異世界風俗❤『異世界転生したら風俗店こそが癒しの最前線だった件~俺は冒険して稼ぎ、全力で愛され、そして搾られる~』

本能寺から始める常陸之介寛浩

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《星に導かれし夜、運命と風俗の交錯編》

第114話『星読みと恋文──アリシア、封印を開く』

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 その夜、ステラリアの星が──微かに濁っていた。

 

 風は静かに、香草の香りを運び、空は晴れているというのに、
 天文塔に掲げられた魔法星盤の輝きは、まるで“誰かが嘘をついている”ような光を放っていた。

 

「──この本……おかしいわ」

 

 アリシアが手にしたのは、ステラリアに古くから伝わる星巫術の教本。

 厳重に封印され、読み解くには高度な占星術知識と魔力制御が必要とされる。

 

 表紙には金の星紋が刻まれ、触れただけで指先が微かに痺れる。

 

「これは、禁術……」

 

 アリシアは呼吸を整え、慎重にページを開いた。

 そこに記されていたのは──

 

 “かつて、この地の星読みたちは、“未来を視る”ことで人の選択肢を奪い、
 “最良の幸福”とされる選択肢へ、個人を強制誘導した”

 

 “星が導く幸福は、すべての人にとって本当に“幸せ”だったのか──その答えを誰も知らない”

 

 

 ◆

 

「運命の強制……かつての巫女たちは、それを“優しさ”と呼んだのね」

 

 アリシアの手が震えていた。

 

「だが──私の兄は、“それ”に破滅させられた」

 

 誰にも言ってこなかった過去。
 口を開けば壊れてしまいそうで、ずっと胸の奥にしまっていた記憶。

 

「兄は、占いを信じたの。“あなたと出会う運命の女性は、ここにいる”って」

 

「その星図を信じて……彼は、その女性以外を見なくなった。
 他のものを切り捨てて、愛を追い、そして──裏切られた」

 

 

 流星は、黙って聞いていた。

 

 その言葉のひとつひとつが、胸に刺さる。

 

「だから私は、“運命なんかにすがるな”って思ってたのに──
 気づけば、同じものを調べてる。知りたくて、抗いたくて……」

 

 アリシアの目に、涙がにじむ。

 

「ねえ流星……あなたは、“運命”を信じる?」

 

 

 ──答えは、すぐに返ってきた。

 

「信じねぇよ。俺が信じるのは、“選ぶ”ことだ」

 

「信じたくない未来もある。見たくない過去もある。でも──俺が決める。
 誰が好きかも、誰と生きたいかも、風俗に行くかどうかも」

 

「運命がなんだよ。俺が選んで、後悔して、また選び直せばいいだろ」

 

 

 ◆

 

 アリシアは、目を伏せて、そっと笑った。

 

「……それを聞いて、安心した」

 

「私、流星の星図……見たの。
 あのとき“全員との相性が一位”って言われた時──あれ、嘘じゃない。
 でもね、“誰かひとりを傷つけずに選ぶ”って運命は、存在しなかった」

 

 流星は黙って頷く。

「知ってた」

 

「だからこそ、考え続けなきゃいけないんだよな。ずっと、何度でも」

 

 

 ◆

 

 その頃、ステラリアの別館では──

 

 星巫女たちの中に、少しずつ“異変”が出始めていた。

 

「……また、夜の観測中に、巫女が昏倒したそうです」

「彼女たちの星図は乱れている……感情が麻痺し、未来への感応が鈍っている」

 

 星詠みの補助巫女が、アストレアにそう報告する。

 

 アストレアの目が細まる。

 

「これは……“星の導き”ではありません。何者かが、星に干渉している」

 

「巫女たちの未来が、誰かに“書き換えられている”のよ」

 

 

 ◆

 

 ──夜更け。

 

 流星はアリシアとともに天文塔のバルコニーに立ち、星空を見上げていた。

 

 沈黙の中、アリシアがポツリと呟く。

 

「……ねえ流星」

「もし星が“私たち、結ばれない”って言ったら……それでも、私を選んでくれる?」

 

 その横顔は、真剣で、少しだけ怖そうだった。

 

 流星は、夜風に吹かれながら、真っ直ぐに彼女の目を見て言った。

 

「星がどう言おうと、俺が選ぶのは──俺の気持ちだ」

 

 アリシアの目が揺れて、そして、そっと笑った。

 

「……やっぱり、ずるい男ね」

 

 だがその笑顔の奥には、少しだけ希望が灯っていた。

 

 ──夜空は、少しだけ明るくなった気がした。

 

 だがその下で、歪み始めた星の影が、静かに動き始めていた。
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