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《楽園の夢と、風俗の彼方へ》 ――「癒し」が罪とされた楽園に、風俗勇者が踏み込む時
閑話『主人公、相変わらず風俗へ行く』
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あの空中都市が癒しの風で羽ばたき、感情の翼を取り戻した夜。
市民たちは泣き、笑い、抱き合い、ついには香を焚いて「おやすみ」を交わすようになった。
──そして、その翌日。
「じゃ、ちょっと行ってくるわ」
「待てぇぇぇぇい!!!!」
リリアの怒号が、宿舎の天井を揺らした。
「てめぇ、今、“癒しの象徴”とか“救国の施術モデル”とか言われてんだろうが! どの口が“風俗行ってくる”とか言うのか!!」
「いやいや、だからこそ行くんだよ。癒しの原点回帰ってやつ。義務教育みたいなもんだよ」
「何のだよ!!!?」
流星は、無駄に清潔な身支度を済ませ、
手には“癒し屋台通行証”、腰には“施術者への感謝札”を携え、
完全なる“ととのい探求モード”で出撃したのであった。
*
【第1軒目】《泡と耳と綿雲と》
「いらっしゃいませ~♡ 本日は“無言で膝枕耳かき”と“ささやきプチ説教付き”が選べます~♡」
「……ああ……やっぱ文明ってこれだよな……」
選んだのは“ささやき説教付き”。
「今日も頑張ったね。でも少し甘えたでしょ? その分、ゆっくりととのってくださいね……♡」
「あっ、はい……ごめんなさい……うれしい……(涙)」
──ととのいレベル:★★★☆☆(涙腺型)
*
【第2軒目】《湯けむりフェザー抱き枕店・出張支店》
「あなたのことを“必要”って言ってくれる抱き枕、いかがですか?」
「怖いよこの国……!」
とんでもない販促文句だが、
試した流星は床に沈んで動かなくなった。
「“好き”って言われるだけで、こんなにととのうなんて……」
──ととのいレベル:★★★★☆(精神浸透型)
*
【第3軒目】《うつぶせ専門・背中をなでるだけの部屋》
なにも話さず、なにも見せず、
ただ、うつぶせになって背中を撫でられる30分。
「これが……何も持たない人間に与えられる“許し”……」
──ととのいレベル:★★★★★(幼少回帰型)
*
数時間後。
夕暮れどき、クタクタになった流星は、
風俗街の公園ベンチで小さく腰を下ろしていた。
「……これが、俺の“戦後”ってやつだな……」
遠くでは、施術を終えた市民たちが笑いながら帰っていく。
「ありがと~、また来ますね~」
「うちの子、泣いたの久々なんですよ~、ありがとうございました」
香る風が心地よくて、流星はうとうとしていた。
──とそのとき。
背後からスッと人影が立つ。
「……何軒回った?」
振り向くと、そこにはリリア。腕組み。鬼の形相。
「……たったの7軒です」
「ダメです。今日は10軒目指すって言ってただろ」
「えっ!? むしろ肯定されてる!? なんで!?」
リリアは顔を赤らめて咳払いした。
「……都市の感情安定化には、お前みたいな“常にととのってるバカ”が必要なの。
だから、ほら、次。案内するから」
「えっ……エスコート風俗……?」
「違う! 違うけど! 今日だけ! 私が! 監督するだけ!!」
結局、追加で2軒回り、
流星はととのい過ぎて半透明になりかけたところで宿に帰された。
*
夜。
流星の枕元には、小さな香札が置かれていた。
《本日はご来店、誠にありがとうございました。
あなたが誰かのために歩いていること、私たちは知っています。
たまには、自分の心も撫でてあげてくださいね。》
流星は、にやけながら目を閉じた。
「……俺はきっと、癒されるために生きてるな……」
「それ、“世界を救った男”のセリフか……?」
──明日も、彼はととのう。
市民たちは泣き、笑い、抱き合い、ついには香を焚いて「おやすみ」を交わすようになった。
──そして、その翌日。
「じゃ、ちょっと行ってくるわ」
「待てぇぇぇぇい!!!!」
リリアの怒号が、宿舎の天井を揺らした。
「てめぇ、今、“癒しの象徴”とか“救国の施術モデル”とか言われてんだろうが! どの口が“風俗行ってくる”とか言うのか!!」
「いやいや、だからこそ行くんだよ。癒しの原点回帰ってやつ。義務教育みたいなもんだよ」
「何のだよ!!!?」
流星は、無駄に清潔な身支度を済ませ、
手には“癒し屋台通行証”、腰には“施術者への感謝札”を携え、
完全なる“ととのい探求モード”で出撃したのであった。
*
【第1軒目】《泡と耳と綿雲と》
「いらっしゃいませ~♡ 本日は“無言で膝枕耳かき”と“ささやきプチ説教付き”が選べます~♡」
「……ああ……やっぱ文明ってこれだよな……」
選んだのは“ささやき説教付き”。
「今日も頑張ったね。でも少し甘えたでしょ? その分、ゆっくりととのってくださいね……♡」
「あっ、はい……ごめんなさい……うれしい……(涙)」
──ととのいレベル:★★★☆☆(涙腺型)
*
【第2軒目】《湯けむりフェザー抱き枕店・出張支店》
「あなたのことを“必要”って言ってくれる抱き枕、いかがですか?」
「怖いよこの国……!」
とんでもない販促文句だが、
試した流星は床に沈んで動かなくなった。
「“好き”って言われるだけで、こんなにととのうなんて……」
──ととのいレベル:★★★★☆(精神浸透型)
*
【第3軒目】《うつぶせ専門・背中をなでるだけの部屋》
なにも話さず、なにも見せず、
ただ、うつぶせになって背中を撫でられる30分。
「これが……何も持たない人間に与えられる“許し”……」
──ととのいレベル:★★★★★(幼少回帰型)
*
数時間後。
夕暮れどき、クタクタになった流星は、
風俗街の公園ベンチで小さく腰を下ろしていた。
「……これが、俺の“戦後”ってやつだな……」
遠くでは、施術を終えた市民たちが笑いながら帰っていく。
「ありがと~、また来ますね~」
「うちの子、泣いたの久々なんですよ~、ありがとうございました」
香る風が心地よくて、流星はうとうとしていた。
──とそのとき。
背後からスッと人影が立つ。
「……何軒回った?」
振り向くと、そこにはリリア。腕組み。鬼の形相。
「……たったの7軒です」
「ダメです。今日は10軒目指すって言ってただろ」
「えっ!? むしろ肯定されてる!? なんで!?」
リリアは顔を赤らめて咳払いした。
「……都市の感情安定化には、お前みたいな“常にととのってるバカ”が必要なの。
だから、ほら、次。案内するから」
「えっ……エスコート風俗……?」
「違う! 違うけど! 今日だけ! 私が! 監督するだけ!!」
結局、追加で2軒回り、
流星はととのい過ぎて半透明になりかけたところで宿に帰された。
*
夜。
流星の枕元には、小さな香札が置かれていた。
《本日はご来店、誠にありがとうございました。
あなたが誰かのために歩いていること、私たちは知っています。
たまには、自分の心も撫でてあげてくださいね。》
流星は、にやけながら目を閉じた。
「……俺はきっと、癒されるために生きてるな……」
「それ、“世界を救った男”のセリフか……?」
──明日も、彼はととのう。
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