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《欲望の女王と、快楽の均衡戦線(バランス・オブ・デザイア)》
閑話『主人公、相変わらず風俗へ行く』
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革命は終わった。
国家は変わり、人々は癒しを選べるようになった。
女王は民の一人へと戻り、快楽の支配は幕を閉じた。
──だが、それでも。
この男は、変わらなかった。
「はい、今日も元気に“癒し巡礼”いってきまーす!」
バンッ、とギルド仮宿の扉を開け、笑顔で出ていく男、常盤流星。
「待てぇい!!」
その後ろから、案の定、追いかけてくるリリアの怒号。
「まだ身体治りきってないだろうがァッ!? あんた昨日、エイリーンに“革命ありがとうハグ”されて腰抜けてたんだぞッ!?」
「それはそれ、これはこれ。今日は“膝枕特化型ねむねむ喫茶・星うさぎ支店”がグランドオープンなんだよ!! 癒しを選べる時代に生まれたことに感謝しないと!」
「もはや“風俗と革命のハイブリッド勇者”だな、あんた……」
呆れるリリアを尻目に、流星はスタスタと歩いていく。
そこには一切の後ろめたさも、恥じらいもなかった。
「見てろよ……俺がこの手で、この国の“ととのいGDP”を底上げしてやる……!」
「それぜんぶ自分が気持ちよくなりたいだけでしょ!?」
*
その日の目的地は、ヴァルセイリア旧市街にある路地裏の癒し屋台──
《耳そうじとお茶“よるみみ亭”》
「いらっしゃいませ~♡ 本日は“甘やかし耳掃除”コースと、“静かに寄り添うだけ”コースがありますが、どうなさいますか?」
「両方ください!! 全力で両方!!」
「さすが……通ですね♡」
──耳元で小声でそう言われた時点で、ととのった。
「……うわぁ……しゅごい……人ってこんなに癒されて良いんだ……」
「それが“自分で選んだ癒し”ですよぉ♡」
──涙が出た。
「これが……自由……!」
「お耳の汚れも心の疲れも、いっしょに取れちゃいますね♡」
──ちなみにこの“癒し”の最中、外ではアリシアとヴァネッサが待機中だった。
「……10分経過」
「……そろそろ“おしぼりで感涙”のタイミングね」
「なんで分かるのよ」
「この男、癒しに触れると“過去の亡きペット”とか思い出し始めるタイプだから」
「もう救いようがないな」
*
30分後。
完全に“ととのった”状態で路地を戻ってくる流星。
「いやー最高だった! 左耳から背骨にかけて波紋が走るってこういうことか……!」
「はいはい、お帰りなさい煩悩くん。これで何軒目?」
「今日だけで4軒目だ!」
「誇るな!!」
「でもな、聞いてくれよ……今日、耳掃除してくれた娘がさ……“また来てくださいね”って言ってくれたんだよ」
「それ店のテンプレ接客だからな?」
「でも、俺はその“また”の一言で生きていけるんだ……!」
「もうダメだこいつ……」
*
その夜、宿に帰ったあと。
リリアたちは静かに会議を開いた。
「……真面目に、“流星の癒し制限条例”を施行した方がいいんじゃない?」
「でも、癒されてる流星って、ちょっとだけ真面目にならない?」
「たしかに。暴走はしなくなるけど、“本気で通い詰める”からな……」
「ていうか今日、“俺は風俗と国家を救った勇者だ”って言ってたぞ?」
「うわぁ……名乗り方、最悪だ……」
──彼の旅は、まだ続く。
癒しを求めて。快楽を選び、煩悩を讃え、
そして明日もまた、新たな癒しの一軒へと向かうだろう。
なぜなら――
それが、彼という勇者の、揺るがぬ生き方なのだから。
国家は変わり、人々は癒しを選べるようになった。
女王は民の一人へと戻り、快楽の支配は幕を閉じた。
──だが、それでも。
この男は、変わらなかった。
「はい、今日も元気に“癒し巡礼”いってきまーす!」
バンッ、とギルド仮宿の扉を開け、笑顔で出ていく男、常盤流星。
「待てぇい!!」
その後ろから、案の定、追いかけてくるリリアの怒号。
「まだ身体治りきってないだろうがァッ!? あんた昨日、エイリーンに“革命ありがとうハグ”されて腰抜けてたんだぞッ!?」
「それはそれ、これはこれ。今日は“膝枕特化型ねむねむ喫茶・星うさぎ支店”がグランドオープンなんだよ!! 癒しを選べる時代に生まれたことに感謝しないと!」
「もはや“風俗と革命のハイブリッド勇者”だな、あんた……」
呆れるリリアを尻目に、流星はスタスタと歩いていく。
そこには一切の後ろめたさも、恥じらいもなかった。
「見てろよ……俺がこの手で、この国の“ととのいGDP”を底上げしてやる……!」
「それぜんぶ自分が気持ちよくなりたいだけでしょ!?」
*
その日の目的地は、ヴァルセイリア旧市街にある路地裏の癒し屋台──
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「両方ください!! 全力で両方!!」
「さすが……通ですね♡」
──耳元で小声でそう言われた時点で、ととのった。
「……うわぁ……しゅごい……人ってこんなに癒されて良いんだ……」
「それが“自分で選んだ癒し”ですよぉ♡」
──涙が出た。
「これが……自由……!」
「お耳の汚れも心の疲れも、いっしょに取れちゃいますね♡」
──ちなみにこの“癒し”の最中、外ではアリシアとヴァネッサが待機中だった。
「……10分経過」
「……そろそろ“おしぼりで感涙”のタイミングね」
「なんで分かるのよ」
「この男、癒しに触れると“過去の亡きペット”とか思い出し始めるタイプだから」
「もう救いようがないな」
*
30分後。
完全に“ととのった”状態で路地を戻ってくる流星。
「いやー最高だった! 左耳から背骨にかけて波紋が走るってこういうことか……!」
「はいはい、お帰りなさい煩悩くん。これで何軒目?」
「今日だけで4軒目だ!」
「誇るな!!」
「でもな、聞いてくれよ……今日、耳掃除してくれた娘がさ……“また来てくださいね”って言ってくれたんだよ」
「それ店のテンプレ接客だからな?」
「でも、俺はその“また”の一言で生きていけるんだ……!」
「もうダメだこいつ……」
*
その夜、宿に帰ったあと。
リリアたちは静かに会議を開いた。
「……真面目に、“流星の癒し制限条例”を施行した方がいいんじゃない?」
「でも、癒されてる流星って、ちょっとだけ真面目にならない?」
「たしかに。暴走はしなくなるけど、“本気で通い詰める”からな……」
「ていうか今日、“俺は風俗と国家を救った勇者だ”って言ってたぞ?」
「うわぁ……名乗り方、最悪だ……」
──彼の旅は、まだ続く。
癒しを求めて。快楽を選び、煩悩を讃え、
そして明日もまた、新たな癒しの一軒へと向かうだろう。
なぜなら――
それが、彼という勇者の、揺るがぬ生き方なのだから。
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