前代未聞のトイレ異世界転移ファンタジー~うちのトイレは異次元でした。街中は勘弁してください。いや、そこもちょっと!~

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第93話:最高裁の死刑判決と厳粛な便器

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俺、佐藤太一、18歳。

この呪われたトイレに振り回される生活、もう慣れっこだけど毎回予想外だ。

昨日は雷雨で中止の夏祭りで寂しすぎて心がグシャグシャになったし、もう寂しすぎる場所はマジで勘弁って思ってた。

賑やかで楽しい場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を裁判所にぶち込んでくる。
  
昼に食ったスパイシーなタコスが腹の中で暴れてる。

トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。  

「うおっ、最高裁!?」  

目の前には、最高裁判所の法廷。

裁判長が「被告に死刑を言い渡す」と厳かに読み上げてて、被告が「ガタッ」と立ち上がって震えてる。

傍聴席が「シーン」と静まり返り、書記官のペンが「カサカサ」と動いてる。

遠くで扉が「ギィ」と軋み、空調が「ブーン」と低く唸ってる。

で、俺はいつものように便器ごと、その判決のど真ん中にポツンと出現。  

「いや、マジかよ……死刑判決の最高裁でトイレって、賑やかどころか重すぎだろ!」  

すぐ横では、裁判長が「刑を執行せよ」と淡々と続けてて、被告が「うっ…」ってうめいてる。

距離、裁判長まで3メートルくらい。

埃と紙の匂いが鼻にガンガンくる。

この厳粛な場所で座ってるだけで、心臓がバクバクだ。

Tシャツが汗でビショビショで、場違い感がやばい。  

「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。

でもこの近さ、裁判長の「以上」と締める声や、被告の「ガタガタ」震える音が耳にガンガン入ってくるんだぞ!

法廷の空気が冷たくて重くて、便器が床にドカッと浮いてるのが気まずい。

こんな場面で用を足すとか、羞恥心が死刑判決より厳しい。

重すぎて、心が緊張で締め付けられてる。  

腹が限界だ。

タコスのスパイスが暴れてやがる。

時間がない。

こんな場所でミッションとか、心が厳粛さと羞恥で爆発しそう。

裁判長が「退廷」と告げる中、俺は必死に腹に力を入れる。  

「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」  

その時、被告が俺のすぐ横まで来て、「許してくれ!」って裁判長に叫んだ。

やばい、見つかる!?

俺は慌てて息を止めて固まる。

でも被告、俺をスルーして「ドサッ」と膝をついて離れた。

見えてねえよな……よな?

でもその瞬間、傍聴席の誰かが「ガタッ」と椅子を動かし、衝撃で便器が「ガタッ」と揺れた。

「うっ!」って声が出そうになったけど、汗だくで堪えた。  

法廷の静寂に紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。

裁判長が一瞬「ん?」って顔して首傾げた。

やばい、音でバレる!?  

ぷすっ。  

「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」  

光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。

換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に現実に戻してくる。

全身汗だくで、心がまだ最高裁の重さで震えてる。

息を整えながら、俺は呟いた。  

「最高裁の死刑判決って……厳粛な法廷の前でトイレとか、心が崩れるだろ……」 
 
考えてみれば、裁判長も被告も俺のこと本当に気づいてなかったよな?

「ん?」は偶然だろ。

でも、あの重い空気の中でやった事実は消えねえ。

俺のメンタル、もう判決文みたいにガチガチだよ。  

「ったく、次はどこだよ……もう重すぎるとこはマジで勘弁してくれ」  

タコスは当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。

でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。  

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