の香りが混ざりあい、まさに自然の恵みそのもの。
だが──その中央に。
「お待たせしました、流星さま♡」
「ふぉあっ……!?」
まさかのタイミングで、アリシアが全裸で登場。
さらに、その横にはリリア。そしてミレーユ、ヴァネッサまで……。
「な、なんで全員こっち来るの!? ここ、混浴だったの!?」
「だから言ったでしょ、ここでは“裸が正装”だって……」
リリアは肩まで湯に浸かりながら、あっけらかんとした表情を浮かべる。
「健康のためよ、健康。……あんた、なに赤くなってんの?」
「いや、赤くなるでしょ普通!? なんだその無意識の煽り力ッ!」
湯の中で、流星はひたすら己の視線と煩悩を制御しようと試みていた。
だが──限界は近い。
リリアの艶やかな濡れ髪。
アリシアの肩に滴る湯の雫。
ミレーユの恥じらいながらも背筋を伸ばす気高さ。
ヴァネッサの堂々たる曲線。
この状況を“煩悩地獄”と言わずして、何と言おう。
「おーい流星~。こっち来いよ、肩揉んでやる♡」
「こら待てヴァネッサ!! それはアカン!! 色々アカン!!」
「じゃあ、私が背中流す?」
ミレーユがタオルを持って近づいてくる。
「……君まで!? 王族の威厳とは!?」
しかし──そのとき、流星の鼻孔に妙な“香り”が届いた。
甘い。けれど鋭く、脳の奥を直接くすぐるような芳香。
それは、温泉の湯気に紛れて漂っていた。
(この匂い──前にも感じた……夢魔が使ってた、あの“幻惑の香”……!)
すぐに立ち上がろうとするが、身体が重い。
思考が霞み、目の前の美しい裸身がさらに魅力的に見えてしまう。
「ふふ、どうしたの? 顔、真っ赤よ……」
「流星……? なんだか……目が……とろんとしてる」
ヒロインたちの表情が曇る。
リリアが湯から飛び出し、タオル一枚で流星の肩を揺さぶった。
「まさか……湯そのものに、“幻惑香”が混入されてる!? くそっ、誰が……!!」
アリシアが即座に魔術検知を発動。
湯の中の魔力を解析し、目を見開いた。
「これは……“精神干渉型香料”。低濃度だけど、時間と共に意識を奪っていくタイプ!」
「じゃあ……村全体が、すでに……?」
湯の中に座り込んだ流星は、かすれた声で言った。
「……俺は、風俗は好きだ。でも……無理やり幻覚で癒されたら、それはもう……風俗じゃ、ない……」
ぐらり、と身体が揺れる。
もう意識が限界だ。
しかしその瞬間、リリアが彼の額にキスをした。
「お前が選ぶべき癒しは、“自分の意思”で選ぶものでしょ? 目を覚まして、流星……!」
その言葉と共に、流星の視界が白く染まった──。
◆
目を開けると、そこは脱衣所だった。
リリアたちが自分の周囲に集まり、心配そうに覗き込んでいる。
「目、覚めた……!? よかったぁ……」
「幻惑に完全に飲まれてたのよ……ギリギリだったわよ、ほんとに」
「……ああ、助かった。煩悩で死ぬとこだった……」
起き上がると、タオルが肩に掛けられていた。
流星は照れ笑いを浮かべながら、リリアたちに頭を下げた。
「ありがとう。俺、やっぱり……風俗もいいけど、おまえらも……最高だよ」
その言葉に、一瞬ヒロインズの顔が赤く染まる。
「な、なによそれ……バカ」
「全裸で告白って……どんなラブコメよ……」
温泉の湯気の中、照れ笑いと怒鳴り声が交錯する。
だが──その奥では、誰かが静かに“幻惑香”を調合していた。
事件は、まだ終わっていなかった……。
20
あなたにおすすめの小説
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
書道が『神級』に昇格!?女神の失敗で異世界転移して竜皇女と商売してたら勇者!聖女!魔王!「次々と現れるので対応してたら世界を救ってました」
銀塊 メウ
ファンタジー
書道が大好き(強制)なごくごく普通の
一般高校生真田蒼字、しかし実際は家の
関係で、幽霊や妖怪を倒す陰陽師的な仕事
を裏でしていた。ある日のこと学校を
出たら目の前は薄暗い檻の中なんじゃ
こりゃーと思っていると、女神(駄)が
現れ異世界に転移されていた。魔王を
倒してほしんですか?いえ違います。
失敗しちゃった。テヘ!ふざけんな!
さっさと元の世界に帰せ‼
これは運悪く異世界に飛ばされた青年が
仲間のリル、レイチェルと楽しくほのぼの
と商売をして暮らしているところで、
様々な事件に巻き込まれながらも、この
世界に来て手に入れたスキル『書道神級』
の力で無双し敵をバッタバッタと倒し
解決していく中で、魔王と勇者達の戦いに
巻き込まれ時にはカッコよく(モテる)、
時には面白く敵を倒して(笑える)いつの
間にか世界を救う話です。
異世界へ転生した俺が最強のコピペ野郎になる件
おおりく
ファンタジー
高校生の桜木 悠人は、不慮の事故で命を落とすが、神のミスにより異世界『テラ・ルクス』で第二の生を得る。彼に与えられたスキルは、他者の能力を模倣する『コピーキャット』。
最初は最弱だった悠人だが、光・闇・炎・氷の属性と、防御・知識・物理の能力を次々とコピーし、誰も成し得なかった多重複合スキルを使いこなす究極のチートへと進化する!
しかし、その異常な強さは、悠人を巡る三人の美少女たちの激しい争奪戦を引き起こすことになる。
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~
専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。
ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる