前代未聞のトイレ異世界転移ファンタジー～うちのトイレは異次元でした。街中は勘弁してください。いや、そこもちょっと！～

第109話：三春の滝桜とヤミ落ち友達の便器

俺、佐藤太一、18歳。

この呪われたトイレに振り回される生活、もう慣れっこだけど毎回予想外だ。

昨日はエルフにまた見られて「呪われてるのか！？」って心がボロボロになった。

昼に食った怪しげな桜餅が腹の中で暴れてる。

トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。  

「うおっ、三春の滝桜!?」  

目の前には、福島県の三春の滝桜。

満開の桜が「サアア」と風に揺れてて、山本彩花が「美月ちゃん、見て！綺麗だね！」って笑ってる。

山本美月が「ほんと、圧巻だね」と写真撮ってて、佐々木美咲が「太一くんにも見せたい…ね？」って目をギラつかせてる。

そして、ヤミ落ちした中村玲奈が「桜も…結局散るだけだよね」と虚ろに呟いてる。

花びらが「ヒラヒラ」と舞い、遠くで観光客が「オーッ」と歓声を上げてる。

で、俺はいつものように便器ごと、その桜のど真ん中にポツンと出現。  

「いや、マジかよ……彩花、美月、美咲とヤミ落ち玲奈が滝桜見ててトイレって、穏やかすぎて気まずすぎだろ！」  

すぐ横では、彩花が「春だね～」って手を広げてて、美月が「この桜、国宝級だよ」とうなずいてる。

美咲が「太一くんがいたら私と一緒に…」って独り言ちて、玲奈が「何か…生きてる気配がする」と首を傾げてる。

距離、彩花まで2メートル、他まで3メートルくらい。

桜と土の匂いが鼻にガンガンくる。

この美しい場所で座ってるだけで、心臓がバクバクだ。

Tシャツが汗でビショビショで、場違い感がやばい。  

「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。

でもこの近さ、彩花の「癒される～」って声や、美咲の「太一くん…」って呟きが耳にガンガン入ってくるんだぞ！

滝桜の空気が穏やかで華やかで、便器が地面にドカッと浮いてるのが気まずい。

こんな場面で用を足すとか、羞恥心が桜の花びらより多い。

穏やかすぎて、心が緊張で締め付けられてる。  

腹が限界だ。

桜餅がグチャグチャしてる。

時間がない。

こんな場所でミッションとか、心が美しさと羞恥で爆発しそう。

美月が「次はみんなで来たいね」と笑う中、俺は必死に腹に力を入れる。
  
「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ！」  

その時、玲奈が俺のすぐ横まで来て、「この気配…何だろ」と目を細めた。

やばい、気づかれる!?

俺は慌てて息を止める。

美咲が「太一くんの気配だよ！」って近づいてきて、彩花が「え？何かいるの？」って振り返った。

見えてねえよな…よな？

でもその瞬間、風が「ビュウ！」って吹いて、花びらが「バサッ」と便器に舞い落ちた。

「うっ！」って声が出そうになったけど、汗だくで堪えた。  

桜の下の静けさに紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。

玲奈が「やっぱり何かいる…」って呟き、美咲が「太一くんだ！」って叫んだ。

やばい、音でバレる!?  

ぷすっ。  

「……ミッションクリアー」  

光が「パッ！」と弾けて、俺はアパートの狭いトイレに戻ってきた。

換気扇のブーンって音と便器の安定感が現実を引き戻す。

全身汗だくで、滝桜の美しさが目に焼き付いてる。

息を整えながら、俺は震える声で呟いた。

「彩花たちと滝桜…気配バレしたけど見えてなくて良かった…！」

腹はスッキリしたけど、心は桜の風でグチャグチャだ。

トイレのドアをガタガタ震える手で閉めて、俺は壁にもたれて息を吐いた。