異世界風俗❤『異世界転生したら風俗店こそが癒しの最前線だった件~俺は冒険して稼ぎ、全力で愛され、そして搾られる~』

本能寺から始める常陸之介寛浩

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『言葉を持たぬ国と、性別未確定の誘惑』編

第108話『ヒロインたちの叫び──香りより熱く』

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 ──無言の塔が崩れ落ちたその翌日。

 王国の空は、昨日までの沈黙を嘘のように晴れ渡っていた。

 

 だが、物語はまだ終わっていなかった。

 静かに、だが確実に、“言葉の呪縛”の残滓が、空間のあちこちに漂っていた。

 民の間にも、長く沈黙に慣れた“気配”が残っている。

 

 ──伝えたいことがあるのに、声が出ない。

 ──想っているのに、届け方がわからない。

 

 そんな、“封じられた想い”が、この国にはあまりにも多すぎた。

 

 

 ◆

 

「……やっぱり、私たちの出番みたいね」

 

 静かに、しかし凛とした口調でリリアが言った。

 いつものようにぶっきらぼうで、照れ隠しが混じったその声音。

 だがその眼差しには、確かな覚悟があった。

 

 

 流星たちは王都の中央広場に集められていた。

 民たちが見守る中──「言葉を取り戻す儀式」が、公開の場で行われようとしていた。

 

 祭壇の前に立つのは、各地を救ってきた“英雄パーティー”──

 常盤流星、そしてその仲間たち。

 

 だがこの儀式は、ただの魔法や技術によってではなく、

 “心”を込めて、“声”を届けることで初めて完遂するという。

 

「みんなの前で……言葉を、伝えるのよ」

 アリシアが、ふっと笑った。

「勇気が必要だけど。私たち、ずっと逃げてきたわけじゃないもの」

 

 

 ヴァネッサ:「あたしは最初から言ってるけどね。好きなもんは好きって、抱きしめながら叫ぶのが一番だって」

 

 ミレーユ:「……ふふ。言葉って、怖いけど、あたたかいものね」

 

 

 流星は、小さく頷いた。

「……みんな、本当に……ありがとな」

「今日くらいは……俺も、ちゃんと伝えるよ」

 

 

 ◆

 

 式が始まった。

 広場に、少しだけ緊張した空気が流れる。

 空には香の雲がわずかに残っていた。

 言葉を奪い、沈黙を望んだ“無言の王”の残滓──

 

 それを、今から“声”で吹き飛ばす。

 

 最初に立ったのは、リリア。

 

 いつもは強がって、怒鳴って、殴ってくる剣士の少女。

 だが今、彼女の瞳はまっすぐに流星を見つめていた。

 

「……あたしさ」

 

 最初の言葉に、観衆が息をのんだ。

 リリアが言葉を発した、それだけで空気が変わる。

 

「ずっと、分かってた。アンタがいっつも、あたしらの前で“風俗最高!”って叫んでるの見てさ。
 それでも、ちゃんと見てる人には見えるんだよ……誰のこと、大事にしてるかって」

 

 リリアは拳を強く握りしめる。

 その声が、震えていた。

 

「……もう我慢するの、やめる。黙ってたら、伝わらないんだって、やっと分かったから!」

 

「常盤流星! 私はあんたが、好きだ!!」

 

 

 ──風が、吹いた。

 言葉を弾き返していたはずの“香”が、ふわりと宙に舞い、消え去っていく。

 

 次に、アリシアが前へ。

 

「……私も」

 彼女は、少し声を震わせながら、それでも誇り高く背筋を伸ばしていた。

「流星、あなたと出会って、何度も考えたわ。“癒し”って、何なのか。“愛”って、何なのかって」

 

「私はあなたが、風俗を語る時も、戦う時も、同じ目をしてるって知ってる」

「だから──あなたの全部を、受け止めたいって思った」

 

「……言葉で言うわ。私も、あなたが好きよ」

 

 その瞬間、もうひとつの香が空へと還った。

 

 

 続けざまに、ヴァネッサ。

 

「へへ……真面目な空気、嫌いじゃないよ」

 彼女は腕を組み、じっと流星を見ていた。

 

「流星。あたしは最初、アンタの“煩悩”に惚れたんだ」

「でも、今は──アンタの“選び方”に惚れてる」

「アンタの言葉には、力がある。だから、全部、ぶつけていいんだよ。
 愛してるって言えよ。あたしも……アンタを愛してるから!」

 

 

 最後に、ミレーユが前に出た。

 王族でありながら、ずっと控えめで言葉を選んできた少女。

 

「……私は、言葉の重みを知っているつもりだった」

「でも、あなたと出会って、本当の意味で“伝えること”を学んだ気がします」

 

「だから──この言葉を、今は何よりも信じて伝えます」

 

「私も、あなたのことが好きです。……とても、大切な人です」

 

 

 ◆

 

 四人の“本音”が、空を貫いた。

 

 残されていた香の残滓が、一斉に風に流されていく。

 まるで、“香りよりも強いもの”に打たれて消えたように。

 

 そして、広場に集まった民たちも、ひとり、またひとりと、声をあげ始めた。

 

「愛してる!」

「ありがとう!」

「ごめん……!」

 

 ──言葉が、戻ってきたのだ。

 

 流星は、目の前のヒロインたちを見て──静かに、言った。

 

「オレも──おまえたちが、好きだ」

「風俗も好きだ。でもそれは、誰かを癒すためのもので、
 おまえたちは、俺の中の“愛そのもの”なんだ」

 

 

 その瞬間、空が──晴れ渡った。

 雲ひとつない空に、光が差し込んだ。

 

 こうして、“言葉を持たぬ国”は、再び語り始めたのだった。
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