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《愛される音精は、誰の指名を受けるのか?──共鳴風俗《フォノ・セレステ》選定戦!》
第185話『愛され指名率トップ争奪戦──快楽施術レビュー祭』
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──“ふれない快楽”は、いまや“指名される快楽”へと変わった。
合法化された《共鳴風俗フォノ・セレステ》。
その初営業日の夜、施設の音晶板は、一つの“香り”を放っていた。
それは、施術を受けた者たちの、**「レビューの音」**だった。
*
《共鳴記録室》。
施術終了後、客が自らの“共鳴の記憶”を“旋律”として登録できる空間。
そこに残される感想は、言葉ではなく“音”で綴られる。
しかし、来場者には**翻訳端末“コトバノハ”**が貸し出されており、
それらの音を「レビュー文」に変換して読むことができた。
──そして、その内容が、バズった。
『【★★★★★】ふれられてないのに、膝が抜けた』
「音の圧だけで“抱きしめられてる感”がヤバい。なんか無償の包容力ってこういうこと? 泣いた」
『【★★★★★】鼓動が勝手に共鳴した』
「最初はただ静かだったのに、途中から自分の心拍が音に溶けていく感じ。やばい、これもう恋」
『【★★★★★】恋人未満最高』
「告白もされてない、名前も呼ばれてない、でも“お前の音を聴いていたい”って言われてる気がする。幸福感だけで昇天」
施設中の記録板が“満席レビュー旋律”で埋まっていった。
流星は控室の観測室で、レビューパネルを見ながら軽く吹き出していた。
「“ふれないのにイッた(心が)”って……レビュータイトルにしていいのか、これ」
アリシアも肩をすくめながら頷く。
「合法認可施設とはいえ……風俗レビューとしての完成度、異常に高いわね。
“押し倒しゼロ・脳内爆発率100%”とか、どんな癒しワードよ」
「でもそれってさ──」
ミレーユが真顔で言った。
「──もう、“癒し”じゃねぇよな。“快楽”だよ。
“言葉と肉体を使わないだけで、やってることは風俗の本質ど真ん中”じゃねぇか?」
その言葉に、場が少し静まる。
リリアが慎重に言葉を選ぶ。
「……でも、それを“悪”って言い切れるの?」
「ふれないけど、
ふれてほしい気持ちが満たされた。
名前を呼ばれなかったけど、
“存在”が肯定された気がした」
「そうやって心が救われた人がいるなら──
“風俗的快楽”って、恥じることじゃないと思う」
*
だが、その頃――
《音精律議会・旧派サロン》
「……堕落だ」
一人の長老が静かに吐いた。
「音とは、祈りであり、森と心の交信であったはず。
それを“指名制度”に堕とし、“快楽レビュー”にさらすなど、
もはや“巫女”ではなく“商人”だ」
「“恋人未満最高”……?
“泣ける風俗嬢”?
笑止千万」
「これは、“音”の名を借りた情欲の儀式だ」
厳格派たちはルセナの人気上昇を“風俗化”と見なし、
「次期巫女候補から除外すべき」との提案を協議に提出。
その議題の名は――
『ルセナは巫女にふさわしいか?──音の純度と恋の危険性』
*
翌朝。
ルセナは、初日の“施術レビュー一覧”を見ながら静かに揺れていた。
彼女の共鳴数は施設全体の87%。
レビュー総数第1位。
指名再来希望率98.4%。
だがその一方で、
“巫女としての純粋性”を疑問視する声も上がってきていた。
ルセナの胸の音晶が微かに揺れた。
──“これは……私の音じゃないの……?”
(“愛されること”と、“癒すこと”は、同じじゃないの……?)
流星はそっと近づき、彼女の音板を握った。
「ルセナ。
全部“音のまま”でいい。
伝えられないなら、伝えなくていい。
でも、“お前の音”が、
誰かの鼓動をふるわせてたってことは──
それだけは、忘れるな」
ルセナの音晶が、ほのかに“泣き音”を立てた。
合法化された《共鳴風俗フォノ・セレステ》。
その初営業日の夜、施設の音晶板は、一つの“香り”を放っていた。
それは、施術を受けた者たちの、**「レビューの音」**だった。
*
《共鳴記録室》。
施術終了後、客が自らの“共鳴の記憶”を“旋律”として登録できる空間。
そこに残される感想は、言葉ではなく“音”で綴られる。
しかし、来場者には**翻訳端末“コトバノハ”**が貸し出されており、
それらの音を「レビュー文」に変換して読むことができた。
──そして、その内容が、バズった。
『【★★★★★】ふれられてないのに、膝が抜けた』
「音の圧だけで“抱きしめられてる感”がヤバい。なんか無償の包容力ってこういうこと? 泣いた」
『【★★★★★】鼓動が勝手に共鳴した』
「最初はただ静かだったのに、途中から自分の心拍が音に溶けていく感じ。やばい、これもう恋」
『【★★★★★】恋人未満最高』
「告白もされてない、名前も呼ばれてない、でも“お前の音を聴いていたい”って言われてる気がする。幸福感だけで昇天」
施設中の記録板が“満席レビュー旋律”で埋まっていった。
流星は控室の観測室で、レビューパネルを見ながら軽く吹き出していた。
「“ふれないのにイッた(心が)”って……レビュータイトルにしていいのか、これ」
アリシアも肩をすくめながら頷く。
「合法認可施設とはいえ……風俗レビューとしての完成度、異常に高いわね。
“押し倒しゼロ・脳内爆発率100%”とか、どんな癒しワードよ」
「でもそれってさ──」
ミレーユが真顔で言った。
「──もう、“癒し”じゃねぇよな。“快楽”だよ。
“言葉と肉体を使わないだけで、やってることは風俗の本質ど真ん中”じゃねぇか?」
その言葉に、場が少し静まる。
リリアが慎重に言葉を選ぶ。
「……でも、それを“悪”って言い切れるの?」
「ふれないけど、
ふれてほしい気持ちが満たされた。
名前を呼ばれなかったけど、
“存在”が肯定された気がした」
「そうやって心が救われた人がいるなら──
“風俗的快楽”って、恥じることじゃないと思う」
*
だが、その頃――
《音精律議会・旧派サロン》
「……堕落だ」
一人の長老が静かに吐いた。
「音とは、祈りであり、森と心の交信であったはず。
それを“指名制度”に堕とし、“快楽レビュー”にさらすなど、
もはや“巫女”ではなく“商人”だ」
「“恋人未満最高”……?
“泣ける風俗嬢”?
笑止千万」
「これは、“音”の名を借りた情欲の儀式だ」
厳格派たちはルセナの人気上昇を“風俗化”と見なし、
「次期巫女候補から除外すべき」との提案を協議に提出。
その議題の名は――
『ルセナは巫女にふさわしいか?──音の純度と恋の危険性』
*
翌朝。
ルセナは、初日の“施術レビュー一覧”を見ながら静かに揺れていた。
彼女の共鳴数は施設全体の87%。
レビュー総数第1位。
指名再来希望率98.4%。
だがその一方で、
“巫女としての純粋性”を疑問視する声も上がってきていた。
ルセナの胸の音晶が微かに揺れた。
──“これは……私の音じゃないの……?”
(“愛されること”と、“癒すこと”は、同じじゃないの……?)
流星はそっと近づき、彼女の音板を握った。
「ルセナ。
全部“音のまま”でいい。
伝えられないなら、伝えなくていい。
でも、“お前の音”が、
誰かの鼓動をふるわせてたってことは──
それだけは、忘れるな」
ルセナの音晶が、ほのかに“泣き音”を立てた。
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