『おしっこパニックで恋が始まる!?』

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第120話『暴走エミリ、パンツ選抜大会!』

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「みなさん!!」

 エミリ・セレスタは、
 キラキラした目で振り返った。

 その手には──

 なぜか両手いっぱいの下着が握られていた。

「せっかくなので!」

「皆さまに似合うパンツを、わたくしがセレクトいたします!!」

「やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 ハルカ、ミキ、ナナ、ユイ──

 全員が同時に絶叫した。

(ま、また新しい地獄が始まったぁぁぁぁ!!)

 心の中で叫びながら、
 ハルカは必死で後ずさった。

 しかし、エミリはノンストップだった。

「まずは──」

「ミキさんには、こちら!」

 パッと差し出されたのは、
 真っ赤なレースとリボンがふんだんにあしらわれた、
 超大胆なセクシーランジェリーセットだった。

「お、おおおおぉぉぉぉぉい!!」

 ミキ、顔真っ赤。

「ちょ、ちょっと待てぇぇぇぇ!!」

「こんな! こんな情熱的すぎるの、絶対無理だからな!!」

「いえ!」

「ミキさんの元気でパッションなイメージには、これがぴったりです!!」

 エミリ、超ドヤ顔。

(間違ってはいない……けど!!)

(でも違うぅぅぅぅぅ!!!)

 ハルカは、
 全力で内心ツッコミを入れていた。

 ***

「では次に──」

「ナナさん!」

 次のターゲットに選ばれたナナは、
 目を見開いた。

 エミリが差し出したのは──

 黒のシースルーに、
 ゴールドの刺繍が入った、
 超エレガントかつ際どいデザインだった。

「ぎゃああああああ!!」

 ナナ、悲鳴。

「無理無理無理!!」

「エミリ、私にこんなの似合うわけないからぁぁぁぁ!!」

「いえ!」

「ナナさんのクールビューティーな雰囲気には、これしかありません!!」

 またもやドヤ顔。

(な、なんて強引な説得力……!)

 ハルカは震えた。

 ナナは顔を覆い、
 膝から崩れ落ちた。

「……もう、恥ずかしくて生きていけない……」

「生きろ!!」

 ミキが肩を揺さぶりながら叫ぶ。

(……いや、生きるのつらいよね、これ……)

 ハルカも、ひそかに同情した。

 ***

「さて──最後はハルカさん!」

 エミリの視線が、
 ビシィッとハルカに向けられた。

(こ、こっち来たぁぁぁぁぁぁ!!)

 ハルカは、
 じりじりと後退りした。

 しかし、エミリは容赦なかった。

「ハルカさんには──こちらです!」

 ずいっと差し出されたのは──

 透けるようなホワイトシースルー生地に、
 小さなサテンのリボンがちょこんとあしらわれた、
 ──限界ギリギリな、可憐すぎるデザインの下着だった。

「わああああああああああ!!」

 ハルカ、顔真っ赤爆発。

 耳まで真っ赤。
 むしろ湯気が出ていた。

「む、むりむりむりむりむりぃぃぃぃぃ!!!」

「えっ、なぜです!?」

「とても可憐で、ハルカさんにぴったりですよ!!」

「そ、そんな問題じゃないの!!」

 ハルカは全力で手を振った。

(これを! この場で! 持たされるとか!!)

(恥ずかしすぎて死ぬぅぅぅぅぅ!!)

 必死で拒否するハルカに、
 エミリは困った顔で首を傾げる。

「文化交流とは──勇気から始まるのではないでしょうか?」

「始めたくないその交流ぉぉぉぉぉぉ!!」

 周囲から爆笑が巻き起こった。

 ミキもナナもユイも、
 もう笑いすぎて腹筋が崩壊しかけていた。

「ハルカ、受け取れよ!」

「日本の未来のために!」

「文化の架け橋になれぇぇぇぇ!!」

 煽りまくるミキたち。

(絶対無理ぃぃぃぃぃぃ!!!)

 ハルカは、顔から火を噴きそうになりながら、
 逃げるようにエミリの手から離れた。

 しかし──

 エミリは、
 下着をそっと畳み、
 ハルカに微笑みかけた。

「──いつか、挑戦したくなったら」

「そのときは、私と一緒に!」

「──っ!!」

 ハルカは、
 言葉を詰まらせた。

 ドタバタで、バカみたいで、
 めちゃくちゃ恥ずかしかったけど──

 エミリのその笑顔は、
 とびきり、まぶしかった。

(……バカだなぁ……)

(でも、なんか……悪くないかも)

 ハルカは、
 顔を真っ赤にしながら、
 そっと微笑み返した。

 ***

 こうして。

 エミリの暴走パンツ選抜大会は、
 無事──なのかどうかわからないけれど──

 笑いと恥ずかしさの中、幕を下ろした。

 だが、
 物語はまだまだ終わらない。

 次なるカオスが、
 彼女たちを待ち受けていた──!

(続く)
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