どくどく孤独

息吹く遥

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1日目:やみ

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 昨日は会社で散々怒られた。昨日と言ったが、訂正、一昨日も一昨昨日も、上司は鬼の形相で、人間とは思えない醜悪な、邪気横溢じゃきおういつという言葉が似合う表情で、自身の憂さ晴らしの為に、僕をなじった。

 もう会社には行きたくない。いや、行かない。
 固く決心した僕は、暗い部屋の壁際で体操座りをして、ビールの空き缶を震える両手で包み込む。
 酒の力でも借りないと、習慣的に早起きになってしまう。そうすると僕は、きっと会社を休むなんて凶行に趨れるはずがない。

 もっとも、会社を無断欠勤するということを、とまで言うのは、いささか表現が過剰だと思うのだが。
 むしろ僕のような、心身ともに衰弱し、目の下に墨で描いたようなクマを貼り付けた、哀れむべき弱者に、会社に出勤しろだなんて、そっちの方がよっぽど悪辣非道な考えなのだろうけれど。

「やってやる」

 小心者の僕がここまで勇気を振り絞るのは、おそらく小学生以来だろう。
 しかし、ここでやらねば本当に壊れてしまう。

 僕は、なけなしの勇気を振り絞って、三分の一ほどのこっていたビールを煽り、眠りについた。

******

 目が覚めた。

 ああ、覚めてしまった。
 そう思ったのは、まだ部屋が暗かったから。
 
 昼過ぎであればカーテンの隙間から差し込んだ陽光で、もう少し明るいはずだし、自然に目覚めるのではなく、会社からの電話で起こされるはずだ。
 
 流石に一日中寝ていて、朝も昼もすっ飛ばして、夜になっているなんてことも無いだろう。
 僕はそこまで眠りが深い訳ではない。
 そして先ほど言ったとおり、携帯に会社からの通知が入っているはずだ。

「ん……。携帯……、どこだ?」

 電気を付けるまでもなく、近くにあるだろうから、手探りで携帯の感触を求める。
 まだ起き抜けの頭だったが、徐々に胸の内側で膨れ上がる違和感に支配され、僕は固まった。
 
 感触がなかったのだ。
 
 携帯のではない。何も、何一つの物理的感触が、物体から返却されるであろう反作用による抗力が……。

 なかったのである。

「……」
 
 この異常事態に、声は出なかった。
 そして今更ながら、部屋が暗すぎることに気付き始める。
 目が一向に暗闇に慣れない。
 
 真っ暗な空間というより、真っ黒な空間だった。
 これも最初に気づくべきだろうことだが、自分の体は、はっきりと視認できる。
 明かりが無いのではなく、むしろ全方位に光源があるかのように、僕の体は明瞭に視認できた。

 故に、この真っ黒な空間には、
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