異世界風俗❤『異世界転生したら風俗店こそが癒しの最前線だった件~俺は冒険して稼ぎ、全力で愛され、そして搾られる~』

本能寺から始める常陸之介寛浩

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『全裸信仰村・リヴァル村編──服を脱がねば、語れぬ真実』

第92話『煩悩 vs 解放──ゼルバ討伐戦!』

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 リヴァル村──“衣服禁止”の掟が支配する山奥の村。

 その地下、かつて文明を滅ぼしかけた“全裸信仰の魔神”ゼルバが、ついに実体を現した。

 黒くねじれた四肢、滑らかすぎる肌、目を覆いたくなるような裸体──だが、彼の姿には一片の羞恥もなく、ただ“解放”という名の狂気だけが宿っていた。

 

「全ての衣服は罪。すべての煩悩は隷属……! 裸こそが真理。裸こそが──魂の在り処!!」

 

 咆哮と共に、ゼルバの周囲に渦巻くのは、脱衣を促す強烈な幻惑魔力。

 リヴァル村の村人たちが、一人、また一人とその場で服を投げ捨て、陶然とした目でゼルバに跪きはじめる。

 

「ゼルバ様の御名により──布を憎め、恥を捨てよ……!」

「服など偽り……この身こそが真の祈り……!」

 

 完全に洗脳されていた。

 しかもその魔力は、ヒロインたちにも襲いかかっていた。

 

「くっ……体が、勝手に熱く……!」

「リリア、意識をしっかり持って!」

「ミレーユ、そっち行ったらダメ!」

 

 リリア、アリシア、ミレーユ、ヴァネッサ──それぞれが魔力抵抗を試みるが、ゼルバの幻術は“羞恥”や“恥じらい”という心理の深層をついてくる。

 

 服を着ていること自体が罪悪感になる。
 見られること、隠すこと、それ自体が恐怖と感じさせられる。

 まさに“自我の崩壊”だった。

 

 ──そして。

 中心に立つ、常盤流星にも、その波は迫っていた。

 

 ゼルバが手をかざすと、空気が甘く、ねっとりと変質する。

 

「お前の煩悩……その欲望……すべて我が糧として飲み干してやろう」

 

 幻が現れる。

 かつて通った風俗店の“理想の嬢”たちが──笑顔で、色香をまとって、ゆっくりと流星に近づいてくる。

 

「おかえりなさい、流星さん」

「今日は何されたいの? 特別なコース、ご用意してますよ……♡」

「ほら……そんなに我慢しなくて、いいんですよ」

 

 誘惑の嵐。

 心の奥で蓄積された“癒し”と“逃避”の記憶が、実体を持って目の前に揺れていた。

 流星の膝が、ガクンと揺れる。

 

 ──だが。

 

「……いや、違う……ちがうぞ……ッ!」

 

 両手で自分の顔を叩き、必死に意識を保つ。

 目の前の風俗嬢たちは、確かに“理想”だ。
 だが、それはもう“現実じゃない”。

 

「俺は、確かに風俗が好きだ!」

「癒しを求めるのも、胸を見て目が泳ぐのも、脚フェチも、全部、俺の“煩悩”だ!!」

「けど──それは誰かを“支配”するためじゃないッ!!」

「俺は、愛されたいんだ……!! 心から、対等でいたいんだッ!!!」

 

 その魂の叫びは、幻を吹き飛ばした。

 目の前の女たちが霧のように消えると同時に、ゼルバがひときわ大きな咆哮をあげる。

 

「煩悩が……煩悩が己を律するだと……!? そんなものがあるものか……!」

「あるんだよバーカ!!」

 

 流星が剣を抜いた。

 ギラリと光る剣──それは“煩悩浄化斬(ボンノウ・クリアランス)”と名付けられた、本人の羞恥心と欲望を力に変えた異色の一撃。

 

 ヒロインたちも、そこに合流する。

 

「リリア!アリシア!ミレーユ!ヴァネッサ!今だ!」

 

 それぞれが自らの武器を構え、服をなびかせ(もしくは着ていない)、全力の魔力を注ぎ込む。

 

「リリア・ブレイカー!」

「アーク・インフェルノ!」

「聖王流・魔力封印術式展開!」

「ミラクル筋肉ドライバー!!」

 

 四人の技と、流星の“煩悩浄化斬”が交差したその瞬間──

 

 魔神ゼルバの胸に、大きな**“愛と煩悩の一閃”**が突き刺さった。

 

「ぐわあああああああああああああああ!!!!!!!」

 

 全裸信仰の支配者、ゼルバ。

 欲望を支配の道具とした魔神は、その“自らの矛盾”によって崩壊した。

 

 ──煩悩は罪じゃない。
 ──煩悩から始まる愛も、ある。

 

 ◆

 

 戦いが終わったあと。

 村人たちは、恥じらいと共に服を着ることを思い出し、笑った。

 

「なんだか、背中がスースーするなぁ」

「でも、服って……あったかいんだな」

 

 リリアたちは疲れ果てた身体にタオルを巻き、静かに肩を並べた。

 流星は、ぼろぼろになった剣を地面に突き刺しながら、苦笑する。

 

「煩悩ってさ……やっぱ、捨てられねぇもんだな」

「でも、捨てる必要も……ないのかもね」

 アリシアがふと、流星の横顔を見ながら呟いた。

 

「ちゃんと“愛”って言ってくれたから、今回は許す」

「許してないわよ!? あたしはまだ記憶に焼き付いてるからな!」

「むしろあたしはもっと見せたいんだけど」

「やっぱり煩悩の巣窟ね、このパーティ……」

 

 どこか微笑ましいやり取りが、村に戻った“平穏”を象徴していた。
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