前代未聞のトイレ異世界転移ファンタジー～うちのトイレは異次元でした。街中は勘弁してください。いや、そこもちょっと！～

第92話：雷雨中止の夏祭りと寂しい便器

俺、佐藤太一、18歳。

この呪われたトイレに振り回される生活、もう慣れっこだけど毎回予想外だ。

昨日は異世界の謀反で怖すぎて心がボロボロになったし、もう怖すぎる場所はマジで勘弁って思ってた。

明るく楽しい場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を雷雨にぶち込んでくる。  

トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。  

「うおっ、夏祭り!?」  

目の前には、夏祭り会場。

でも、雷雨で中止になって誰もいねえ。

雷が「ゴロゴロ！」と鳴り響き、雨が「ザーザー！」と地面を叩いてる。

提灯が「ユラユラ」と風に揺れ、屋台のシートが「バタバタ」とはためいてる。

遠くで稲妻が「ピカッ！」と光り、水たまりが「チャプチャプ」と波打ってる。

で、俺はいつものように便器ごと、その寂しい会場のど真ん中にポツンと出現。 
 
「いや、マジかよ……雷雨で中止の夏祭りでトイレって、楽しいどころか寂しすぎだろ！」  

すぐ横では、提灯が「ギシギシ」と軋んでて、雨が「ドドド！」と屋台に当たってる。

距離、何もない空間しかねえ。

濡れた土と風の匂いが鼻にガンガンくる。

この静かな場所で座ってるだけで、心臓がバクバクだ。

Tシャツが汗と雨でビショビショで、場違い感がやばい。  

「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。

でもこの近さ、雷の「ドーン！」って爆音や、雨の「ザーッ！」って降る音が耳にガンガン入ってくるんだぞ！

会場の空気が冷たくて寂しくて、便器が濡れた地面にドカッと浮いてるのが気まずい。

こんな場面で用を足すとか、羞恥心が中止になった祭りより重い。

寂しすぎて、心が緊張で締め付けられてる。  

腹が限界だ。

時間がない。

こんな場所でミッションとか、心が静けさと羞恥で爆発しそう。

雷が「バリバリ！」と落ちる中、俺は必死に腹に力を入れる。  

「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ！」  

その時、風が「ビュウウ！」って吹いて、提灯が「ガシャン！」と落ちてきた。

やばい、壊れる!?

俺は慌てて息を止めて固まる。

でも提灯、俺をスルーして「ドサッ」と地面に転がっただけだった。

見えてねえよな……よな？

でもその瞬間、雨が「バシャッ！」と便器に直撃して、「うっ！」って声が出そうになったけど、汗だくで堪えた。  

雷雨の騒音に紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。

誰もいねえけど、雷が「ゴロッ」と反応した気がした。

やばい、自然にバレる!?  

ぷすっ。  

「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」  

光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。

換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に現実に戻してくる。

全身汗だくで、心がまだ雷雨の寂しさで震えてる。

息を整えながら、俺は呟いた。  

「雷雨で中止の夏祭りって……寂しい会場の前でトイレとか、心が崩れるだろ……」  

考えてみれば、誰もいねえから気づくも何もねえよな？

でも、あの静けさの中でやった事実は消えねえ。

俺のメンタル、もう濡れた提灯みたいにグシャグシャだよ。
  
「ったく、次はどこだよ……もう寂しすぎるとこはマジで勘弁してくれ」
  
腹痛の原因は忘れたけど、当分食う気しねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。

でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。