異世界風俗❤『異世界転生したら風俗店こそが癒しの最前線だった件~俺は冒険して稼ぎ、全力で愛され、そして搾られる~』

本能寺から始める常陸之介寛浩

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『全裸信仰村・リヴァル村編──服を脱がねば、語れぬ真実』

第93話『服を着る自由、脱ぐ自由』

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 ──ゼルバ討伐、完了。

 全裸信仰に染まった山奥の村・リヴァルは、ついに呪縛から解き放たれた。

 長らく人々の価値観を支配していた「服=罪」「裸=純潔」という偏った信仰は、夢魔神ゼルバが放った魔的洗脳によるものだったと判明し、村人たちにもようやく“選択肢”が与えられる時がきた。

 

 その朝、リヴァル村の中心にある大広場では、村の人々が集まり、“服を着るか脱ぐか”をテーマにした異様なほど真面目な集会が開かれていた。

 だが空気は、どこかやわらかく、あたたかい。

 何より──皆、笑っていた。

 

「ははっ、なんだよ……服、着てると肩がこるなぁ!」

「でもこのマントってやつ、ちょっとカッコよくね?」

「ねえ、うちの旦那が初めてズボンはいたの! ほら、見て見て!」

 

 村人たちは、ぎこちなくも嬉しそうに布地を身にまとっていた。

 それはまるで、裸で生まれたばかりの赤ん坊が、初めて世界と触れ合うような──そんな無垢な感動に満ちていた。

 

 そしてその中央に立っていたのは、かつて“永遠の長”と呼ばれていた初老の男──村の長老だった。

 彼は堂々とした全裸姿で演壇に上がると、すっ……とマントを羽織り、ゆっくりと腕を広げる。

 

「……諸君」

 

 威厳たっぷりに、しかしどこか照れくさそうに語る。

 

「服とは……布ではない。意思だ。文化だ。己の心を包む、盾なのだな」

「かつて我々は、その意味を見失っていた。裸になることで、己を誇った」

「だが本当に尊いのは、“選べる”ことだったのだ……!」

 

 村中から、自然と拍手が起こった。

 誰もが真っ裸だった昨日を、否定する者はもういなかった。

 だが、それと同じくらい、服を着ることを“喜び”として捉える空気が村を包んでいた。

 

 ◆

 

 その一方──流星たちは村はずれの小さな丘で、旅支度をしていた。

 全裸信仰騒動を乗り越えた一行は、また次の依頼へと向かう予定だった。

 

 しかし……。

 

「……なあ。誰か、俺に言ってくれ」

「……なにを?」

「なんで俺たち、最後の戦闘“全裸で”やってたんだ?」

 

 流星の問いに、誰も即答できなかった。

 沈黙のあと──

 

「アンタが“煩悩を叫ぶ”とか言い出したからじゃないの?」

「違うわよ! そもそも“全裸が魔力抵抗になる”ってこの村が言い張ったからでしょ!」

「でもあたし、あれでちょっと開放されたかも……♡」

「はぁ!? わたしはまだ心に一生分の傷残ってるわよ!?」

 

 リリアはバチバチに赤面しながら地団駄を踏み、アリシアはそっぽを向いて顔を赤く染める。

 ミレーユはそれを見て半ば呆れ顔、ヴァネッサだけは──にっこりと微笑んでいた。

 

「でも、流星の叫び……ちょっと感動しちゃったよ」

「えっ、マジで?」

「うん。“煩悩は罪じゃない”ってあんたが言ったとき──あたし、ちょっとだけ信じた。あんた、ちゃんと愛を知ってる人だって」

 

 流星がポリポリと頭を掻く。

 

「いや、まあ……ありがとう。ちょっと照れるけど」

「で、次はどこ? また“裸の村”じゃないだろうね」

「たぶん……“全裸温泉村”じゃないと思うけど……いや、次は“全裸強制入浴所”か?」

「もう裸ネタやめてぇぇぇぇ!!」

 

 ◆

 

 その後、村の入り口で、別れを告げる流星たちに村人全員が手を振っていた。

 全員、ちゃんと服を着て。

 だがその顔には、“今ならまた、裸にもなれる”という、余裕と解放の笑顔が浮かんでいた。

 

 村の長老が最後に言った一言が、すべてを象徴していた。

 

「布とは、自由じゃ。着るのも、脱ぐのも、選べることが美しい」

 

 リリアは思わずツッコんだ。

 

「もう……変な言葉ばっかり名言っぽく言わないでよ!」

 

 そして一行は、新たな旅へと歩き出す。

 風はやさしく、空は高く澄んでいた。

 服を着ても──脱いでも、心は自由だと教えてくれたこの村を、胸に抱きながら。
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