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『言葉を持たぬ国と、性別未確定の誘惑』編
第110話『選べる言葉、選べる愛──そして次の地へ』
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──それは、あまりに穏やかな朝だった。
高原の霧が晴れ、太陽の光がじわじわと村に差し込む。
朝露に濡れた石畳を踏みしめる足音が、やけに遠くに感じられた。
「……本当に、行っちゃうんだね」
村の門の前、王族代表であるナリアが微笑む。
もう彼女の表情に“無言の気配”はなかった。そこには確かな“感情”があった。
流星は、ゆっくりと頷いた。
「まだ……伝えることがある気がするんだ」
「俺たち自身にも、まだ言葉にできてない想いが、あるからさ」
ナリアは小さく笑って、そっと小瓶を渡した。
中には、薄紫色の香り玉が一粒。
「この国で最初に“声”が生まれた場所の香りです」
「もし、心が迷ったら、これを嗅いでください。きっと“始まり”を思い出せます」
◆
一行が村を発つ支度をする中、
リリアは少し離れたところで、黙って荷物を詰めていた。
ふと、その横顔に気づいた流星が声をかける。
「なあ、リリア」
「……なによ」
「ありがとう。あのとき、お前の“言葉”がなかったら……俺、夢の中に囚われてた」
リリアは少しだけ頬を染め、ぶっきらぼうに肩をすくめた。
「ふん……言ってやったのよ。“好き”って」
「……俺も、好きだよ」
「ッ!! い、今さら何言って──!」
「言葉にしなきゃ、伝わらないから」
アリシアも、少し離れたところで微笑んでいた。
ミレーユは小瓶に何かの香りを封じて、流星に差し出す。
「これは私の“ありがとう”よ」
「香りでも言えるけど、やっぱり……言葉で言いたかったの」
「ありがとう、ミレーユ」
そして──最後に、ヴァネッサが豪快に肩を組んでくる。
「言っとくけど、あたしだってお前のこと……すっげー好きだからねッ!」
「……わかってる。でもそれ、もうちょっと柔らかい言い方でも……」
「言葉は自由でしょ? だったら“押し倒す”も愛の一種よ♡」
「自由の濫用やめてぇぇぇぇ!!」
◆
こうして、一行は再び旅に出る。
次なる舞台は──《北の占星風俗街》、
星の力を借りて“運命の愛”を導くという、占術と癒しが融合した神秘の地。
占星術、月の秘儀、そして「未来の恋人を導く星の香り」──
旅の新たな誘惑と、運命の出会いが、彼らを待っていた。
馬車に揺られる中、流星は空を見上げる。
穏やかに流れる雲の隙間から、北の空に浮かぶ星座が一つ──輝きを放っていた。
「言葉も、香りも、手を繋ぐのも……ぜんぶ伝える方法なんだな」
「だったら、全部使ってでも、ちゃんと“好き”って言える自分でいたい」
それが、流星の今の“願い”だった。
──この世界に、“本当に伝わる愛”があることを信じて。
高原の霧が晴れ、太陽の光がじわじわと村に差し込む。
朝露に濡れた石畳を踏みしめる足音が、やけに遠くに感じられた。
「……本当に、行っちゃうんだね」
村の門の前、王族代表であるナリアが微笑む。
もう彼女の表情に“無言の気配”はなかった。そこには確かな“感情”があった。
流星は、ゆっくりと頷いた。
「まだ……伝えることがある気がするんだ」
「俺たち自身にも、まだ言葉にできてない想いが、あるからさ」
ナリアは小さく笑って、そっと小瓶を渡した。
中には、薄紫色の香り玉が一粒。
「この国で最初に“声”が生まれた場所の香りです」
「もし、心が迷ったら、これを嗅いでください。きっと“始まり”を思い出せます」
◆
一行が村を発つ支度をする中、
リリアは少し離れたところで、黙って荷物を詰めていた。
ふと、その横顔に気づいた流星が声をかける。
「なあ、リリア」
「……なによ」
「ありがとう。あのとき、お前の“言葉”がなかったら……俺、夢の中に囚われてた」
リリアは少しだけ頬を染め、ぶっきらぼうに肩をすくめた。
「ふん……言ってやったのよ。“好き”って」
「……俺も、好きだよ」
「ッ!! い、今さら何言って──!」
「言葉にしなきゃ、伝わらないから」
アリシアも、少し離れたところで微笑んでいた。
ミレーユは小瓶に何かの香りを封じて、流星に差し出す。
「これは私の“ありがとう”よ」
「香りでも言えるけど、やっぱり……言葉で言いたかったの」
「ありがとう、ミレーユ」
そして──最後に、ヴァネッサが豪快に肩を組んでくる。
「言っとくけど、あたしだってお前のこと……すっげー好きだからねッ!」
「……わかってる。でもそれ、もうちょっと柔らかい言い方でも……」
「言葉は自由でしょ? だったら“押し倒す”も愛の一種よ♡」
「自由の濫用やめてぇぇぇぇ!!」
◆
こうして、一行は再び旅に出る。
次なる舞台は──《北の占星風俗街》、
星の力を借りて“運命の愛”を導くという、占術と癒しが融合した神秘の地。
占星術、月の秘儀、そして「未来の恋人を導く星の香り」──
旅の新たな誘惑と、運命の出会いが、彼らを待っていた。
馬車に揺られる中、流星は空を見上げる。
穏やかに流れる雲の隙間から、北の空に浮かぶ星座が一つ──輝きを放っていた。
「言葉も、香りも、手を繋ぐのも……ぜんぶ伝える方法なんだな」
「だったら、全部使ってでも、ちゃんと“好き”って言える自分でいたい」
それが、流星の今の“願い”だった。
──この世界に、“本当に伝わる愛”があることを信じて。
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